「泥の河」は宮本輝さんの小説(同名のタイトル)が映画化されたものです。この映画が公開された頃に、札幌のどこかの映画館で観た記憶があります。印象的でした。
今回は2回目の鑑賞です。いくつかのシーンは覚えています。また改めて観て、よみがえってきたシーンもあります。そして全く忘れてしまっていたシーンがあったことを思い知らされました。
昭和31年。舞台は大阪。安治川の川べりでうどん屋を営む家族がいます。男の子がひとり。名前は信雄(朝倉靖貴)。そしてその父母、晋平(田村高広)と貞子(藤田弓子)。ある日気づくと、お店の近くに船宿が浮かんでいました。船のなかでは、男女の子ども姉弟が二人と母親(加賀まり子)が生活していました。男の名前は喜一(桜井稔)、女の子の名前は銀子(柴田真生子)。
ストーリーはこのうどん屋の子どもと船宿の男の子が仲良くなり、その交流です。とは言っても、船宿は、噂によれば、行ってはいけないところのようです。そこでは女性が男を呼び込んで、「商売」をしているようなのです。
うどん屋のお父さんはみるからにいい人物で、船宿の姉弟を呼んで、食事をさせたり、手品を披露して喜ばせたりします。お母さんもちゃきちゃきした働き者の女性です。女の子と一緒にお風呂に入って、背中を流しあったりで歓迎します。
天神祭りの日。すっかり仲良くなった信雄と喜一は、お小遣いの50円を握りしめて出かけますが、喜一はそのお小遣いを雑踏のなかで落としてしまいます。運悪く、あずかっていた信雄のお小遣いも一緒になくしてしまいます。
しょんぼりした喜一は、信雄を船宿に招き、自慢の泥の河につっこんだカニの巣をとりあげ、たくさんのカニを得意げに見せます。喜一はカニの甲羅にランプの油を塗ってマッチで火をつけて遊びます。そして・・・・
最後のシーンが悲しい。
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