瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想その2 ―TVアニメ45話~66話迄―

2007年09月10日 19時33分06秒 | 漫画&アニメ
前回、字数制限の問題により、前後のバランス悪く書いてしまったので、今回より★が付いてる話以外は、なるたけ1~3行に感想を纏めようかと。(汗)

それでは以下よりどうぞ~。



・第45話 スペースお見合い大作戦  脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…1話30分に変更したとは言え、原作は4話にも渡る長編…それ故お話は見事にダイジェスト版だった。でも新ED『心細いな』をイメージソングとして巧く使ってたり…細かい事ですが、校門前でのあたるとメガネの別れの挨拶の仕方が、如何にも男同士のそれって感じだったのが印象的でした。作画・演出共に良かっただけに、前・後編に分けて欲しかったと尚惜しく感じる。


・第46話 春らんまんピクニック大騒動! 脚本△ 演出△ 作画× マニア度△ 総合△

…原作では2本の話を1本に纏めた事で、前後の繋がりが何となく悪い。同じピクニック話だったって事で、そうしたんだろうけど…あんだけ騒動起きたのに、CM挟んで後半入った途端平和に始まるってのは、やっぱ不自然に感じちゃうのよ。作画は×付けたけど、前半の原画を担当した遊佐和重氏の絵は巧いと思う。(氏の紹介は後で…)冒頭、あたるがくるりんと回転するシーン、動きが非常にスムーズなのです。


・第47話 イヤーマッフルに御用心! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…話を破綻させる事無く、原作を上手く引伸ばした点が偉い。その引伸ばし方は如何にもTVアニメっぽいものなのですが。(笑)チェリー役の永井氏の演技が巧いな~。(猫に涙ながら語り掛けるトコとか)


★第48話 翔べよイモちゃん! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○

…アニメでは珍しく、あたるが格好良い。(笑)
話だけなら個人的ベスト10に…作画が宜しかったなら、ベスト3にも入れたい傑作。
作画に△付けたとは言え、前半の原画を担当した遊佐和重氏の絵は必見。
あたるが学ラン脱いで逃亡~ラムと共に追っ手を振り切る辺りや、振り切られて階段下へ脱落して行くクラスメート達等々、動かし方が実に巧い。
…にしてもアニメのあたるは何故学ランの下に赤いトレーナーを着用してるのだろう。
戦隊番組的お約束から来る主役カラーとか?
普通にワイシャツでも構わなかったと思うんだけど…。
原作には出て来ないメガネ達4人組やサクラにまで活躍の場面を作り、話を巧く膨らましておりました。
千葉氏のアドリブと思しき「カボチャァ!!!イモ~イモ~!!ニャ~オ!」に爆笑。
…アフレコ時の脚本では此処、「ホアチャァ!!!アチョ~アチョ~!!ニャ~オ!」だったと思われるんですよねぇ。(笑)


・第49話 テンちゃんの恋 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…子供の日スペシャルって事で、ゲストは熊&金太郎。クセは有るけど、絵が綺麗。(実は後にママ4のメイン作画監督を担う遠藤裕一氏が担当していた)サクラさんの「お星様がいっぱい光ってる目」にはウケたです。(笑)テンちゃんの上だけタキシード姿が頗る可愛いv足が着かないのを見た店員さんが、踏んで自動ドアを開けてくれるシーンにほのぼのした。


★第51話 ラムちゃんの男のコ教育講座 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…1話目で紹介した高橋資祐氏の作画が冴え渡る回。
ラムが飛ぶ時のあの「ピロロロロ……ポォ~~ン!」という独特な効果音にマッチした動きが素晴しい。
人呼んで『どうたく飛び』――『どうたく』と言うのは、氏の在籍していたスタジオ名から付けられたものだと思われ。
見せ場はラムが10年前の世界にタイムワープするシーン。
正に流れる様な美しい動きで御座います。
それとスッポン少年あたるの、ボールが弾む様な動き。
この方の描くキャラは、皆タレ目なのが可愛いんだv
お話の方もオチを上手く着けてて面白かったです。


★第52話 クチナシより愛をこめて 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…アニメうる星の「作画の暴走」を語られる際、必ず例として挙げられる回かと。
お話はほぼ原作通りなんですがね…。
鬼星の肥料で巨大化したクチナシを持って花屋に激走するあたるのシーンが凄いの何の!!(爆笑)
4人組にチェリーを振り切りスーパーマンに警官リーゼント兄ちゃん乗ったオープンカーに空軍ジェットまで振り切り歩道橋上って下りてトンネル潜り…

