…なぞと思い、漫画前半のサクラさんをイメージして描いてみた。(↑)
それはさて置き、前回の続きで御座います。
・第101話 みじめ!愛とさすらいの母!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合△
…フジ局上層部から納入断られたという因縁作。(笑)言ってみりゃ2作目映画の為の実験だったのだろうと、敢えて★を付けなかったのですが…中々興味深い話ですよ。謎の少女とあたるの母がエスカレーターで擦違う場面…ぞくりと来る恐さが有る。お話自体はかなり難解、と言うより崩壊したまま終り、今一中途半端な感を持ってしまうのですが…個人的には面白いと感じたのでした。(シュールな話を好む人には合うでしょう)
★第102話 面堂家サマークリスマス 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○
…冒頭のコンバットシューティングは面白かったけど、話に何の関係も無かったなと感じなくも無い。(笑)
そしてあれこれ言い訳してたけど、やっぱり夏にクリスマスやるのは、苦しかったと思うよ。(笑)
とは言え、原作を良く膨らましてて、傑作に仕上ってました。
未だあたるに未練感じてる様な、しのぶの描写が細かい。
原作でもこの回ちょびっとだけ、しのぶがあたるに未練持ってた様な描写が有りましてな…だから入れたんでしょうけど。
しかし作画が良く言えば「味が有る」、悪く言えば「崩れてる」為、今一センチメンタルさを醸し出せず終った様な。(笑)
この回の作監は林隆文氏…素人目で見ても氏が描いたと解る程、特徴の強い絵を描かれる方です。
特にテンの顔が物凄く潰れるんですよ。(笑)
ラストの怒涛のギャグシーンでは、その画風が非常に効果を上げてた気がします。
ちなみに落下時の面堂の声は、機械使ったり等して居らず、あくまで声優さんの演技だそうな…ちゃんと遠ざかって聞こえるんだから凄ぇ。(驚)
・第103話 パニックイン幽霊民宿 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…原作通りでした…の一言で終らせると怒られそうですが。(苦笑)本当に原作をまんまトレースした様な出来なんで…前にも書いたけど、うる星はギャグ色が強い漫画。ギャグってのは一発勝負で、1度聞いちゃった後は、同じ事言われてもウケ難くいんですな。(汗)テンポが悪かった点もちょっと…。
★第104話 あぁまぶたの母 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…15年戦争終結から15年戦争突入迄の新編日本史…幾ら歴史は繰り返されると言え、メビウスリングの様に戻ってる辺りが細かい。(爆笑)
「朝廷の計画に基づき、夕陽のイスカンダル星へ移民開始」とか、「移民船タイタニック号、氷海にて沈没」とか、「チリ大地震発生」とか…歴史捏造も此処までやれば偉いよ!(大爆笑)
聞いてる間中、腹が痛くて仕方なかった…。(笑)
筋は原作通りなんだけど、ギャグ部分の拡大の仕方が凄まじい。
前半、後半とも、同様のオチにしてあったりと、実に見事な演出でした。
…それで結局、竜之介の母親の名前は、『まさこ』で正しいんでしょうかね~?(笑)
・第105話 太陽がいっぱい浮気がいっぱい 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○
…前半と後半で作画監督が違うんで、印象丸っきし違って見える。(笑)前半の作監は西島克彦氏。氏らしく、非常に女の子達が色っぽく描かれてました。特にサクラさん…あたるが水着引張る時、胸までリアルに動くのが凄いえっち。(笑)背景にクリィミーマミが居たりと、お遊びも多い。後半の作監は遠藤麻未氏。ラストであたるがヤキモチ妬くのを見て、喜ぶラムの顔が可愛かった。後半、演出のテンポが悪かったのだけが残念。
★第106話 大激突!テン VS あたる 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…原作2本分を繋いで作ってあるのに、全く不自然に思わせないのが偉い。
冒頭であたるとテンが喧嘩するシーン…すっかり慣れ切ってて無言で机をパージする家族には笑った。
担当した作監はテンの顔を激しく潰す林隆文氏。
手抜きだなんだとファンから揶揄されたりもしてましたが…実際手抜きを良くする方だったし(笑)…味が有って嫌いな絵じゃないんだな~。
丁度半分位の所でラムだけ端正な顔に戻りますが、それは遠藤麻未氏が原画を担当したから。
