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北部へ向かう国道一号線は標高六百メートルほどの峠を越える。
荒涼たる原野にびゅうびゅう冷たい風が吹く。
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ところが、アイスランド第二の大河ヨウクルスアウ・フィヨットルムがみえると空が開けてきた。
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この川沿いにあるヨーロッパ最大の水量を誇るデディフィスの滝への駐車場に着いた時にはすっかり青空。
暑く感じるほどの陽射しがそそいでいる。
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簡易トイレ以外まったく何もない駐車場。
ここから往復一時間ほどでデディフォスとセルフォスの二つの滝を訪れるトレイルが楽しめる。
上流に位置するセルフォス↓
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自己責任だが、滝のすぐ上の岩まで登れてしまう。
太陽を背中に浴びて半袖になり、下流のデディフォスを目指す。
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途中に咲いている小さな白い花を、ドライバーのアウシさんは「コットン・フラワー」と説明した。
本当の綿よりずっと小さいけれど、同じような用途に使われたそうだ。縒ってロウソクの芯にも使ったとか。
腹の底に響く轟音を感じると、目の前に見た事もないような豪快な景色がひらけた。
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なんと虹まで!
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ぐるりと弧をえがいて、「虹の足」までつかめそうな気がする。
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デディフォスからクラプラの地熱地帯へ向かう。台地はすっかり秋の色である。
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クラプラの発電所への道↓
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敷地の中は勝手に通行できる、人も・羊も。
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ここを抜けると、ヴィーティ=地獄と呼ばれる巨大なカルデラの湖がある。
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巨大なクレーターの底には直径320m深さ30mの宝石のような湖がある。
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1724年からはじまったクラプラの大噴火によって出来たカルデラ。
この時の噴火では、流れ出した溶岩がミーヴァトン湖まで達し、湖全部が蒸発してしまったのだそうだ。
リムの上からはそのクラプラの地熱発電所が見える。
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いまでこそ地熱発電が有名なアイスランドだが、1975年に日本企業の技術協力によって、ここがはじめて建設された地熱発電施設。
地下2000mを超える場所までドリルして熱水・蒸気を取り出しタービンを回す。
この発電の副産物としてこれから訪れる「ネイチャー・バス」がうまれたのだ。レイキャヴィク近くにあるブルー・ラグーンが有名だがこちらはそのミニ版。
雨が降っても温泉なら楽しめる。
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入場料を払うとロッカーで利用するトークンをくれる。バスタオルを借りるなら、プラス600クローネ
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ささっと着替えてすぐに入ろう。レイキャヴィク近くのブルーラグーンは手続きがややこしいが、こちらはほんとに簡単で使いやすい。
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色だけでなく、お湯の成分が実に温泉!ぬるっとした感触がいかにも「お肌に良い」と感じる。湯の温度は40度の届かないと思うが、ゆっくり入るにはちょうど良い。部分部分で日本人好みの熱いお湯を流している。
気温は16度、冷たい雨がぽつぽつ落ちてくる中、三十分以上入っているとぽかぽかしてきた。あがってシャワーで洗い流すと、ほんとにお肌つるつる。温泉というモノにそれほど執着しない小松だが、ここはもう一度はいりたいなぁ…
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ここが本日最後の行程。実は昼食の時間をとらずに順番を調整して可能になったのだが、それで正解。
この後にとてもハイキングなどする気にはならない。
《手造の旅》の参加メンバーの理解があってこそ、こういう現場でのアレンジが可能になる。
16時過ぎにはミーヴァトンのホテルにチェックインして、夕食までの時間をゆっくりすごす。
夕暮れになりまた晴れて、目の前の湖を見晴らす疑似グレーターがきれいに照らされていた。
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夕飯を終えて部屋に戻ろうとした時、レセプションの横にこんな紙が貼ってあることをおしえてもらった。
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夜中にオーロラが出たら電話してほしい人が名前を書いておくのであります(^^)