エリア・カザン「ブルックリン横丁(A TREE GROWS IN BROOKLYN)」(米、1945年、129分)
20世紀初頭,ニューヨークの下町,ブルックリンに住むアイルランド系移民の貧しいけれどひたむきに生きている一家の哀歓を描いた作品です。
ノーラン家は,両親と姉妹の4人家族。決して大きくはない一室に家族が肩をよせて暮らしています。父はジョニー,歌う給仕で人はよく,家庭でもいいパパですが,お酒のみで,生活力にかけ,その日暮らしの給料取りです。客からのチップも彼の大切な収入源といった生活をしています。
母のケイティは,生活のやりくりに疲れ気味,余裕がなく働いています。
姉弟の名はフランシーとニーリィ。 ふたりとも学校に通っています。姉はしっかりもので勉強も読書も大好き,弟はその反対でわんぱくざかり,ふたりは助け合って仲よしでした。そのふたりは屑拾いをし、生活を助けています。
この映画はノーラン家とその周辺の人たちとのなかに生まれるドラマを娘のフランシーの目で描かれています。叔母の結婚,フランシーの転校,クリスマス,父の死,妹の誕生,母と巡査との愛,このような出来事が続いて家族の愛と生活が綴られていきます。
生活がますます厳しくなるなか,ケイティは新しい生命を体に感じました。彼女は,心配の種がまた増えたといった様子で,率直に喜べず,ジョンにもいいだせません。クリスマス・イブの夜,シシイ叔母さん夫妻を招いたささやかなパーティーが終了したあと,ケイトはジョンに妊娠を告げます。
ジョンは大喜び。だが,ケイティは生活を維持するためにフランシーに学校をやめてもらうと言い出します。
ジョニーは雪の降るなか,仕事を捜しにでますが,行方が知れなくなりました。さて、その結末は・・・。
・・・・,妹が生まれます。名前はジョニーが口ずさんでいたアイルランド民謡から、アニー・ローリー。
原題は、”A TREE GROWS IN BROOKLYN"(一本の木がブルックリンに育つ) 。その意味はこの映画を観て、理解してください。
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