驟雨の如く

先週の日曜と同じく、
遅い午後からミスドで本を読んでいました。
お気に入りの席があって、
執筆期間には、大抵はここで小説の構想を練ったり、
資料を持ち込んでは何時間もいるのです。
日曜は満員なのですけれど、運良くお気に入りの席は空いていたのでした。
本に集中していると、たくさんの若者達が入ってきて、
大人数でおしゃべりする席を探しているようでした。
僕は気配だけ感じてはいましたけれど、
目は本の文字を見ていました。
「あのお」
と声をかけられて、びっくりして顔をあげると、
濡れた髪（外は驟雨だったのです）の中学生ぐらいの娘さんが、
立っていて、
「あのお、席代わってくれませんか？」
と言いました。大人数でおしゃべりができる範囲を確保するためだ、
とすぐに判りました。
「え、どこへ？」
と訊くと、
「あそこへ」
と空席があった喫煙コーナーを、彼女は目で見て、言うのです。
「あのお」と誰かに「訊いてきてよ」と押されて、
集団でいることで気も大きくなってもいて、
かつ、堂々と意見を言える気性でもあるだろう彼女は、
僕の前に立ったのでした。常に、アイドルのような笑みを絶やさずに。
「あっ、煙草、吸わないんで」
と僕は小さな声でしたけど、即答しました。
すると、彼女は、
「あ、はい、わかりました。すいませんでした」
と、ハキハキとした口調で言いました。
笑顔を消し、「ちぇ！」とか「はい！」とか、
邪気を含んだ応えだったら、どんなに僕は気が楽だったことでしょう。
彼女はもの凄く良い印象を残して、去っていき、
ああっ、代わってあげればよかったかな、
としばらく本を読んでいても、内容が判らずです。
ほどなく、彼女たちは喫煙席で驟雨から逃れて、おしゃべりをしていました。
彼女は自分が放つ魅力をよく知っているように思いました。
その後、煙草の煙を嗅がずに済んだ僕は、
予定通り、三作の小説を読み終えることができました。

右ちゃん

もうすっかり秋。
朝、オジが手招きするので、行くと、
樽に黄緑色のカマキリがいました。
どっか、緑のあるところへ、
と思いましたけど、
壁際に雑木が一本あるので、
そこへ彼は行けばいい、
「自然界のものに手を出してはいけない」
と言うと、オジも「そうだ」と言って、退散しました。
ほどなく、聡怩ｵにきた右（ミギ）ちゃんが、
いつものように目尻をさげて、何か話してきます。
今日は天気のことじゃなく、
手にもったコンビニの袋の中身のことでした。
聡怩ｵていたら、落ちていたのは、
インコの屍。
まだ昇天して間もない模様。
「土に埋めなきゃ」
と右ちゃん。
「どこ？　あるの？　土なんか？」
と僕とオジが訊くと、
「ある」
と右ちゃんは得意そうに、土の在処を主張しました。

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やっと週末。
帰って、洗濯をして、ラブサイケデリコの新作を聴きながら、
筑前煮を煮たら、とても今回はおいしくできあがりました万歳。

肉を食らって世を渡れ

どうしようかな、
と思っていましたけど、
ちょうど残業になったので、
待ち時間もなくなり、
遅い時間から、「フェリー」のメンバー達と、
焼肉のバイキングに行きました。
焦げてしまうのもその理由ですけど、
僕らは黙々と肉を食らっていました。
「何もしゃべらないで食べてる」
とリーダーが言い、そしてがつがつと僕らは兎にも角にも、
肉を食べました。
それから、なんだかんだ、と話して、
それでも、肉を口にぶち込むことは継続していました。
僕は最初はおいしいな、と思って、
久しぶりの肉をがつがつ食べていたのですけど、
他のメンバーは僕の1,5倍は肉を食べていて、
「おかわり」と肉の注文をその後、二度もしてました。
僕は生キャベツ（誰もキャベツを焼こうとはしないので）を、
最後は食べていました。
煩悩だらけの僕ら（本当にみんな悪人だと思う。だから類寄る、ですけど）に、
定額肉食べ放題ほど、似合った会食場はないだろう、と強く思いました。
ノンアルコールだったので、
僕は自転車で夜遅く帰ったのですけど、
肉の効用なのか、
すんげえ、早く、ペダルが漕げるのでした。

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人間は一人なのだと、
初めて実感した時、
人は大人になる、
と書。

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最近、手伝いでよく来てくれる浜ちゃん。
浜ちゃんは、本当に心のきれいな人だな、
と会うたびに、思い知らされます。
あんなにきれいだと、生きていくのに、
大変だろうな、とも思います。
浜ちゃんに会うと、
浜ちゃんの横にいるだけで、
僕もきれいを分けてもらえるような気分で、
静かで楽しい思いになるのです。
こういう人を、大切にしない人は、
きっとバチがあたるだろうと思う。

