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ひだか病院議会 コロナ積極対応で10年ぶり黒字(5億円) 終息見越し一丸で収益改善に全力 〈2021年10月2日〉

2021年10月02日 08時30分00秒 | 記事


10年ぶり黒字決算となった、ひだか病院


 御坊市外5ヶ町病院経営事務組合議会定例会は30日、ひだか病院で開き、令和2年度決算認定など3件を可決・承認し閉会した。2年度は新型コロナで患者数が激減し、経営的に大きな打撃を受けたが、病院を挙げたコロナ対応の取り組みが国や県の手厚い財政支援につながり、10年ぶりに黒字決算となった。ただ、経営状況は依然厳しく、アフターコロナを見据えた取り組みが大きな課題で「収益改善策を検討するなど病院一丸となり健全経営に全力を挙げる」とした。

 決算額は事業収益が80億2607万3345円、事業費用が75億3669万814円で、差し引き4億8938万2531円の大幅な黒字。黒字決算は平成22年度以来10年ぶり。
 新型コロナの影響で入院稼働率が低下し、さらにコロナ患者受け入れのための病床確保も重なり、前年度に比べて入院患者は延べ1万6082人、外来患者は延べ1万5122人減り、大きな減収となった。
 一方、第2種感染症指定医療機関として地域住民の安全安心を担保するため国や県からの要請に応え、いち早く一般病棟の2階病棟52床(HCU4床含む)すべてをコロナ専用として対応。県下でも例のない対応だったと言い、医師や看護職員らスタッフの疲弊は招いたが、病院を挙げた積極的な対応が空床確保料や機器購入備品補助金獲得など国や県からの手厚い財政支援につながつた。
 国や県からの財政支援は約18億円に昇り、これがなければ大幅な赤字に陥っていただけに病院側は「コロナ患者の受け入れと病床増床、発熱外来の実施など御坊日高地域での感染症拡大防止に努め、地域の中核病院としての責務を果たしてきた。それらの積み重ねが結果的に黒字につながった」と説明した。
 今年度も財政支援により黒字が見込まれるが、病院経営は依然として厳しい状況にあるため、来年度以降、アフターコロナの取り組みが大きな課題。「今後も公共性と経済性を考慮し、信頼される病院を目指していくため、収益改善に向けた取り組みを行う」と、精神科病棟の入院稼働率向上などを検討し、医業収入の増収を図るともに職員が経営状況に対する理解を深め、病院全体が一丸となって健全な病院経営に努め、地域に親しまれ信頼される病院づくりに全力を挙げるとした。


電子カルテ更新7億4千万円

者用駐車場用地も購入

 財産取得では稼動から9年が経過した電子カルテシステム(病院総合情報システム一式)の更新に計7億4321万1359円(契約予定額)。
 補正予算では院内の患者用駐車場の一部賃貸が契約解除になったため、新たに近接地650平方メートルを購入し、患者用駐車場として整備する。購入費2000万円を計上。


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