ホルストの『鍵穴』を読みました。
ノルウェーの警察小説、警部ヴェスティングシリーズの『鍵穴』です。ベテラン警部のヴェスティングは検事総長から呼ばれます。大物政治家が亡くなって遺族がいないことから関係者が別荘を片付けたところ、多額の現金が出て来たというのです。ヴェスティングは極秘にその現金の出どころを探って欲しいというのです。
ヴェスティングはさっそく捜査を開始しました。別荘内を調べ、現金を持ち出した直後別荘は放火されて全焼しました。ヴェスティングは娘でジャーナリストのリーネとともに調べて行きます。すると未解決の現金強盗事件がある事に行き当たりました。また、その事件当日に別荘付近の湖で青年が失踪している事がわかりました。いろいろなチャンネルを通じてヴェスティングは謎を解いて行きます。
正統派のミステリです。謎解きもしっかりしていて破綻もありません。ただちょっと物足りなかったのは登場人物の人間性というか描かれ方かなと思いました。やむに止まれぬ行動であれば、そこに至るまでの人物がもう少し描かれるとしっかり落とし込まれるのではなどと面倒くさいことを思いました。