【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

「人生はガタゴト列車に乗って・・・」(シアター1010)

2013-03-31 22:23:58 | 演劇/バレエ/ミュージカル

               
            
 「人生は、ガタゴト列車に乗って・・・」(堀越真脚本、池田正之演出)が、北千住の therter1010 で公演中です。浜木綿子さんの芸能生活60周年記念です。その浜木綿子さんの他に、左とん平さん、大空真弓さん、紺野美沙子さん、風間トオルさん、遠藤久美子さんなどが出演しています。


 この演劇は、井上マスさんの同名の原作をもとにしたものです。井上マスさんは、作家井上ひさしさんの母親ですが、ひさしさん幼少の頃にすでに、夫(ひさしさんの父親)は胸の病でなくなり、その後、女でひとつで3人の男の子を育てました。仕事は転々と変わり、薬局、美容室、飯場、シナ蕎麦屋、屋台など、そして暮らす先々も山形県羽前小松、岩手県一関、釜石と変わりました。一時は子どもふたりを教会付属の孤児院に入れざるをえなかったり、並みたいていの生活ではなかったようです。そして時代も、戦前、戦中から戦後の、国全体が貧しく、荒んでいた頃のことです。

 舞台ではこのマスさんの人生をガタゴト列車にたとえて、展開されていきます。人生は特急列車で気持ちよく走るよりも、ひとつひとつの駅をじゅんぐりに、ガタゴト揺られながら進んでいく、それが本当の人生ではないか、問いかけているのです。しかし、列車運行中は、想像を絶する困難があったわけで、ある時点まできて、ふり返れば、人生のそういう価値に想いをよせることができたということなのでしょう。

 浜木綿子さんは演技に独特の型があり、また口調にも何ともいえない説得力があり、素敵です。また、いつもの名コンビである左とん平さんとの絶妙のやりとりには、観客も大笑い。ストーリーにはみんな涙腺がゆるんでいるのですが、ときどきあるユーモアはこの舞台の大きな特徴です。子役のふたりもかわいらしく演じられていました。

 実はこの舞台を、わたしは1995年に帝国劇場で観ました。浜木綿子さん、とん平さんの出演は同じですが、最近亡くなられた光本幸子さんも出ていました。当時は、井上ひさしさんの人生もあまりしらなかったので、記憶に残っている部分は少ないのですが、それから18年ほどたち、この間、ひさしさんの書いたものをたくさん読み、舞台も観、またひさしさんのことについて書かれたものにも接してきたので、今回の舞台を以前よりは深く理解できたました。

 井上マスさんの原作は図書館で見つけましたので、読んでみます。


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