番組初期の作画を独りで支えてた彼女でしたが、惜しまれつつもこの回を最後に、うる星から離れて行ったのでした…。(涙)
・第107話 恐怖!トロロが攻めてくる!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…良くこんな話思い付けるなぁと感心してしまう。(笑)発想の元は…アメーバが生物襲って己の体内に取り込んでく~みたいなSFホラー映画が昔有ったんだけど…それかな~なんて…。(或いは『悪霊の棲む家』?)ひたすらドロドロデロデロとトロロに襲われる話です。(「山芋崩れだ!!」って台詞には爆笑した)面白いんで★を付けようかと思ったんだけど…好みで分かれるかもというのと、「終らない」ラストだった点から(ホラー映画のお約束だけど)止めといた。
・第108話 惑星教師CAO-2の復讐 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…マクロスの作画スタッフが描いたもんで、キャラが皆マクロス顔でした。ランちゃんがまるでミンメイか早瀬未沙。(笑)メカアクションシーンの雄、板野一郎氏まで参加してんだから完璧。お話の方は…前半は面白いんだけど、後半の展開は不自然で、正直要らなかったと思う。ラム弁天お雪ランの関係や性格描写は上手いと感じたけど…あたると面堂がちょっとね…。(汗)「後半は余計」だなんて、まったくマクロスっぽいよ。(苦笑)
★第109話 逆上!みじめっ子終太郎!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…ぶち切れた面堂がマジ恐い。(笑)
「こぉ~~~こぉ~~~かぁ~~~~……!?」なんて…そりゃ、あの顔見たらトラウマにもなるでしょう。(此処の迫力満点な原画を描いたのは、山下将仁氏)
声優神谷氏の、正に泣く子も黙らせる名演技も凄かった。
他細かく目に付いた点を挙げると…
「早く食事にしよう、ワインがぬるくなる」と口だけニヒルに決めるサングラス部隊にウケた。(笑)
覗きしにだけ現れた様な2人組にも笑った。(本当、何の為に登場したんでしょうね~)
それから…この回に限らず、アニメのラムは一々「さん」付けするのが、ちょっと気色悪いなぁと…好みによると思うけどね。
面堂の事は「終太郎」と呼捨てなのに、他あらゆる物を「さん」付けして呼ぶというのは…キャラが統一されてなく感じられる。
あたるが学ランの下に着てる赤トレーナー同様、最後まで気になったのでした。(汗)
★第111話 怒りのラムちゃん! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…テンちゃんが可愛可哀想でした。(笑)
ラムちゃんを怒らせたと勘違いし、謝る方法を必死に考え苦悩する様が面白い。
んで、面堂に聞く件までは原作通りなんだけど、4人組は勿論、しのぶの場面はアニメのオリジナル。
良く膨らましてたと思う。
もう嫌われたと思い込み、風呂敷で荷物包んで家出しようとする姿が、また可愛い。
冒頭、あたるの児童虐待を見て、「そこまでやらんでも…」と眉を顰める人も居そうだが、案外あの2人は仲が好いと思う。
ラストでテンが、寝ているあたるの枕元に、自分の玩具を置いてくシーン…そんな一面が上手く表現されてたなと。
・第112話 ラムとあたる・二人だけの夜 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△
…「ラムとあたるはデキてるのか否か?」っつうのは、ファンの間で裏に表に議論が交される所。「年頃で好き合ってる男女が一緒に居て、何も間違い起らない訳が無い」というのが理由でしょう。(笑)ワンピでも「クルー間で男女関係有るか無いか」、ファンの間で諸説色々飛び交ってますが…漫画キャラに「性」を意識させようとするのは、生身の人間としてキャラを捉えたいからなのだろうなと。自分達同様「生」の息吹を持った人間だと思いたいからこそ、現実世界で生きる人間と同じ行為をさせたいのですよ…多分。その思いを作品として昇華させたのが「ファン同人」という訳で…
…原作者は触れないで置いた方が良かったと思うんだな~。(笑)
言ってみりゃ「開けなきゃ良かったパンドラの箱」的話で、正直原作者の失敗に思える。(失礼済みませぬ)お蔭でラムの意図が全く読めず、人間性を喪失してしまったのは残念。作画に△付けてますが、ラムの爆裂クッキングシーンと、ラムから衝撃の告白を受けて突然5人がスターウォーズパロするシーンは凄い!(爆笑)話には全く関係無いんですが、僅か1分少々の間に名場面が次々と(笑)…描いたのは林隆文氏…見事としか言い様が無いですよ、ホント。思わずコマ送りして細かく観ちゃいました。(笑)
