黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『緑ヶ丘小学校大運動会』森谷明子(双葉社)

2011-08-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
椎寺市立緑ヶ丘小学校に通う六年生・マサル(優)。四年生の時に母を亡くし、父・真樹夫と二人暮し。クラスでいちばんかわいいハルカに、ほのかな思いを寄せている。
十月五日。小学校の運動会の日。親友のイッキとともに、来賓室の優勝杯を運び出したマサルは、その中に青いビーズのついたケースを見つけた。中に入っていたのは、“ニソルジピン”という薬の空きシート。いろいろ聞いてみたところによると、どうやらその薬は降圧剤であるらしい。
それを優勝杯の中に隠したのは、マサルが慕うひとつ上の先輩・太田先輩だと思い込んだマサルたち。その薬が、一年前、彼の祖母が亡くなった件に関わっているのではないかと思い込んだ彼らは、その存在を隠そうと……しかも、隠す場所にも事欠く運動会の最中で……あれこれ頭を悩ませる。
一方、真樹夫は、時間を間違え渡しそびれた弁当を持って学校に向かう直前に、父兄の吉崎夫人が昨晩亡くなっていたという話を聞く。
その後、学校での運動会を観ていた彼の元に間違って送られているらしいメールが。そこで知り合った藤堂夫人によると、妙な薬が子供たちの間にも広まっているというのだが……

運動会の最中に起こる『薬』を巡る騒動を描いたミステリ。
見つけたケースを隠そうとするマサルたちと、あまり危機感もなく飛び交う、薬回収を呼びかける一斉配信メール。職業柄、薬に詳しい真樹夫が、怪しげなドラッグが出回っているのでは、と真相を探るべく奔走…、とそれぞれの思惑が絡まりあっている感じ。
運動会での、父兄と子供たちの温度差が面白いですね。

<11/8/25,26>