――何処に在るんだよ花屋!?近所じゃないのか!?(爆笑)

さながらアニメ『キャプテン翼』のゴールの如く、地平線の向うに霞む約束の場所。
ミュ~~~~ン♪ミュミュミュミュミュミュミュミュ~~~~ン♪というBGMに乗り、地球の裏側迄突っ走る勢いのあたるを観て笑わない人はまず居ないんじゃ。
このド迫力の作画を担当したのは、噂のパースアニメーター山下将二氏。(流石)
お話全体の出来は正直普通…でも此処のシーンは必見。
ちなみに前半でチェリーが口から写真出すのはカリオストロのパロです。
これもアニメーターさんの暴走ですな。(笑)(曽我部孝と言う方が描いたものだそう)


★第53話 美少女は雨とともに 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度△ 総合○

…ほぼ原作通り、しかし無駄な部分を巧く省いて纏めた佳作。
原作自体が傑作と評判高く、長さにしても丁度良い具合だった為、オリジナルを入れる必要性をあまし感じなかったのでしょう。
確かファンクラブの選ぶベスト10で、8位か9位辺りにノミネートされとった記憶が…。
絵が凄く綺麗…ゲストキャラ露子の父ちゃんの過去シーンとか、アメフラシと遊ぶシーンとか。
露子とあたるが別れるシーンで、露子の髪があたるの鼻の先を擽る様に離れる演出も細かいな~。
毎度の事ながら、アニメのあたるとラムは仲好し夫婦。
ちなみにアメフラシは、この後同じぴえろ作品の『クリィミーマミ』にもゲスト出演…但しザシキワラシとして。(似てない?)(笑)


・第54話 わいのツノを返してくれ! 脚本○ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△

…ディーン編からのチーフディレクター山崎和男氏が、この回の演出より参加。恐らく「キャラの心象風景をイメージ」して、霊柩車や戦車が街中通りドンパチする表現は、ちょっとマニアックな演出過ぎると思う。(普通の人が観たら訳解らんよ)(汗)作画に△付けてますが、西島克彦氏が描いてる始めの数分(テンVSあたる~ラン、初恋の終焉迄)は細部まで描き込んでて巧い。しかしその後(失礼ながら)急激に絵が下手になるのでビックリするかと。(笑)


★第55話 ドッキリ図書館お静かに! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…原作を巧く膨らましてる脚本&演出に、「作画の暴走」が相乗して完成した大傑作。
原作ではビニ本だったのが、水着ギャルグラビアに変ったのは、放送コードに引っ掛るのを恐れてだろ~な~。
けど、むしろ4人組の仕草が妙にリアルに思春期男子してて、原作以上にエロっぽく感じられたり。(笑)

そろそろ字数制限が恐いので短く…。(汗)

クライマックスが何と言っても凄まじい。
本から飛び出した戦艦モアイ像UFO孫悟空国定忠治ウルトラ警備隊同時期に放送していた他アニメキャラまで入り乱れ、「ええじゃないかええじゃないかええじゃないか!!」と踊る民衆、浮上する魔法の絨毯、飛び交うミサイル、出撃する戦国武将、最早図書室は支離滅裂な騒ぎに包まれ収拾不能。
此処でBGMとして流れる「宇宙は大ヘンだ!」がイメージぴったりで圧巻!

…ちっとも短く纏めてないですね。(汗)

え~つまり最も『うる星』らしい話かと。
これを観て笑えた人は、きっと『うる星』に嵌るでしょう。
だからこれから初めて『うる星』を観ようって人は、先ずこれを試しに観て下さい。(或いは『コピー作戦』、『自習騒動』の回)(笑)


・第57話 悲しき妖怪人恋しくて 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…お話は大体原作通りなんだけど…ラムやあたるの演技が妙にクサイ辺り、演出家の志向を感じるな~。(笑)妖怪との別れのシーン等、もちっとドライでも良かったんじゃってのは、こちらの趣向の問題?ラストのラムのシーンも、特に必要無く思えた。ラムがプールを潜るシーン等、作画がとても綺麗。作画を中心に楽しむ回って事で。