・第113話 レディー竜之介! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…うる星版『マイ・フェア・レディ』。女の道目指して、竜之介と温泉先生が特訓する様が面白かった。ただラストは今一盛上らず…あたる達は今回出さない方が良かった様な…。あくまで竜之介自身に己の行動決めさせた方が、盛上った気がするんですよね~。
★第114話 ドキュメント・ミス友引は誰だ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…再び原作者の逆鱗に触れた回。(笑)
原作ではこの話、5回にも渡る中編で、ミス・コン本選の部分こそメインに置いてたのですが、アニメではそこに至るまでの前哨戦で終ってしまったという。(大笑)
その事でファンの評価も、再び賛否両論真っ二つに分かれたのです。
ただ…単純に話の出来だけで比較するなら、アニメの方が上だと思う。
ミス・コン話という事で女の子のお色気サービスたっぷりな展開…それ故カットされた事に不満を持ったファンが多いのですが…正直サービス過剰が目に付いた話だったなぁと。
女同士のキスシーンがバカスカ出るしで、放送し難い内容でもあったろう。(忘れてたけど、そんな超能力が有ったなぁ、ランちゃん…)(笑)
もっとも原作者が怒った箇所はそこでなく…竜之介の顔写真を「踏み絵」にして踏ませるという表現に腹立ったらしい。
実に原作者らしい、愛情深いエピソードだなと感じた…他人にとってはギャグの積りでも、生み出した親の立場からすれば、とんでもない暴挙に映ったのでしょう。
アニメの話に戻して――自分はこの回、傑作だと思う。
最後までどうなるんだろうと、惹き付けられずには居られなかった。
アニメオリジナルのキャラも、それぞれ魅力的で、チョイ役で終らせるには勿体無いと感じた。(笑)
ラスト、見事に手玉に取って逃げたあたるには、拍手喝采で御座いましたよ。(笑)
・第122話 必殺!立ち食いウォーズ!! 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合○
…押井氏の映画『立喰師列伝(2006年公開)』の元。「昭和の闇歴史」と囁かれた、あの伝説の立喰師達が、友引町を戦場に変える!…そんな様な作品。(笑)これも好みによって分かれるだろうと★は付けなかったですが、私は面白いと思いますよ~。ただ戦況を有利にする為攫うと言うなら、最も脅威である筈のサクラさんを攫わなかったのは謎。出演した立喰師の一部は、その後押井氏の作品に続けて出て来ます。次回作では『クレープのマミ』も出演とか。(笑)
★第123話 大金庫!決死のサバイバル!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…あたる&面堂だけでお送りする2人芝居の巻。(笑)
予算不足、声優のストが予定されていた等、理由は色々有った様なのですが…良くぞこんだけ面白い話に創り上げたなと。(笑)
「ちせいはちせいでも『やまいだれ』の方だな」とか、「周りのメリケン粉部分よこせ」だとか、一々台詞が面白いんですよ。
正に丁々発止の遣り取り…見事で御座いました。
歴史に残るアニメ表現だったと思うよ。(笑)
★第124話 (秘)作戦・女湯をのぞけ! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…壁向うの桃源郷を一目見ようと、あらゆる手段を実践する漢達。
或る者は水の反射を利用しようとし、或る者は牛乳瓶をレンズ代りに用い、或る者はライフツールで穴を開け、或る者は事故を装い女風呂に飛び込まんとする…
「ウワァ~~~~!!――す、済みません…向うに居る連中に、無理矢理投げ込まれてしまって…」
妄想シーンの面堂の目が、忙しなく動いてる表現に感心した。(爆笑)
埒が明かぬと最後は全員壁上ってダイレクトに覗こうとする訳ですが――此処からが凄い!(笑)
「俺は見たいがお前ら見るな」と足を引っ張り合う内に、腰を覆うタオルが剥れる。(てゆーか今迄よく剥れなかったもんだと感心してしまう)
それを何処からともなく現れた黒子軍団が、絶妙のタイミングで隠す、隠す、隠し通す!!(爆笑)
男達がジャンプすれば、黒子達も一緒にジャンプする!!(大爆笑)
オチは皆さんの読み通りで御座いまして…しかしまぁ、本当に笑わせて戴いた。
アニメ観て、こんだけ笑ったのは無いなってくらい。(笑)
昔懐かし銭湯の描写も巧く、観ていて久方振りに銭湯に寄りたくなったよ。
★第125話 サクラ・哀愁の幼年期 脚本○ 演出○ 作画× マニア度△ 総合○
