【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

「日の浦姫物語」(作 井上ひさし、演出 蜷川幸雄;シアター・コクーン[渋谷文化村])

2012-11-28 00:25:03 | 演劇/バレエ/ミュージカル

          
 シアター・コクーンで井上ひさしの「日の浦姫物語」が公演されている(井上ひさし生誕77フェスティバル12 第7弾)。主演は藤原竜也さんに大竹しのぶさん。キャストもすばらしいが、木場勝己、辻萬長さん、たかお鷹さんがしっかり周囲を固めている。照明は効果的。3時間の舞台があっというまだった。


 奥州岩城国米田庄。藤原成親(辻萬長)と園子(赤司まり子)の双子の子、稲若(藤原竜也)と日の浦姫(大竹しのぶ)は仲のよい兄妹(成親はふたりが15歳のときに他界)。ふたりは香合わせに興じたり、じゃれあったり。それがいつしか男女の愛と区別がつかなくなり、たった一度のまぐわいで赤子が産まれることに。それは当時としてもとんでもないことであった。

 ふたりの後見人であった叔父の叔父宗親(たかお鷹)は、畜生道におちたふたりのうち稲若には摂政関白藤原頼道の家来になるように、日の浦姫には米田庄の近くの宗親の館で子を産む。しかし、稲若は都に上る途中、筑場山のふもとで盗賊に襲われ落命。一方、日の浦姫は赤子を育てることになるが、餅踏みの祝いの当日、国分寺の国僧の策で、子を小舟に乗せて海に流すという運命に遭遇することになる。日の浦姫の文をそえられた子は大海原へ。

 流された子は太郎と名づけられ、貧乏な寺の和尚に育てられた。その太郎が、島一番の豪の者と喧嘩になり、はずみで殺めてしまう。喧嘩両成敗、死罪は避けられない。太郎は多賀城、亘理に出て、これはと思う武将を捜して家来になるという、親もさがしたいと、言う。

 18年が経過した。日の浦姫は宗親の庇護のもとに庄の主になっていた。太郎は凛々しく大人になり、名前も魚名に。あるとき、魚名は姫の前で、米田庄と敵対していた金勢資永と弓の一騎打ちの場に遭遇する。そしてこの果たし合いで、勝利したのは太郎。周囲はこぞって魚名をかつぎあげ、姫の婿にと色めき立つ。

 その魚名も姫に恋焦がれ、とうとう日の浦姫との婚姻となる。この魚名は実は姫の子どもだったわけであるから、母と子が夫婦になったということに・・・・。当人同士はわかっていないのだが、これは大変なことであった。

 その顛末は??? 舞台を観てもらうか、ひさしさんの原作を読んでもらうしかない。

 この舞台、聖(木場勝己)と三味線女(立石涼子)が舞台回しの役割で、あちこち地方をまわりながら、説経をし、お布施をもらって生活している。このふたりが実は兄と妹で、その間に生まれた子を背負いながら巡業しているのだった。

          


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