★第58話 ダーリン絶体絶命! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…山崎和男氏2度目の参加作品。
前回第54話は演出のみ担当してたのですが、作画の出来が気に食わなかったって理由から(笑)、自ら作画も行う事にしたそうな。
演出・作画監督・原画の一部まで自分の手でこなす辺りに、氏の強い拘りを感じる。
『うる星』に関わった沢山のアニメーターさん達の中でも、自分はこの方の絵が1番好きだったり。
物っ凄く綺麗なんですよ!
映画2作目の作画監督さんだと紹介すれば、どんな絵か何となく判る人も居るでしょう。
演出的にも…2本の原作を繋いで1本に纏めてるのですが、全然そんな感じがしないのが凄い。
前半、ウェイターさんの目で追わせる構成が特に巧いです。
繰り返しのギャグが実に冴えてるかと。(笑)


★第59話 レイ復活! 自習大騒動!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…押井氏が演出した作品の中でも屈指の出来だと思う。
原作では自習に雪崩込んだ所から始まるのを、そうなるまでの経過を巧みに膨らましてるのです。
見張り役を決める件が、ちゃんとオチに繋がってるのが巧い。
個人的にウケたのが、見張り役のパーマが、温泉先生が戻って来る事を伝令しに、教室に駆け戻るシーン…途中、授業してる教室の横を過ぎる際、ちゃんと速度落として忍び足になるんですよ。
このリアリティ溢れる演出には感心した。(笑)
作画に△付けたけど、西島克彦氏が担当している後半は、素晴しいとしか言い様が無いです。
教室が黒子で埋まるラストシーン…そのあまりに緻密な描き込みには、涙流して大笑いしました。(爆笑)


・第60話 怪人赤マントあらわる!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△

…オリジナルシーンに意見は分かれるでしょうが、赤マントと温泉先生のキャラを良く膨らましてると感じられました。実は、原作では温泉先生は妻子持ちなのですが、アニメでは独身って事になって居るのですよ。(笑)そいった設定は、このエピソードが作られた頃より考えられたものでは?…だとしてアニメ温泉先生のキャラ確立切っ掛け話とも言える。メガネの入魂化粧シーンに爆笑、千葉氏の怪演に悪酔いした。(笑)…所でこの回、珍しく皆仲が好かったね。(笑)


★第61話 ダーリンを奪え!コピー作戦!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…もし今、「アニメ『うる星』でベスト1を選べ」と言われたら、私はこの回を選ぶな~。
お話も演出も最高。
特に、ランが電話を切るのと同時に、あたるの電話が切れるという、絶妙のタイミング。
しかし何より作画が最高に可愛く素晴しく凄まじい。
冒頭からひたすら飛び捲るラム。
ひたすら走るあたるとランちゃん。
終いにはコピー銃で水に浸した乾燥ワカメの如く増えたあたるが画面狭しと大騒ぎ。
こんだけ動くアニメ、今じゃ映画でくらいしかお目に掛かれませんよ。(笑)
単純明快に笑えて楽しめる作品。
…落込んでる時に観ると元気が出ますよ。(笑)


★第62話 どきどきサマーデート 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…地球の女の子に化けたラムが可愛い。
この回のあたるとラムは、実に青春カップルしてました。(笑)
てゆーか、可愛い女の子見て、「中々可愛いコだな」と流すあたるは有得ないと思うんだが。(笑)
例えラムとデートしてる最中でも、イイ女を見掛けたら即声を掛けるのが奴だ。
…実はアニメ前半のあたるは、「あたる」と言うよりパトレイバーの「遊馬」。(笑)
ハーレムの夢を抱きつつも、あんまナンパし捲らず、普通の高校生男子しとるのです。
…それはそれで「良いかも」と感じちゃう辺り、自分も女だなぁと。(照笑)
作画に△付けてますが、例の如く遊佐和重氏描く原画が良い。
ラムがローラースケートで滑るシーンとか、動きが実に爽快で見蕩れます。
あたるが扇風機の風でシャツを孕ませるシーンには、「ああ、それ、やるやる!」と頷いてしまったり。(笑)


・第63話 さよならバイバイ夏の日々 脚本× 演出× 作画× マニア度△ 総合×

…原作通りに作った事で、原作の出来がまんまアニメの出来に直結したような。前半はそれなり、後半はとてつもなくダラダラ。作画がまた酷いものだったので…。(汗)ただ前半、スイカ様に追われる場面~ラムが電撃ビームを発射する場面だけ西島氏が描いてる為、物凄く絵が巧くなるんだ。突然キャラの顔が変るんで笑えます。(笑)