…作画は諸事情により、とてつもなく「終ってる」のですが。(汗)
話と演出は実に面白かったです。
幼年時代のサクラの寂しさが、巧く表現されてたなと。
襖に大勢の影が映り、友達が遊びに来たと思って開ける――しかし、そこには誰も居なくて…。
此処のシュールな表現が印象深い。
後半、サクラに隠し子が居たと勘違いして、メロドラマな妄想に耽る温泉先生にもウケた。(笑)
作画も良かったら、間違い無く傑作として、多くのファンの記憶に残ったろうな~と…実に惜しく思うのでした。
★第128話 スクランブル!ラムを奪回せよ!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○
…ぴえろシリーズの最終回にして、初めての前後編。
元はこれが映画2作目の案だったらしい。
「記憶を失くしたラムを、あたるが奪い返しに行く」という、如何にも最終回らしいお話。
…正直こんな有りがち設定映画にならなくて良かったなと感じたです。(苦笑)
「毎度の事ながら喧嘩したラムとあたる。
そして毎度の事ながら、ラムは電撃一発、あたるのウチを飛び出してしまう。
UFOに戻ったラムは、悩んだり苛付いたりしながら、眠ってしまうのであった。
…と、眠ってる間に、UFOが暴走――面堂邸に墜落してしまう。
ベッドを覆うシェルターに守られ無傷ではあったが…そのショックでラムは一切の記憶を失くしてしまった。
一方、窓を開けてラムの帰りをさり気に待っていたあたるは…何時までも戻らない彼女を心配し出す。
そこへテンが、ラムのUFOが消えたと、慌てて伝えに来た。
テンがUFOへの連絡方法を思い出し、呼び出してみれば――何故か応答したのは面堂邸に居る黒子だった。
『ラムちゃん…ひょっとして面堂の所に居るんやろか…?』
お喋りなテンがサクラに漏らしてしまったのを切っ掛けに、噂は校内中に広まって行く…」
前編では話の発端~4人組、そしてあたるが決起する迄を追ってます。
編みかけのセーターを見て、ラムが「自分から去る訳がない」と確信する、あたるのシーンが良いなぁ。
そして何より4人組が、各々個性を発揮してて格好良い。
皆の中でパシリ役の位置に居るチビ。
チビを虐めつつも、世話を焼くカクガリ。
メガネのフォロー役にしてムードメーカーのパーマ。
そしてパラノイアなリーダー、メガネ。
くどいけど、この4人はアニメのオリジナルキャラで、原作には出て来ない。
なのに原作を元にした世界で、不自然無く関係を築けるというのは、素晴しい事だと思うのですよ。
・第129話 死闘!あたるVS面堂軍団!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…後編はひたすらアクションに次ぐアクション。
フィナーレに相応しく、最高の作画で描かれておりました。
特にヘリに乗ったあたるが、面堂邸に単身乗り込み、ラムと一瞬の邂逅を果たすシーンは印象深かった。
ただお話の方は正直整理不足が目立ちます。
屋敷に闖入したチェリーが、ラムにあたるの名前をギャグっぽく教えたり…もちっと上手い手考えられなかったものかと。
了子の手助けになってない手助け(笑)も今一。
話の苦しい箇所を、ギャグで誤魔化してる様に感じました。
後…面堂が完全に悪役として描かれてたのがね…違和感持ち捲り。(汗)
それで居ながら、オチでは元通りの関係に戻るという…言葉悪いが、メガネの台詞は、やっぱり逃げに思うよ。
…なぞと色々文句書いたけど、拘らなきゃ非常に感動的な話で、最終回らしい盛り上りでした。
…2年目入った頃から、押井氏は監督を降板する準備をしてたらしく(笑)、やたら実験的な作品続きでした。
脚本家は伊藤氏以外殆ど引き払って、伊藤氏&自分を含めた演出家主導で話作ってたという。
そして多くの作画スタッフを2作目映画に割いたもんだから、TV用の作画スタッフは人出が不足し、総集編を三度連続で放送したりして、お茶を濁す破目に。
…辞めると思ってやりたい放題ですな!(笑)
この件については、引き続き『ビューティフル・ドリーマー』の章で…。
【続】
それはさて置き、前回の続きで御座います。
・第101話 みじめ!愛とさすらいの母!? 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合△
…フジ局上層部から納入断られたという因縁作。(笑)言ってみりゃ2作目映画の為の実験だったのだろうと、敢えて★を付けなかったのですが…中々興味深い話ですよ。謎の少女とあたるの母がエスカレーターで擦違う場面…ぞくりと来る恐さが有る。お話自体はかなり難解、と言うより崩壊したまま終り、今一中途半端な感を持ってしまうのですが…個人的には面白いと感じたのでした。(シュールな話を好む人には合うでしょう)
