黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『翼のある依頼人 慶子さんとお仲間探偵団』柄刀一(光文社)

2011-08-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
叔母の富野貴枝が大家兼管理人を務めるメゾンで暮らす大学生・野村敬吾。
叔母はシャーロッキアンで、“七パーセント溶液”というグループを主宰するほど。そんな彼女の元に、同好の士が遊びに来ることになっていたのだが、出先で時間をとられて、その約束までに帰れそうにないので、しばらく間を保たせて欲しいと頼まれる。
約束の時間に、そのうちのひとりらしき少女めいた若い女性が現われるが、彼女は部屋で突然眠ってしまう。戸惑う敬吾の前に、男の子を連れた老女・筧フミ、ドイツ人女性クリスチアーネ・サガンが現われ、彼女は男の子の母である松坂慶子で、ナルコレプシーの症状が出て、眠ってしまったのだと教える。
そんな中、三○一号室に住む水尾江美の部屋で火事が発生。彼女は首を刺されて殺害されて発見されたが、部屋は密室状態で……“女性恐怖症になった男”、
世界的な大企業である<ゴールドバーグ・松坂・カンパニー>の中心人物である一臣の妻・慶子の暮らす松坂邸に、一羽の白インコが迷い込んできた。
松坂家の客である、動物の言葉がわかると主張する少女、ルシイ・マカリスターらとともに、インコが話す数々の言葉を手がかりに、その飼い主をさがすことにしたのだが……“翼のある依頼人”、
慶子は、同じ北海道在住のシャーロッキアンという共通性で知り合った群馬清司に招かれ、フミ、ルシイと共に彼の兄・弓弦雄太郎の家へとやってきた。
弓弦家は、ガンスミス…銃の修理などを専門とする仕事…を生業としており、その縁で、家にはエアピストル競技の選手で医師でもある川瀬晴樹も出入りしている。
そこで清司が、奇妙な状況下で撃たれる事件が発生。その容疑が慶子に向けられて……“見えない射手の、立つところ”、
数日前から眠ったままのママ。おまけにパパも、密室状態の中で首を絞められ、血まみれ。ボクは……“黄色い夢の部屋”の4編収録。

シャーロッキアンでナルコレプシーな財閥の若奥様、その名も“松坂慶子”さん(息子は大輔くん/笑)とそのお仲間たちが事件を解決するミステリ。“見えない~”のみ中編で、他は短編。
個人的には表題作が良いかな。
慶子さんたちは、随分前に出ている『マスグレイブ館の島』にも登場している模様ですが、あいにく未読…。

<11/8/14,15>