埼玉県立「歴史と民俗の博物館」では、「特別展・大名と藩-天平泰平の立役者たち-」が開催されています。
現在の埼玉県は、かつて武蔵野国と呼ばれた地域の北部に位置しています。徳川家康が関東の地を支配して以来、明治の廃藩置県までの約290年間にこの北武蔵の地域には5つの藩がありあました。川越藩、忍藩、岩槻藩、岡部藩、久喜藩です。
川越藩、忍藩、岩槻藩は、江戸時代をつうじて多くの大名が封ぜられました。その数は、21家61代になります。かれらは江戸に近い川越、忍、岩槻を守り、老中などの幕府の要職につきました。
今回の展示会では、これら川越藩、忍藩、岩槻藩と岡部藩、久喜藩とにスポットがあてられ、県域ゆかりの道具類などを鑑賞できました。自分の住んでいる地域の歴史のことをあまり知らなかったことを恥ずかしく思いますが、同時にこのように体系的にいろいろな箇所に保存されている品々をまとめて要領よく展示してくれたことに感謝の思いです。
川越藩は江戸に近い政治、経済、軍事の要所でした。天正18年(1590年)、酒井重忠歴代藩主は一万石で入封したのが起源です。歴代藩主は老中・御用人など幕府の重責を務めました。
忍藩は天正18年(1590年)、徳川家康の四男松平忠吉が10万石で入封したのが最初です。この藩は江戸の外郭として重視され、日光脇参事には宿城となりました。
岡部藩は家康の関東入国にしたがった安部信勝が榛沢郡岡部(深谷市)に陣屋を構えたのが起源です。また久喜藩は貞享元年(1684年)、米津政武が領地替により、埼玉県久喜(久喜市)に陣屋を構えて成立、以来米津氏五代が藩主を務めました。
展示会物の主なものは次のとおりです。
・絹本着色東照権現像 天海賛(川越市立博物館蔵)
・関ヶ原合戦絵巻(歴史と民俗の博物館蔵)
・絹本著色柳沢吉保像(甲府市・一蓮寺蔵)
・旧川越城主松平大和守侯行列図巻(個人蔵)
・忍城鳥瞰図(歴史と民俗の博物館蔵)
・肥前国高木郡原之城図(福島市・板倉神社蔵)
・蔦蒔絵腰弁当 板倉重昌所用(福島市・板倉神社蔵)
・大岡忠光木像 付 台座(さいたま市・龍門時蔵)
・武蔵岡部藩上屋敷跡出土遺物(東京教育委員会蔵)
・武州埼玉郡久喜本町元御陣屋跡・御林色訳絵図面(個人蔵)
・川越藩知事免官辞令・川越藩知事松井泰載宛(川越市・光西寺蔵)
・埼玉県印(埼玉県立文書館蔵)
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