【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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増村保造監督「妻二人」(1967年)、「積木の箱」(1968年)新文芸坐[池袋・東口]

2010-05-10 00:17:56 | 映画

      妻二人 

 パトリック・クェンティン原作、増村保造監督に、若尾文子さん、岡田茉莉子さんが共演。性格も地位も異なるふたりの女性の役どころが見どころ。

 婦人誌の出版社社長、永井昇平(三島雅夫)の長女で秘書でもある道子(若尾文子)には、かつて作家としての才能のあり、今では同じ出版社で働いている夫、健三(高橋幸治)がいた。夫は社長(義父)の忠実な部下であり、将来が嘱望されていた。健三は、学生時代につきあっていた女性、雨宮順子(岡田茉莉子)がいたが、関係がうまく発展せず別れたのだったが、その彼女とBARでばったり逢う。

 道子は生真面目な女性で、社風の「清く正しく美しく」をそのまま私生活でも実践しているタイプ。夫は結婚生活に息苦しさを感じていた。そんなおりに順子に再会したこともあり、健三と彼女との間には昔のヨリが戻ってしまう。

 しかし、順子はあまり素行のよくない作家くずれの男、小林章太郎とのつきあいがあったが、この男は道子の妹、理恵との結婚を企む。もちろん、財産目当てである。

 父親と道子は妹と小林との結婚に反対。逆恨みした小林は、道子に夫、健三と順子の不倫関係をネタに脅迫する。

 話はここから急展開。脅迫された道子は、順子の部屋(彼女は不在だった)で小林の暴力にあい、健三の持っていたピストルではずみで射殺してしまう。社長は会社と娘、道子を守るためにアリバイづくりの口あわせをし、警察は順子を犯人とねっらて拘束するが・・・。サスペンスタッチで、結末が見えにくいまま、ストーリーは一気に終局へ向かう。
積木の箱

 二本目は三浦綾子原作の「積木の箱」。やはり増村保造監督で、若尾文子さんは川上商店のおかみさんという役を演じている。物語は、北海道旭川に住む会社社長のくずれた家族とその崩壊を、積木の箱になぞらえて描いている。主人公は中学生の男の子。崩壊寸前の家族のなかでしだいにグレていくのだが、そのプロセスがリアル。

 ありていにいって変な人ばかりでてくるが、清涼剤になっているのは、緒形拳が演じる中学校の先生と若尾文子さん演ずるおかみさん。しかし、話は救いのない展開で終局となる。
 


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