kotoba日記                     小久保圭介

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シズノアネの暮らし

2022年09月27日 | 生活

                  

 

シズノアネは鹿児島に生まれた

山育ちの集落

生活は凄い

電気は来ているのだけれど

釜炊きの方がおいしいらしく

二個ある釜で薪をくべ

ご飯を炊き

汁物や炒め物を作る

トイレはドボンで

それは全部は畑の肥料になる

肥だめ

今の人たちは肥だめなんて知らないかもしれないけど

名古屋市北部生まれのわたしの地域は

昭和40年代

肥だめがあった

シズノアネは囲炉裏

かやぶき屋根

天上には守り神の蛇が住まい

兄一人妹二人の4兄弟は

囲炉裏の掘りごたつで

勉強

兄は長男ということもあり

さらに勉強ができたので

別に勉強机がある

大学まで行ったという

集落から町まで

歩く

二時間か三時間

学校はもっと近くにあったという

父親はたまに町まで用事で行く

お酒が好きで

集落への山道を登る

家に着くころは

一升瓶片手に登ってくるのだけれど

半分以上

お酒がないらしい

飲んで歩いてくる3時間の山道

楽しいだろうな

野菜は全部自給自足

草を食べさせるため

牛二頭と馬一頭を飼う

草が生えれば彼らを連れてゆき

食べさせる

鶏もたくさんいたし

豚もいた時があったらしい

いろんな動物と共同生活

馬は神事に使うらしく

集落のすべての家が

馬を飼っていたわけではなく

シズノアネの家は

やはりまわりに比べて

富んでいたに違いない

想像しなくても

夏はかやの中で寝る

台風が来たところで

たいしたことがないという

きっと地形の問題で

山の集落は大丈夫な地域だったのだろう

だから集落ができたのかもしれない

当時

三種の神器と呼ばれた

冷蔵庫とテレビと洗濯機

冷蔵庫はあったという

肉と魚を冷凍していた

テレビはなかったという

父親が買わなかった

テレビなんか見ていたら

バカになる

ラジオが良いと言ったという

それは正しい

洗濯機が来るまで

シズノアネらは

洗濯板で洗濯

井戸から水を汲み

アニメの如く

スイカを冷やして食べたという

洗濯機が来

ローラー式

わたしの家もローラー式の洗濯機で

よくローラーを回した

昭和30年代から40年代の暮らしは

今の定年後夫婦が都会を離れ

やるのが流行かもしれぬけれど

何かが違う

本当の昭和30年代は

ゆとりがなく

それが当たり前だった

肥だめまで現代人は

作らないと思う

幼い時の暮らしは

長年の人生に

反映される

貧富というよりも

文化基準が

まず幼い時に設定されているから

いつでもそこに戻ることが可能

わたしたち昭和生まれは

やはり得だったと思う

いろんな虫や緑が豊富で

凄く楽しかったから

 


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