★第64話 パニックイン台風!脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…原作ではドタバタギャグ話なのですが、アニメではラブコメに。
悪いと言う訳でなく…実は当時発行されたアニメ雑誌『アニメディア』の人気投票では、最も得票数が多かった回だったり。
あたるがラムを命懸けで救うというオリジナルシーンが挿入されてまして、それがファンから物凄い反響を呼んだのです。
…実はこれ、『未来少年コナン』のパロだと思うのですが。(笑)
でも水中で、倒れた荷物の下敷きになったラムを助けようとするシーンには、自分もジンとした記憶が有る…。(照笑)
洗面器の利用の仕方に感心した。
蝋燭の灯りの中、フワフワ浮んだ水玉を2人で見詰るシーンも、照れ臭いんだけどファンタジックで綺麗。
原作以上の諸星家破壊オチもお見事。(爆笑)


★第65話 酔っぱらいブギ 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…挿入歌『マルガリータ』を使ってのイメージシーンが、話を効果的に盛上げてるかと。(ちなみに『心細いな』と同じ方が歌ってる)
何度も言うけど、メガネ達4人組は、ほぼアニメのオリジナルキャラ…実際には原作に出て来ないのに、浮上がらず、ちゃんと活躍してるのは凄い事だと思うのだ。
酔っ払って論理無用の感情を爆発させるラムは迷惑だが可愛い。
ラストで見せる男の友情の儚さには笑った。
結局あの後、面堂は裸踊りをさせられたのだろうか?
ズボンまで脱がされていたのは確認したが…。(笑)
神谷氏のアドリブと思しき「クセになったらどーするの!」なる台詞には、大ウケしましたです。(笑)


★第66話 ニャオンの恐怖 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○

…前半は怪奇ミステリータッチ。
猫の視線で見上げる様な場面構図が巧い。
白黒映像にした事で恐怖感が更に増してる…子供の頃観ていて、マジ恐かった。
後半はガラリと変って『あしたのジョー』パロ。
あたるの髪型まで変えてるし。(笑)

「つ、つえェ…!やっぱりつえェよ…!」(←首コキコキ鳴らしつつ)

…涙流す程笑いましたって。(笑)

オチできっちり真っ白に燃え尽きさせる辺り、極めてるな~。(笑)
作画△にしてるけど、毎度の事ながら原画の出来は良いんですよ。
何の為の作画監督か悩んでしまう…。(汗)



…45話から本格的に、30分1話方式に変更。
少し遅れてタイトル絵、アイキャッチ(←CMが挟まる前に流れる映像。名探偵コナンを例に挙げるなら、前半と後半との合間に、扉が開閉するあの映像)も変更。
電撃と共に登場するラムが格好良かったので、タイトル絵は正直変えないで欲しかった…。
アイキャッチも三角関係を表したパタパタアニメが可愛く面白かったけど…三角関係から話が離れる以上、この変更はしょうがなかっただろう。(毎回トップレスのラムで〆るというのが恥かしかったので、この変更には多少ホッとした←照)

そしてスタッフにも変更が入った。(主に脚本)
シリーズ構成が山本優氏→伊藤和典氏に。

「シリーズ構成」と言うのは、脚本家の総元締め的役割です。
アニメの脚本は大抵4~5人がメインとなり、ローテーション決めて書かれています。
それも放送スケジュールの関係上、同時進行でバラバラに。
何人もの脚本家が書いてると、シリーズを通して観た場合、キャラの性格が毎回違ったり、話の展開が違って来てしまう。
そうならないよう、この先話をどう展開させて行くか筋道を決め、キャラの統一を図る。
TVシリーズという、連続した話に1本芯を通す為の、重要なお仕事なのですよ。

前半を担当した山本優氏は、小さい子供向けに『うる星』を作ろうとしたらしく、テンを最初から登場させたりした。
テンの友人として、原作ではただのゲストキャラだった金太郎を、レギュラー化しようとまでした。(そんな無茶な)
…残念ながら、その目論見は『うる星』のファン層に合わず、氏は降板する事になったのです。

新しく就任した伊藤氏は、そのマニアックな嗜好が総監督役押井氏とベストマッチしたらしい。(笑)
この後2人のコンビは、『パトレイバー(1988年~1993年)』・『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年)』・『アヴァロン(2001年)』と、長きに渡って続く事になりました。



【続】

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