東京神谷町にある、大正期に建築された洋館に、三世代が暮らす柳島一家……その長であり貿易会社の起業者でもあった祖父・竹次郎、ロシア人の祖母・絹。その娘である菊乃と夫・豊彦との間には、父の違う長女・望、体格の良い長男・光一、勉強好きな次女・陸子と、母の違う次男・卯月。さらには風変わりな伯父・桐之輔と、一度結婚したものの出戻った美しい叔母・百合が同居する、一風変わった家であった。
1981年、それまで子供たちは自宅に家庭教師を呼び、代々教育を受けさせていたのだが、卯月の母である麻美の意見を受け、光一、陸子、卯月は小学校に通い始めた。しかしそれぞれの理由でその環境に馴染めず、再び元の生活へと戻ることに。
菊乃には一度家を出た過去が、百合には短い結婚生活を送った過去が、そして子供たちはそれぞれの道を歩み、柳島家の人々の歴史を作ってゆく……
三世代で一緒に住んでいる、ちょっと変わった一家の、1960~2006年までの物語。
時や語り手を変えつつ、語られるエピソード、明らかになるそれぞれの事情や思いが、多層的に綴られています(年ごとにではなく順不同なので、行きつ戻りつ…)。
世間的にみれば変わっているけれど、愛すべき、独特の美意識と価値観を持った存在である彼らが魅力的。「みじめなニジンスキー」「かわいそうなアレクセイエフ」といった合言葉が、いかにも似合いそうです。
一家のその後が、知りたいような知りたくないような……。
<11/8/21>
1981年、それまで子供たちは自宅に家庭教師を呼び、代々教育を受けさせていたのだが、卯月の母である麻美の意見を受け、光一、陸子、卯月は小学校に通い始めた。しかしそれぞれの理由でその環境に馴染めず、再び元の生活へと戻ることに。
菊乃には一度家を出た過去が、百合には短い結婚生活を送った過去が、そして子供たちはそれぞれの道を歩み、柳島家の人々の歴史を作ってゆく……
三世代で一緒に住んでいる、ちょっと変わった一家の、1960~2006年までの物語。
時や語り手を変えつつ、語られるエピソード、明らかになるそれぞれの事情や思いが、多層的に綴られています(年ごとにではなく順不同なので、行きつ戻りつ…)。
世間的にみれば変わっているけれど、愛すべき、独特の美意識と価値観を持った存在である彼らが魅力的。「みじめなニジンスキー」「かわいそうなアレクセイエフ」といった合言葉が、いかにも似合いそうです。
一家のその後が、知りたいような知りたくないような……。
<11/8/21>