黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『小説あります』門井慶喜(光文社) 

2011-08-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
N市文学館の嘱託館員である、老松郁太。
その文学館は、作家・徳丸敬生の住んでいた邸宅に設立されたものだが、昨今の来客数の減少により、閉館される方向に。
そんな中、郁太は、神田神保町の古書店で、徳丸のサイン入りの遺稿集を手にする。徳丸は遺書を遺し失踪した作家で、その後の行方はわかっておらず、死亡したものとされていた。死亡した人間が、その後に発行された著作にサインできるはずもなく、当然、店主が偽物と断じたが、郁太は、真筆だと確信しており、それが文学館を存続させるための手立てになるのではないかと、謎を解くべく奔走する。
そんな郁太は、家業である老松商事の後継であったが、社長であった父亡き後、ある思いからその座を弟・勇次に譲っていた。閉館された後の邸宅を買い取るのがその会社で、そこで料亭を始めるという話が齎される。
何とか阻止したい郁太に、『人はなぜ小説を読むのか』という命題について自分を納得させる答えが出せたら、文学館を存続させる、という勇次の出した条件を呑むことに……

心酔する作家の文学館の存続をかけて、嘱託館員が奔走する話。『おさがしの本は』の姉妹編。
存続させたいと考えているなら、(弟の説得とか本の謎を追うとかじゃなくて)署名活動でもすればいいのに…。努力してる方向が違うし、論点がズレてる感じ…;
一応、魅力的な部分もあるけれど、ちょっと乗り切れず;
その一因が、(会話文で)“お兄ちゃん”とか“お姉ちゃん”とかちゃん付けで呼んでるのに、自分(男性)のことは“私”と表現してるところ。違和感バリバリで読んでて気持ち悪い…;(砕けてるんだか固いんだか、どちらかに統一して欲しい…)
……それにしても、この兄弟、完全にブラコン…(笑)。

<11/8/22,23>

まゆ最中@蜂の家

2011-08-22 | スイーツ
 yumikoさんからのいただきもの♪
 まゆ型の、小型サイズの最中。
 胡麻、白つぶし、小倉、柚子、黒糖の5種。
 色の違う皮の中に、それぞれの餡が挟まれています。
 カラフルで綺麗♪

 蜂の家:東京(駒沢)

『抱擁、あるいはライスには塩を』江國香織(集英社)

2011-08-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京神谷町にある、大正期に建築された洋館に、三世代が暮らす柳島一家……その長であり貿易会社の起業者でもあった祖父・竹次郎、ロシア人の祖母・絹。その娘である菊乃と夫・豊彦との間には、父の違う長女・望、体格の良い長男・光一、勉強好きな次女・陸子と、母の違う次男・卯月。さらには風変わりな伯父・桐之輔と、一度結婚したものの出戻った美しい叔母・百合が同居する、一風変わった家であった。
1981年、それまで子供たちは自宅に家庭教師を呼び、代々教育を受けさせていたのだが、卯月の母である麻美の意見を受け、光一、陸子、卯月は小学校に通い始めた。しかしそれぞれの理由でその環境に馴染めず、再び元の生活へと戻ることに。
菊乃には一度家を出た過去が、百合には短い結婚生活を送った過去が、そして子供たちはそれぞれの道を歩み、柳島家の人々の歴史を作ってゆく……

三世代で一緒に住んでいる、ちょっと変わった一家の、1960~2006年までの物語。
時や語り手を変えつつ、語られるエピソード、明らかになるそれぞれの事情や思いが、多層的に綴られています(年ごとにではなく順不同なので、行きつ戻りつ…)。
世間的にみれば変わっているけれど、愛すべき、独特の美意識と価値観を持った存在である彼らが魅力的。「みじめなニジンスキー」「かわいそうなアレクセイエフ」といった合言葉が、いかにも似合いそうです。
一家のその後が、知りたいような知りたくないような……。

<11/8/21>

抹茶にゃらんシェルキー@にゃらんcafe

2011-08-21 | スイーツ

 期間限定で、旅行サイトじゃらんの人気猫・にゃらんをモチーフにした、にゃらんcafeを開催中だと知り、上京ついでに行ってきました♪



 テーブルも可愛いvv




 抹茶のシェイクに、下に黒蜜のゼリー。
 上にバニラアイスで頭、ウェハースで耳、チョコでつぶらな目、白玉で手をつくり、にゃらんを表現。頭の上にはホワイトチョコの手ぬぐいも、ちょこんと載ってたり(笑)。

 にゃらんcafe:東京(銀座)


本なお茶会・その5@真昼造船

2011-08-20 | おでかけ

 今回テーマは『芸術の夏!?絵本とか画集とか写真集持って集まれー♪』ということで、文字少なめのビジュアル本を紹介しましょう、という内容。
 参加メンバーは7人。前回とほぼ重複で、2名チェンジ。でもお逢いしたことのある方ばかりでした(笑)。

 バブル期の漫画のイラスト集あり、金魚図鑑あり、謎な絵本(?)あり、谷川俊太郎さんの詩と朝夕の美しい写真とのコラボ本あり、幼い頃からの思い入れのある愛読書あり…とバラエティに富んだラインナップでした。ちなみにわたしは、桑原弘明さんの『Scope』とアリス展の図録(?)を持参。

 おやつは、新潟市南区(旧白根)の『ル・ポワロン・ビス』のおぼろプリンとマカロン♪




 わたしのはアールグレイ味だったかな?


