ジッロ・ポンテコルボ監督「アルジェの戦い(La Battaglia di Algeri)」(イタリア/アルジェリア,1966年)。
1950年代後半から1960年代にかけてアルジェリアでは独立運動が展開され,独立戦争の規模に発展しました。この映画は解放戦線のリーダーの一人であったアリ・ラ・ポワンテを中心とする解放戦線の運動を描いた作品です。独立のために立ちあがった解放戦線と植民地主義の立場にたつフランス政府軍との戦いがドキュメンタリー・タッチで映像化されています。
ストーリーはカレンダーをきざみでつながれ,臨場感があります。冒頭の政府軍による拷問の場面から,解放戦線側のテロ,ゲリラ活動,それらへのフランス側の空挺隊を中心とした対抗措置,そして「アルジェリア万歳」のデモ行進で象徴される独立国家アルジェリア誕生の最後の場面まで,息もつかせぬ緊張感が続きます。
一旦は鎮圧されたかに見えたアルジェリアの独立運動でしたが,1960年12月再び,自然発生的に民衆の蜂起が起こり、それがフランスの世論にも影響をあたえ,アルジェリアとの新しい関係を求める動きが生まれました。自由と独立を求める運動は昂揚し,1962年7月,独立国家アルジェリアが誕生しました。
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