旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

オスマン君の日本文字

2020-02-05 22:38:16 | エジプト
オスマン君はエジプトの手配会社で「ホテル担当」をして我々の旅を熱心にサポートしてくれた。
日本語のスルーガイド(全行程同行して日本語でガイドしてくれるガイド)さんほど日本語はうまくないが、日本語をうまくなりたいという姿勢が伝わってくる。探究心があり仕事に対する誠実さも持っていた。

少し日本語を話す外国人はいまや珍しくない。
オスマン君が本気だと理解したのは、彼が日本文字で書いたホテル案内を見た時だった↓

日本語を書こうとする外国人は多くない。
アルファベットを覚えればとりあえず読むことのできる表音文字と違い、日本語は読み方の多様な漢字が混じり同じ言葉でも何種類もの表記が可能である。
日本語を上手に書くことのむずかしさは日本人でも身に染みている。
オスマン君はそれをモノにしようと努力しているのか。

カイロで何度目かに会った時、「日本語の試験をうけるのです」と、恥ずかしそうに言った。
試験にうかって日本語のガイドになりたいのだという。

今、彼が担当しているサポート業務は時間も不規則で拘束時間も長い。
収入はきけないが、ガイドよりもずっと安いことは想像に難くない。
旅行の現場で高い報酬を得たいと思うなら、「この人にぜひおねがいしたい」と思ってもらえるスキル(技術)を身につけるしかない。
それにたいしてお金を払う価値があると思ってもらえるならば、見合ったお金が支払われるのだ。

オスマン君がそこにたどりつくためには、試験にうかってからもさらに努力が必要になる。
外国人の母語で話し、相手に納得してもらえるだけの語学力というのは簡単には身につかない。
それは単語数や経験だけでなく、オスマンくんが今持っている探究心や誠実さというものとセットなのだと思う。

探究心や誠実さを、長年維持し続けるのは簡単ではない。
オスマン君が折れずに成長していってくれることを願っている。
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