空に、雲

写真は昨日の朝の空です。
誕生日の記念にもなりました。

木の影にかくれる。
恥ずかしがる。
陽。

ランナー、走り去る。

葉に字を書く、
とか。

４６回目の秋

イチョウ並木の大通りで、
信号待ちをしていると、
ギンナンの実が二個、木の下に落ちていました。
実りの秋、と思。
今日は僕の誕生日で、もう４６年も生きてきたんだなあ、
と本気で思いました。
ギンナンの実から、実りの秋と連想をして、
おとめ座の僕の守護神は、手に稲穂を持っている女性で、
稲穂は、ギンナンの実と同様、
実りを現す意味でもあるらしいのです。
ふーん、って思って、自転車を漕ぎました。
そして同じおとめ座の安部首相が、
「もうやってられんぜ、くそたわけ！　俺の責任かよ全部馬鹿野郎！」
ってケツ割って、「辞めます」って言いました。
号外が配られ、
オジが「馬鹿野郎」って最後に言えば良いのにな、
と言っていました。
それから参議院と衆議院の違いを、
判りやすく教えてもらいました。

カップルになる思い

昨夜、
ふむう、どうしたものか、
と考えさせられる電話があったのですけど、
それとはあまりにも対照的な、
今朝の涼しさはどうしたことでしょう？
暗くて重い気分のあと、
僕に来たのは、爽やかな秋の訪れでした。
昨夜の電話のしばらくは忘れられない声と共に、
今朝の涼しさ、爽やかさも僕の中ではカップルになって、
記憶されるだろうな、
と階段を降りながら考えました。
そして、夜は雨が降りました。

路の景

今日は柳の木の剪定がありました。
僕は見ていなかったのですけど、
ツバキノオジは見ていました。
長い枝がすっかり切られて、
すっきりしたその様は、
ロングヘアーをおかっぱにしたようでした。
今年の夏も、この柳の木陰にいて、
暑さをしのぎました。
木の下は気温が下がる原理を、
先日テレビでやっていましたけれど、
説明できません。二酸化炭素を葉が吸い、酸素を出す時、
水蒸気が確か葉から出て、それで涼しくなるのだそうですけれど。
暑さから助けてもらったと、
昨夜の雨で濡れたごわごわの幹を、
いつものように、僕とオジは手で触って、
御礼を言いました。

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マラソンの選手らしき人が、練習を兼ねて走っていきます。
自転車に乗って走っていく時もあります。
オジと僕はとうとう呼び止めて、
名前を訊きました。
１１月の東京マラソンに出場するそうです。
その後、
オジと僕は黄色くなったイチョウの葉っぱに、
「＊＊　がんばれ！」とか「フレーフレー　＊＊！」
と書いて、朝マラソンランナーが来るのを待っていましたけれど、
あまりにスピードが速いので、
会釈だけして、応援葉っぱは渡せずにいます。
葉っぱはしおれて、僕らもしおれた気分でした。

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ナンバープレートに「富山」と書いてあるトラックがありました。
労働の話をしがてら、
今から富山へ帰るの？　と僕。
そうだ、とドライバー。
富山は、面白いところで、
荒木経惟の写真展や、
去年だったか、オノヨーコの個展をやったり、
で、とても面白い、
と、ドライバーと話していました。
「よく知ってますね」
とドライバーが言いました。
きっと彼もそういうアートが好きなのでしょう。
そういう匂いがあったから話しかけてみたのですけど。
「僕にしたら、名古屋は凄いと思う」
と彼は言いましたけど、
僕は富山の方が面白いと思うのでした。
富山に住む野田さんのことを、思い出しながら。

くたびれた

昨夜からずっと寝て、
起きても、またすぐぐったり横になって、
一週間の疲れがとれたかな、
と思う午後３時から、
さっきまでの５時間、
ご飯も食べずに、
ミスドでコーヒーを何杯ももらい、
ずっと本を読んでいました。
ああ、くたびれた。
くたびれた、っていう言い方、
最近、自分で使っていないな、
と書いてみて思いました。
死語でもないのに、
しんどー、とか、
疲れた、がほとんど。
くたびれた、
って、僕にしてみると新鮮な言葉です。
ためしに、
今、漢字変換したら、
「草臥れた」です。
草に臥すのですね。
やっぱり、言葉って面白いです。
今度、草に臥せって、くたびれていなくても、
思ってみたい、言ってみたい、言葉です。

火花と花火

台風が過ぎたあとの今日、気温はあがり、蒸し暑く、最高３４度まであがった。
本当にまわりの人達の服は汗だらけです。
作業をする人達の服は怪我をしないように厚手のものが多いので、
さらに暑くなると思うのです。ふうふう言っています。

