kotoba日記                     小久保圭介

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東北弁

2007年09月29日 | 生活
昨日の暑さと、今日の寒さ。
最高気温は、23度。寒い。
昼から雨が降って、さらに体感気温は下がる。

昨日から話題になっている事柄があって、
それは「トヨハシカレー」のことです。
なんでも、トヨハシ(豊橋市の豊橋です)出身の奥さんを持つ方がいて、
「家のカレーはトヨハシカレーだ」
と以前から豪語するのです。
豊橋は、ちくわの名産で、
肉の代わりにちくわを入れるのが、トヨハシカレーなのだそうです。
僕も作ってみたけど、結構、これがおいしい。
で、Oさんが昨日、
「家は金曜(本日)がカレーの日だから、女房に言ってみる」
と言っていました。
「じゃあ、もしトヨハシカレーなら写真、携帯で撮ってきて」
と僕。
そして、今日。
「食べたよ、トヨハシカレー」
とOさん。
「で! で?!」
と興奮して訊く僕とオジ。
「いや、ちくわが別の皿にあって、それをカレーに載せて食べた。ちくわの彩りだけじゃなんだから、サラミもスライスして載せて食べた方が良い、って女房が言ってた」
「……」
「娘はちくわにしょうゆかけて、カレーとは別に食べてたし、息子は、『何故に、ちくわ?』と言いながらさあ、でも、カレーに載せて食べてたよ」
「成る程! それもトヨハシカレーだ!」
とオジは言った。嘘こけ、オジ。
Oさんが行ってから、僕らは、O家のトヨハシカレーを批判した。
「彼らには、トヨハシカレーの本質が判っていない」
とオジ。
「そうだよ。ちくわを、カレーに、ぶち込んで、こそ、煮て、こそ、ですよね!」
「当たり前だよ」
とオジ。
なんだか拍子抜けした僕らは、
ジュースを買いに行くKさんをとっ捕まえた。
「トヨハシカレー、知ってる?」
肉の代わりに、ちくわを入れて云々。
昔、貧乏な人は肉が買えず、って昔は、肉は本当に高かった、
ので、ちくわを入れた説と、
豊橋は肉が手に入りにくく、断然漁業なので、
練り物のちくわを入れた説がある。
で、Kさんにその2つの説を言いながら、訊いてみると、
「あ、俺んとこ、ちくわだったよ、カレーは」
とあっさり言われて、
「うっそおおおおおおお!」
と僕とオジはでんぐり返った。
「いや、出身が東北で、貧しかったし」
「え、ホント?」
そこで、じゃあ、方言は?
ってな話の成り行きになり、
本物の東北弁を聴かせてもらいました。

オジが途中で真似たけど、
ぜんぜん違う。
本物の方言っていうのは、
やっぱり何かが違う。
それも東北。
東北といえば、棟方志功、寺山修司、宮澤賢治、
出てます。凄い人達。
「本物は苦しみの中からしか生まれない」
と志功に言った柳宗悦。
そういうことをオジと話しながら、
僕らはしばし、Kさんの方言を聴いていました。
「忘れちゃったよ、もう」
とKさん。
東北から出てきた時、ずいぶん、方言で馬鹿にされたと笑う。
今では一児のお父さん。
「標準語っていうのは、つまらんのだ」
とオジ。
「そう」
と僕。
「これからは方言だ」
とオジ。
それはどーかな、オジ。
でも、標準は、誰かが標準と決めただけで、
そりゃあ、そうする必要があったのだろうけど、
「Kさん、方言ってやっぱり良いですよ」
と僕。
それからトラックの運転手が来て、
労働の話をしてたら、
運転手がなまっていることを、
僕らは聞き逃さなかった。
重なるもので、また東北弁。
「ええな!」
とオジは運転手に発す。
生で聴くチャンスに恵まれていることは、
本当に幸いで、
東北弁(これも地域で細分化されて、違うのだと思うけど)を聴かせてもらっていると、
その土地の風土、まさしく、風と土、も、
見えたり、聞こえたりする雰囲気に、僕らは心地よさを感じていました。

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夜になっても小雨で、
「フェリー」の人達と、
先回の焼肉と同様、
食べ放題のお寿司を食べに行きました。



コメント
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