★第102話 面堂家サマークリスマス 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○
…冒頭のコンバットシューティングは面白かったけど、話に何の関係も無かったなと感じなくも無い。(笑)
そしてあれこれ言い訳してたけど、やっぱり夏にクリスマスやるのは、苦しかったと思うよ。(笑)
とは言え、原作を良く膨らましてて、傑作に仕上ってました。
未だあたるに未練感じてる様な、しのぶの描写が細かい。
原作でもこの回ちょびっとだけ、しのぶがあたるに未練持ってた様な描写が有りましてな…だから入れたんでしょうけど。
しかし作画が良く言えば「味が有る」、悪く言えば「崩れてる」為、今一センチメンタルさを醸し出せず終った様な。(笑)
この回の作監は林隆文氏…素人目で見ても氏が描いたと解る程、特徴の強い絵を描かれる方です。
特にテンの顔が物凄く潰れるんですよ。(笑)
ラストの怒涛のギャグシーンでは、その画風が非常に効果を上げてた気がします。
ちなみに落下時の面堂の声は、機械使ったり等して居らず、あくまで声優さんの演技だそうな…ちゃんと遠ざかって聞こえるんだから凄ぇ。(驚)
・第103話 パニックイン幽霊民宿 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合△
…原作通りでした…の一言で終らせると怒られそうですが。(苦笑)本当に原作をまんまトレースした様な出来なんで…前にも書いたけど、うる星はギャグ色が強い漫画。ギャグってのは一発勝負で、1度聞いちゃった後は、同じ事言われてもウケ難くいんですな。(汗)テンポが悪かった点もちょっと…。
★第104話 あぁまぶたの母 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…15年戦争終結から15年戦争突入迄の新編日本史…幾ら歴史は繰り返されると言え、メビウスリングの様に戻ってる辺りが細かい。(爆笑)
「朝廷の計画に基づき、夕陽のイスカンダル星へ移民開始」とか、「移民船タイタニック号、氷海にて沈没」とか、「チリ大地震発生」とか…歴史捏造も此処までやれば偉いよ!(大爆笑)
聞いてる間中、腹が痛くて仕方なかった…。(笑)
筋は原作通りなんだけど、ギャグ部分の拡大の仕方が凄まじい。
前半、後半とも、同様のオチにしてあったりと、実に見事な演出でした。
…それで結局、竜之介の母親の名前は、『まさこ』で正しいんでしょうかね~?(笑)
・第105話 太陽がいっぱい浮気がいっぱい 脚本○ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合○
…前半と後半で作画監督が違うんで、印象丸っきし違って見える。(笑)前半の作監は西島克彦氏。氏らしく、非常に女の子達が色っぽく描かれてました。特にサクラさん…あたるが水着引張る時、胸までリアルに動くのが凄いえっち。(笑)背景にクリィミーマミが居たりと、お遊びも多い。後半の作監は遠藤麻未氏。ラストであたるがヤキモチ妬くのを見て、喜ぶラムの顔が可愛かった。後半、演出のテンポが悪かったのだけが残念。
★第106話 大激突!テン VS あたる 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…原作2本分を繋いで作ってあるのに、全く不自然に思わせないのが偉い。
冒頭であたるとテンが喧嘩するシーン…すっかり慣れ切ってて無言で机をパージする家族には笑った。
担当した作監はテンの顔を激しく潰す林隆文氏。
手抜きだなんだとファンから揶揄されたりもしてましたが…実際手抜きを良くする方だったし(笑)…味が有って嫌いな絵じゃないんだな~。
丁度半分位の所でラムだけ端正な顔に戻りますが、それは遠藤麻未氏が原画を担当したから。
番組初期の作画を独りで支えてた彼女でしたが、惜しまれつつもこの回を最後に、うる星から離れて行ったのでした…。(涙)
・第107話 恐怖!トロロが攻めてくる!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…良くこんな話思い付けるなぁと感心してしまう。(笑)発想の元は…アメーバが生物襲って己の体内に取り込んでく~みたいなSFホラー映画が昔有ったんだけど…それかな~なんて…。(或いは『悪霊の棲む家』?)ひたすらドロドロデロデロとトロロに襲われる話です。(「山芋崩れだ!!」って台詞には爆笑した)面白いんで★を付けようかと思ったんだけど…好みで分かれるかもというのと、「終らない」ラストだった点から(ホラー映画のお約束だけど)止めといた。