写真は、火花。
実際は、オレンジ色の火花。
花火と同じぐらいきれいなのです。
どっちにしても、火の花、花の火、と、
「火花」「花火」と書いてみて、
火と花をくっつける日本語の感覚は、
何だろう、と思うのです。
火も花も、使うのに慎重になる言葉の一つです。
でも使い方によっては、
とても良い言葉です。

小さな鳥居

旅行けば
駿河の国の、
茶の香り、
なだいなるかな、東海道

浪曲について、考。

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午後、太陽に輪がかかっているのを発見。
明日は雨か？

帰り道、ツバキノオジと道草をしながら自転車を漕いでいると、
ある神社があった。
オジは以前、ここに来たらしく、
奥までいくと、小さな鳥居があった。
身をかがめていかないとくぐれないほどの鳥居。
賽銭が５００円玉しかなかったので、
オジに一円借りた。
で、学撃ﾌ神様ということで、
かくかくしかじか、お願いしておいた。
ずいぶん厳粛な神社で、
ここは隠れたスャbト。
干支ごとの置物があり、
僕は自分の干支の丑に参拝した。
ここでは初めて詣でた挨拶のみ。
またオジに一円借りた。
蚊に刺された。
なんか、すんごい神社だった。
でも、誰もいないですよね、神社って。
もっとみんな行けば良いのに、
といつもおもいます。
でも、今日は聡怩ｵていた社務の方がいて、
オジと挨拶をして神社をでました。

写真は、
月曜の夕方、
ベランダから見た空。
きれいだったので、写。

蒸し暑さの中で

写真は、先日、寝っ転がっていた、
「オアシス２１」（名古屋、栄）の芝生。
蒸し暑かったけど、
時々、青空あり。
音楽が鳴っていた。
そのあと、ホルストのＣＤ「木星」を買った。

蒸し暑くて

雨、蒸し暑さ、

朝、ホームレスがアルミ缶を本当にたくさん積んで、
自転車を漕いでいた。リサイクルである。

夕方、雨。
夜中、台風。
ベランダの大量の鉢植えを室内に入れた。

今日は本当に湿度が高く、かなり暑かった。

緑

名古屋の最高気温は３４度まであがり、
さらに湿度も高く、暑い暑い、と誰もが言っていました。
包丁を研ぐコツの話をオジから聞き終えて、
まわりの緑の葉をつけた木々を僕は見ていました。
今年の初めは裸木だったイチョウの葉も、
本当にきれいな緑色。
柳の葉も去年より多く茂っているような気がします。
早く涼しくなってほしいのは山々なのですけど、
今しかこの緑は見られないと思うと、
いとおしくもなります。
やがて秋が来て、冷たい冬が来る。
そしたらまた僕は側溝の隅に、
小さな緑の葉を見つけては喜ぶのです。
暑いけれど、
今は緑を堪能しておく時期でもあるのです。

午後から「フェリー」の人が労働場に顔を出してくれました。
またオジの奥さんも来て、フォークナー、ブレイク、ダンテ、中上、大江という名詞を交わし、ほんの少しだけ文学の話ができました。

夜は大粒の雨が降って、
夜の中の緑の葉を、
濡らしていたのだろうと思います。
慈雨です。

４５分でできること。

みんな私が悪いのよ
郵便ャXトの赤いのも
電信柱の高いのも、
みんな私が悪いのよ、

と、
ツバキノオジはずっと昔につき合っていた女性に歌われたそうです。

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今日は腹痛。
たぶん、朝飲んだミックスジュースの、
バナナか、かぼちゃの汁か、にんじんがあたったのでしょう。
痛いのなんの、って。
でも下痢じゃなく、気持ち悪く。
で、オジがわざわざ忙しいのに、
正露丸とうい、を買ってきてくれました。
「昼にもう一度飲むと良い」
と言っていましたけど、
お昼にはすっかり治っていました。
オジに感謝。

それにしても、
今日も暑くて、
みなさん、かなりばててます。
僕も帰ったはいいけれど、
いつもできることができず、
しばらく唐黷ﾄ寝て、
「いかん」
と色々やって、
また、唐黷ﾄ寝て、
「いかん」
とまた起きて、
やっと今、これが書けるぐらいです。
疲れていても、
こうして言葉を書いていると、
何故か元気になってくるのは、
本当に不思議で、
まあ、カタルシスも多々あるのでしょうけれど、
それより、
やっぱり、
言葉を書くのが好きなのでしょう。
さあ、
とおもいきや、
もう４５分で就寝時間でした。

夏の疲れ

よこしま（邪、と書く）。

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もう秋だと思っていると、
昨日も今日もとても蒸し暑く、梅雨のようです。
夏の疲れが出てきたところで、また暑くなると、
本当に体を整えるのが大変です。
疲れて早くに寝るのですけど、
早起きをしてしなくちゃいけないことをしようとしても、
眠くてまた寝てしまい、
結局、習慣なのか、
早起きよりも、
就寝時間ギリギリまで、
休み休みいろんなことをするしかないのでしょう。