『RDG(レッドデータガール) 4 世界遺産の少女』荻原 規子(角川書店)

2011-08-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
深行と共に玉倉山へ帰省していた泉水子は、休み明けに戻った鳳城学園の正門で違和感を感じる。
新学期の学園は、学園祭ムード一色に。今年のテーマは<戦国時代>ということで、肝試しも兼ねての実地調査の為、八王子城跡に出かけることになった生徒会執行部のメンバー。
生徒会長の如月・ジーン・仄香が、深行に対して親しげにする場面を見て、複雑な思いを抱く泉水子。
雪政から、機械類との相性の悪い彼女に使えるパソコンを受け取ったのを機に、インターネットであれこれ調べることを覚える。
そんな中、学園祭の着付け講習会で、急遽、戦国姫君のモデルを引き受けることになった泉水子は、姫神への封印として施した三つ編みを解くことになり、危惧するが、深行から護身のために習った早九字なども手伝い、事なきを得る。
ところが着替え終わって、三つ編みに戻した泉水子に深行は小言を言っている最中に、姫神へとすりかわってしまう。
そんな姫神から、恐るべき秘密を打ち明けられることになった深行は……

シリーズ第4弾。夏休みが終わって、学園祭に突入……かと思いきや準備編。
姫神の衝撃発言などもありつつ、いろいろ不穏な動きもある中で、次巻はいよいよ学園祭。さて何が起こるのか…。

<11/8/20>

『一矢ノ秋 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2011-08-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
安永十年春。桂川甫周国瑞と桜子の祝言が執り行われることとなり、本来その役目を負うはずだった坂崎磐音・おこんに代わり、品川柳次郎・お有が仲人を務めることに。
その数日前、御典医も務める桂川家への手土産の品に悩んでいた柳次郎は、たまたま地藏の親分に行き会い、相談する。昨年自らの婚礼に金を使ったばかりで金のない柳次郎に、釣り好きな親分は、桜鯛を釣って持参すると約束する。
ちゃんと釣れるのか心配する品川家の人々だったが、親分は約束どおり二匹の鯛を持参。それを持って、お有とともに今津屋と桂川家へと向かった柳次郎。
その後、お有の懐妊が明らかになり浮かれる中、国瑞が磐音は偽名で書状を送ってきた旨を語る。
今は上方近辺におり、子が生まれたことなど近況が記されており、さらに国瑞に旗本新番組番士・佐野善左衛門政言を訪ねて欲しい、という内容だったという。
その帰り、神保小路の尚武館佐々木道場が壊される場面に遭遇し、複雑な思いにかられる二人。そんな姿を見咎められた二人を助けたのは、小田平助だった……“第一章 春之章 桜鯛さわぎ”、
安永十年は四月二日に天明元年に。しかし姥捨の郷ではいつも通りの暮らしが続き、空也はすくすくと育っていた。
季節は夏。田植えの季節で雑賀衆の男衆が戻ってくる季節だ。
弥助と霧子は京都の様子を伺うためにたびたび往復。磐音を狙う雹田平は、京の破れ寺を拠点とし、茶屋本家中島家を見張っていた。そんな中、郷に戻るはずの男衆三人が殺害された。雹たちが郷に入るための入口を聞き出すために、彼らを責め苛んだらしい。そんな彼らの仇を討つ磐音たち……“第二章 夏之章 早苗蜻蛉”、
松平辰平は、磐音から佐野へと託された書状を届けるため、江戸に。その際、佐野家の系図を持っている雹が、京にいることをもらした辰平。三日後に屋敷に、といわれた辰平が訪ねると、佐野と用人は京に向かって旅立ってしまった後だった。
困った辰平は、小田平助を頼り、二人はそのまま京へと向かう。途中で、磐音へ緊急事態を知らせるべく、光然老師宛てに書状を送る……“第三章 秋之章 ぴらぴら簪”、
愛妾おすなが田沼の名代で高野山を詣でることに。それは、表立っての名目で、実際は磐根たちの抹殺を直接指揮するためだった。いよいよ決戦の時を迎え……“第四章 冬之章 七人の侍”、“第五章 再び春之章 決戦”を収録。

シリーズ第三十七弾。いよいよ雹とおすなとの対決の巻でした。
しかし一冊で数日しか進まないことのあったこのシリーズで、一年間を一冊で表現とは…(笑)。
田沼失脚まではまだ数年、間がありますが、この辺もあっという間に過ぎるのかな?

<11/8/19>

『天使たちの課外活動』茅田砂胡(中央公論新社)

2011-08-18 | 読了本(小説、エッセイ等)
進級し、中学二年生になったリィとシェラ。
二年になると課外活動が認められるというので、“一般市民”に近づくべく、何かしようかとあれこれ検討するが、それぞれの得意分野が交わる活動となるとなかなか難しい。
そんな中、元寮長アクセルに、メイベル・パターソンという学生へのストーカーの疑いがかけられる。彼の部屋の端末から、彼女の隠し撮り画像が送られてきたことが判明したからだが、やがてアリバイが立証され、監察委員会からの疑いは晴れる。
だが代わりに容疑者とされたのは、アクセルの部屋に本を取りにきていた、ライジャ・ストーク・サリザンという留学生。しかし彼は、惑星トゥルークの高僧で、自らその教義である厳しい戒律を貫いており、女性に触ることすら禁じているというのに、とてもストーカーなどする人物には見えないものの、状況はかなり不利。そんな彼の疑いを晴らすべく、調査を始めたリィたちだったが……

新シリーズ、ですがいつものメンバー(笑)。
かなりリィたちに気にいられたらしい(何しろ“リィ”と呼ぶことを許すくらいだし)ライジャが加わって、変化がありそうななさそうな(笑)。
展開からして、てっきりダイアナに相談するのかと思いきや、出てこなくて若干意外でした。
どうやら今後彼らは、人助けの課外活動を始める模様。

<11/8/18>