・第108話 惑星教師CAO-2の復讐 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…マクロスの作画スタッフが描いたもんで、キャラが皆マクロス顔でした。ランちゃんがまるでミンメイか早瀬未沙。(笑)メカアクションシーンの雄、板野一郎氏まで参加してんだから完璧。お話の方は…前半は面白いんだけど、後半の展開は不自然で、正直要らなかったと思う。ラム弁天お雪ランの関係や性格描写は上手いと感じたけど…あたると面堂がちょっとね…。(汗)「後半は余計」だなんて、まったくマクロスっぽいよ。(苦笑)
★第109話 逆上!みじめっ子終太郎!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…ぶち切れた面堂がマジ恐い。(笑)
「こぉ~~~こぉ~~~かぁ~~~~……!?」なんて…そりゃ、あの顔見たらトラウマにもなるでしょう。(此処の迫力満点な原画を描いたのは、山下将仁氏)
声優神谷氏の、正に泣く子も黙らせる名演技も凄かった。
他細かく目に付いた点を挙げると…
「早く食事にしよう、ワインがぬるくなる」と口だけニヒルに決めるサングラス部隊にウケた。(笑)
覗きしにだけ現れた様な2人組にも笑った。(本当、何の為に登場したんでしょうね~)
それから…この回に限らず、アニメのラムは一々「さん」付けするのが、ちょっと気色悪いなぁと…好みによると思うけどね。
面堂の事は「終太郎」と呼捨てなのに、他あらゆる物を「さん」付けして呼ぶというのは…キャラが統一されてなく感じられる。
あたるが学ランの下に着てる赤トレーナー同様、最後まで気になったのでした。(汗)
★第111話 怒りのラムちゃん! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…テンちゃんが可愛可哀想でした。(笑)
ラムちゃんを怒らせたと勘違いし、謝る方法を必死に考え苦悩する様が面白い。
んで、面堂に聞く件までは原作通りなんだけど、4人組は勿論、しのぶの場面はアニメのオリジナル。
良く膨らましてたと思う。
もう嫌われたと思い込み、風呂敷で荷物包んで家出しようとする姿が、また可愛い。
冒頭、あたるの児童虐待を見て、「そこまでやらんでも…」と眉を顰める人も居そうだが、案外あの2人は仲が好いと思う。
ラストでテンが、寝ているあたるの枕元に、自分の玩具を置いてくシーン…そんな一面が上手く表現されてたなと。
・第112話 ラムとあたる・二人だけの夜 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△
…「ラムとあたるはデキてるのか否か?」っつうのは、ファンの間で裏に表に議論が交される所。「年頃で好き合ってる男女が一緒に居て、何も間違い起らない訳が無い」というのが理由でしょう。(笑)ワンピでも「クルー間で男女関係有るか無いか」、ファンの間で諸説色々飛び交ってますが…漫画キャラに「性」を意識させようとするのは、生身の人間としてキャラを捉えたいからなのだろうなと。自分達同様「生」の息吹を持った人間だと思いたいからこそ、現実世界で生きる人間と同じ行為をさせたいのですよ…多分。その思いを作品として昇華させたのが「ファン同人」という訳で…
…原作者は触れないで置いた方が良かったと思うんだな~。(笑)
言ってみりゃ「開けなきゃ良かったパンドラの箱」的話で、正直原作者の失敗に思える。(失礼済みませぬ)お蔭でラムの意図が全く読めず、人間性を喪失してしまったのは残念。作画に△付けてますが、ラムの爆裂クッキングシーンと、ラムから衝撃の告白を受けて突然5人がスターウォーズパロするシーンは凄い!(爆笑)話には全く関係無いんですが、僅か1分少々の間に名場面が次々と(笑)…描いたのは林隆文氏…見事としか言い様が無いですよ、ホント。思わずコマ送りして細かく観ちゃいました。(笑)
・第113話 レディー竜之介! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…うる星版『マイ・フェア・レディ』。女の道目指して、竜之介と温泉先生が特訓する様が面白かった。ただラストは今一盛上らず…あたる達は今回出さない方が良かった様な…。あくまで竜之介自身に己の行動決めさせた方が、盛上った気がするんですよね~。
★第114話 ドキュメント・ミス友引は誰だ!? 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…再び原作者の逆鱗に触れた回。(笑)
