kotoba日記                     小久保圭介

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遊ぶ、遊び続ける

2007年09月17日 | 生活
アリの天敵は、
トカゲ(オーストラリア産)、20㎝~25㎝。
サンゴみたいな棘を持つ。
名称は「モロックトカゲ」。
と、
ツバキノオジはメモ帖を読み上げた。
柳の木の下で。
柳の木には、アリ(アルゼンチンアリ)がいっぱい。
幹に手を当てていると、数秒で手にくっついてくる。そのたびにアリを振り払うのが、常。
巣穴がもう一つできている。木の根元に。
小さな羽虫らしき屍あり。
それをアリは巣に運ぶ作業をしている。
解体するアリ、搬入するアリ、巣穴から出てきて餌に向かうアリ。
「瞬間移動」と言いながら、
僕はさっと羽虫をつかんで、巣穴の付近に移動。
混乱するアリ。やがて終息。元通りの安定。
餌が大きくて、巣穴に入れるのは無理。
解体作業。
アリにしてみれば、今のは、超常現象のはず。
「風のしわざ」と誤解するかもしれない。
アリにとって、人のしわざ、ということはない、と思う。
「オジ、わいらがアリだったら、どう思うじゃろうねえ、今の」
オジはじっと、アリを見ていた。
まあ、アリになってアリを知れ、という無言のメッセージだろうか。

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今日の風と気温は、
小学生の時の、秋祭りを思い出す。
体の記憶。この気温とこの風は覚えがある。
獅子舞、御神輿。
小学生の時、御神輿を担いで町内を歩くと、
大人からお菓子がもらえた。
大人はするめを噛んで、酒を飲んでいた。

「元気を出して、わっしょい、わっしょい」
が僕の土地でのかけ声。わっしょい、のあとに警笛が入る。それが音頭。
土地の違いで、警笛の代わりに「ちろりん」とかけ声があるところもあるらしい。

夜、提灯破りの儀式が、悪いガキの間では恒例だった。
軒先に出された窒ノ、赤白の提灯がいくつか吊されている。
それを夜、僕らは走っていって、手でグシャッとつぶす。
家の人が追ってこられないように、駆け抜ける。
いくつ、破ったことだろう。
子供の時は、本当に色々めちゃくちゃやっていました。

僕が育った所は、市営住宅(平屋の集落)で、
みんな貧しかったけど、
情にあふれた時代でした。

兄が幼稚園帰り、
市バスで帰ってくる時、
最後の停留所で兄は降りるのですが、
その日、乗客は兄一人。
兄が毎日降りる駅を知っていたのでしょう、
運転手は、兄に家への道を訊き、
路線をはずれ、市バスは、家の近くまで、入ってきて、
兄を降ろしたのでした。
停留所は、兄がしめした場所。
きっと毎日、席で兄はぽつねんとしていて、
寂しく映ったのかもしれません。
運転手さんは、そのことを今でも覚えているのかな?
もう死んじゃっているのかな?
兄の中では、ずっと記憶される出来事でしょう。

ありがたいことに、田んぼがたくさんある時代で、
春になるとレンゲが咲き、僕らは蛇を捕まえ、首に巻き、
トカゲの口に爆窒?黶A吹っ飛ばし、
石を投げ、ガラスを割り、
裸で川に入り、
ザリガニの肉でザリガニを釣り、
陽光の下で体を乾かし、
毎日、遊ぶことに事足りませんでした。
そんな話を今日の気温と風で思い出し、
オジと話していると、
あ、と、
今でも、たぶん、僕もオジも、
それほど変わりない、と思った。
へりくつを言う分だけ、遊ぶ時間は減ったけど、
やっぱり、遊ぶのが僕のすること、オジのすること、
と思いあたったのでした。

コメント
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