【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

増村保造監督「青空娘」1957年、89分、新文芸坐[池袋・東口]

2010-05-01 01:56:23 | 映画

  青空娘
            
 池袋の新文芸坐で若尾文子さんの特集がくまれています。ゴールデン・ウィークの催しです。

   源氏鶏太原作の映画化。映画化される前にラジオドラマだったそうです。

 伊豆の高校を卒業した有子(若尾文子)は、祖母の死にぎわに、出生の秘密を明かされます。東京にいると思っていた母は実の母ではなく、有子は社長である父、小野英一(信欣三)と社員だった女性、三村町子(三宅邦子)との間に産まれた子だったのです。

 高校を卒業した有子は東京の父に上京を勧められ、青山にある家に住むことになりますが、正妻、小野達子(沢村貞子)と子どもたちに白眼視され、女中として働かされます。有子はそんな状況にもめげることなく、明るく健気に振る舞います。

  有子は高校生時代の二見先生(菅原謙二)を尊敬していました。青い空に希望を託すことを教えられます。その先生も、高校をやめ宣伝美術の会社に入ることになって東京へ。有子は再会を誓うのでした。

 有子は義理の姉、照子(穂高のり子)がつきあっていた大会社の御曹司、広岡(川崎敬三)に好意をもたれますが、そのことで義姉の苛めにあいます。不在のおりに部屋に入られて持物を物色されたり、父からもらった実の母の写真を破られたり・・・。このことが原因で、有子は小野家を飛び出します。二度とそこで世話にはなるまいと心に決めて。

 有子は実の母を探すことを決意。二人の男性(広岡と二見先生)に庇護されながら、有子は母と再会します。

 崩壊寸前の小野家では社長の父が病気で倒れ、それを知った有子は病床の父に逢いにいくのですが・・・。

 24歳(?)でまだあどけなさの残る若尾さんは溌剌とした演技で、いきいきしています。スクリーンのなかで、健康そのもの、女中として苛められるシーンでも芯の強いところをみせ、好演です。