原作ではこの話、5回にも渡る中編で、ミス・コン本選の部分こそメインに置いてたのですが、アニメではそこに至るまでの前哨戦で終ってしまったという。(大笑)
その事でファンの評価も、再び賛否両論真っ二つに分かれたのです。
ただ…単純に話の出来だけで比較するなら、アニメの方が上だと思う。
ミス・コン話という事で女の子のお色気サービスたっぷりな展開…それ故カットされた事に不満を持ったファンが多いのですが…正直サービス過剰が目に付いた話だったなぁと。
女同士のキスシーンがバカスカ出るしで、放送し難い内容でもあったろう。(忘れてたけど、そんな超能力が有ったなぁ、ランちゃん…)(笑)
もっとも原作者が怒った箇所はそこでなく…竜之介の顔写真を「踏み絵」にして踏ませるという表現に腹立ったらしい。
実に原作者らしい、愛情深いエピソードだなと感じた…他人にとってはギャグの積りでも、生み出した親の立場からすれば、とんでもない暴挙に映ったのでしょう。
アニメの話に戻して――自分はこの回、傑作だと思う。
最後までどうなるんだろうと、惹き付けられずには居られなかった。
アニメオリジナルのキャラも、それぞれ魅力的で、チョイ役で終らせるには勿体無いと感じた。(笑)
ラスト、見事に手玉に取って逃げたあたるには、拍手喝采で御座いましたよ。(笑)
・第122話 必殺!立ち食いウォーズ!! 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合○
…押井氏の映画『立喰師列伝(2006年公開)』の元。「昭和の闇歴史」と囁かれた、あの伝説の立喰師達が、友引町を戦場に変える!…そんな様な作品。(笑)これも好みによって分かれるだろうと★は付けなかったですが、私は面白いと思いますよ~。ただ戦況を有利にする為攫うと言うなら、最も脅威である筈のサクラさんを攫わなかったのは謎。出演した立喰師の一部は、その後押井氏の作品に続けて出て来ます。次回作では『クレープのマミ』も出演とか。(笑)
★第123話 大金庫!決死のサバイバル!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度○ 総合○
…あたる&面堂だけでお送りする2人芝居の巻。(笑)
予算不足、声優のストが予定されていた等、理由は色々有った様なのですが…良くぞこんだけ面白い話に創り上げたなと。(笑)
「ちせいはちせいでも『やまいだれ』の方だな」とか、「周りのメリケン粉部分よこせ」だとか、一々台詞が面白いんですよ。
正に丁々発止の遣り取り…見事で御座いました。
歴史に残るアニメ表現だったと思うよ。(笑)
★第124話 (秘)作戦・女湯をのぞけ! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○
…壁向うの桃源郷を一目見ようと、あらゆる手段を実践する漢達。
或る者は水の反射を利用しようとし、或る者は牛乳瓶をレンズ代りに用い、或る者はライフツールで穴を開け、或る者は事故を装い女風呂に飛び込まんとする…
「ウワァ~~~~!!――す、済みません…向うに居る連中に、無理矢理投げ込まれてしまって…」
妄想シーンの面堂の目が、忙しなく動いてる表現に感心した。(爆笑)
埒が明かぬと最後は全員壁上ってダイレクトに覗こうとする訳ですが――此処からが凄い!(笑)
「俺は見たいがお前ら見るな」と足を引っ張り合う内に、腰を覆うタオルが剥れる。(てゆーか今迄よく剥れなかったもんだと感心してしまう)
それを何処からともなく現れた黒子軍団が、絶妙のタイミングで隠す、隠す、隠し通す!!(爆笑)
男達がジャンプすれば、黒子達も一緒にジャンプする!!(大爆笑)
オチは皆さんの読み通りで御座いまして…しかしまぁ、本当に笑わせて戴いた。
アニメ観て、こんだけ笑ったのは無いなってくらい。(笑)
昔懐かし銭湯の描写も巧く、観ていて久方振りに銭湯に寄りたくなったよ。
★第125話 サクラ・哀愁の幼年期 脚本○ 演出○ 作画× マニア度△ 総合○
…作画は諸事情により、とてつもなく「終ってる」のですが。(汗)
話と演出は実に面白かったです。
幼年時代のサクラの寂しさが、巧く表現されてたなと。
襖に大勢の影が映り、友達が遊びに来たと思って開ける――しかし、そこには誰も居なくて…。
此処のシュールな表現が印象深い。
後半、サクラに隠し子が居たと勘違いして、メロドラマな妄想に耽る温泉先生にもウケた。(笑)
作画も良かったら、間違い無く傑作として、多くのファンの記憶に残ったろうな~と…実に惜しく思うのでした。
