紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

第37回危険業務従事者叙勲受章 管内から片山莊一(警察功労)弓場研二(消防功労)両氏 〈2021年10月21日〉

2021年10月22日 08時30分00秒 | 記事

 警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第37回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に警察功労で印南町南谷974の1、元県警部の片山莊一氏(73)と、消防功労で印南町印南3447の1、元日高広域消防事務組合消防司令長の弓場研二氏(70)-の2人が選ばれた。伝達、拝謁は新型コロナ感染症の状況を踏まえ検討中。県下受章者は28人で今回を含めて980人(6面に関連)。

交通・刑事畑で活躍

瑞宝双光章 片山莊一氏

 高校を卒業後、昭和42年4月に県警察官を拝命。田辺署を振り出しに、湯浅、御坊署で勤務し、41年にわたり、主に交通、刑事畑で、交通事故捜査に尽力。平成17年に警部補、同20年、御坊署を最後に退職した。「住民の模範となるよう、常に自分は見られているとの気持ちで行動していた」と振り返る。
 交通事故捜査では「早さと正確さ」が重要となる。一度目の田辺署勤務の時、当時、人身事故は今より多く、事故の書類作成に追われる日々。
 そんな時、車同士の衝突事故の通報が入り、現場に急行。到着すると、車が転覆しており、車内を確認すると、若い女性2人がすでに亡くなっているように見えたという。すぐにパトカーに乗せ、病院へ搬送した。片山氏は現場に残り応援を要請、状況確認や現場の保存、交通整理と作業に追われた。
 田辺署に次いで長く務めた御坊署では、死亡ひき逃げ事故の捜査に当たった。当時、次から次へと事故が起こるため、1つの事故に手をかけている時間が少なく、短期決戦が鉄則。現場での証拠集めや逃走車両の特定を急ぐ。組織で協力し、取りこぼしのないよう心掛けながら、地道かつ緻密な捜査で、外堀を固めて追いつめ、最終的に犯人は自ら出頭してきたという。
 刑事課では、変死体の現場、強盗事件現場での実況見分や証拠集めなど、部屋の隅々まで調べ上げた。
 片山氏の話 上司、部下、同僚などすべての出会った人のおかげです。特に家族の仕事への理解が大きいです。本当にありがたいことです。


消防体制充実に尽力

瑞宝双光章 弓場研二氏

 昭和58年9月に日高広域消防本部事務組合消防士長を拝命。消防署長、消防長を務め平成23年3月に退職するまでの39年余りにわたり、部下職員の指導育成をはじめ、災害現場などにおいての迅速で的確な指揮力を発揮して被害を最小限に食い止めるなど消防精神に徹し職務に精励。
 平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の際には、発生当日に第1次災害派遣部隊8人編成の隊長として神戸市内に入り、強い余震が続き二次災害発生の危険がある中、3日間にわたって不眠不休で消火活動や救助活動を展開、建物瓦礫内から3人を救出するなど消防の威信を高めた。
 次長兼消防署長就任後は、阪神淡路大震災での現場活動の経験を基に、近く発生するとされている南海地震に備え、過去の地震を探求するなどし、管内小中学校や地区などに出向いて講演活動に取り組み、地震・津波の怖さ、そして命をどう守るかを広く住民に普及させた。平成19年に消防長に就任してからは、消防の使命である、町民の生命と財産を災害から守るという強い信念の下、消防体制の充実・強化、職員の技術・知識の向上に尽力。火災件数の減少傾向で火災現場活動を経験する機会が少なくなることによる消防力の低下を危ぐし、過去の火災体験談の編集や再現訓練などの実施、火災防御技術の伝承を組織あげて取り組み、若手職員の技術・知識の向上に貢献した。
 弓場氏の話 過分なる章をいただき大変光栄に思っています。これもひとえに同僚、後輩をはじめ地域の皆さまのおかげと感謝しています。


 その他の主なニュース

 日高町はプロポーザル公募審査結果 大洋化学と黎明会に共同優先交渉権者に決定

御坊市 還付金詐欺で注意呼びかけ

衆院選3区 候補者が管内入り

 20日 ごぼうまちゼミスタート