★第128話 スクランブル!ラムを奪回せよ!! 脚本○ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○
…ぴえろシリーズの最終回にして、初めての前後編。
元はこれが映画2作目の案だったらしい。
「記憶を失くしたラムを、あたるが奪い返しに行く」という、如何にも最終回らしいお話。
…正直こんな有りがち設定映画にならなくて良かったなと感じたです。(苦笑)
「毎度の事ながら喧嘩したラムとあたる。
そして毎度の事ながら、ラムは電撃一発、あたるのウチを飛び出してしまう。
UFOに戻ったラムは、悩んだり苛付いたりしながら、眠ってしまうのであった。
…と、眠ってる間に、UFOが暴走――面堂邸に墜落してしまう。
ベッドを覆うシェルターに守られ無傷ではあったが…そのショックでラムは一切の記憶を失くしてしまった。
一方、窓を開けてラムの帰りをさり気に待っていたあたるは…何時までも戻らない彼女を心配し出す。
そこへテンが、ラムのUFOが消えたと、慌てて伝えに来た。
テンがUFOへの連絡方法を思い出し、呼び出してみれば――何故か応答したのは面堂邸に居る黒子だった。
『ラムちゃん…ひょっとして面堂の所に居るんやろか…?』
お喋りなテンがサクラに漏らしてしまったのを切っ掛けに、噂は校内中に広まって行く…」
前編では話の発端~4人組、そしてあたるが決起する迄を追ってます。
編みかけのセーターを見て、ラムが「自分から去る訳がない」と確信する、あたるのシーンが良いなぁ。
そして何より4人組が、各々個性を発揮してて格好良い。
皆の中でパシリ役の位置に居るチビ。
チビを虐めつつも、世話を焼くカクガリ。
メガネのフォロー役にしてムードメーカーのパーマ。
そしてパラノイアなリーダー、メガネ。
くどいけど、この4人はアニメのオリジナルキャラで、原作には出て来ない。
なのに原作を元にした世界で、不自然無く関係を築けるというのは、素晴しい事だと思うのですよ。
・第129話 死闘!あたるVS面堂軍団!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△
…後編はひたすらアクションに次ぐアクション。
フィナーレに相応しく、最高の作画で描かれておりました。
特にヘリに乗ったあたるが、面堂邸に単身乗り込み、ラムと一瞬の邂逅を果たすシーンは印象深かった。
ただお話の方は正直整理不足が目立ちます。
屋敷に闖入したチェリーが、ラムにあたるの名前をギャグっぽく教えたり…もちっと上手い手考えられなかったものかと。
了子の手助けになってない手助け(笑)も今一。
話の苦しい箇所を、ギャグで誤魔化してる様に感じました。
後…面堂が完全に悪役として描かれてたのがね…違和感持ち捲り。(汗)
それで居ながら、オチでは元通りの関係に戻るという…言葉悪いが、メガネの台詞は、やっぱり逃げに思うよ。
…なぞと色々文句書いたけど、拘らなきゃ非常に感動的な話で、最終回らしい盛り上りでした。
…2年目入った頃から、押井氏は監督を降板する準備をしてたらしく(笑)、やたら実験的な作品続きでした。
脚本家は伊藤氏以外殆ど引き払って、伊藤氏&自分を含めた演出家主導で話作ってたという。
そして多くの作画スタッフを2作目映画に割いたもんだから、TV用の作画スタッフは人出が不足し、総集編を三度連続で放送したりして、お茶を濁す破目に。
…辞めると思ってやりたい放題ですな!(笑)
この件については、引き続き『ビューティフル・ドリーマー』の章で…。
【続】
「うる星」マニアック解説、びょりさんの深く激しい(んでちょっと手厳しい)作品への愛情を感じつつ、深々と頷きながら拝読しています。
正直昔の作品だし、自分はかなり記憶がうろなんですが、こないだN○KのBSで押井氏の特集があって、そこではたしかファン投票で「みじめ!愛とさすらいの母!?」が1位になってました。改めて観てみると、すんごいシュールな作品でしたね…こういうの当時作っていたんだなあ。確かに、オタク心を激しく揺さぶる怪作ではあるなあと思いつつ観ておりました。
びょりさんの解説を拝読しつつ、作品を観るとまた、新たな感動があって興味深いです。
「ビューティフル・ドリーマー」への解説を楽しみにしていますvv
しかし難解でありながら、不思議と惹き付けられる辺りに、氏の作品の凄さを感じます。
言いたい放題だなと自分でも呆れるのですが…これからレンタルして作品観ようって方に薦める積りなら、はっきりボーダーライン設けた方が良いだろと。(笑)
そゆ訳で、何時か作品を御覧になる時、少しでも参考になれば嬉しく思います。(笑)
コメント下さり、有難う御座いました♪