黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『スターハイツ0号室』竹下文子(フレーベル館)

2005-08-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
みどり町にある7階建てのマンション・スターハイツ。
そこで管理人をつとめる森田さんが出逢う不思議の数々。
マンションの前に落ちていたピンクの帽子の持ち主は……『春のおとしもの』、『ペットたまごセンター』からやってきたというセールスマンが、話を聞いてもらった御礼にと置いていったたまごに入っていたものとは……『ふしぎなセールスマン』、ある夜、森田さんが聞いた、ぱたん、ぱたん、という足音。それは燃えないゴミに出されていた1足の子ども用のくつたちが、階段を上る音だった『ぱたん・ぱたん』、マンションに現れた、見知らぬ男の子。迷子になった彼を、ママが星の丘のてっぺんで待っているというのだが……『星の丘のてっぺんで』、住人である作家・西村さん宛に届いた1本の木。なかなか戻らない西村さんの代わりに、預かっていた森田さんだったのだが、木はどんどん成長し……『おはなしの木』の5編。

桜さんが書かれた『ふしぎな空色ペットたまご』の元ネタ(『ふしぎなセールスマン』)だということで、読んでみました♪
どのお話も楽しく読めました。
『ふしぎな~』は桜さんのパロディも素敵でしたが、こちらも綺麗ですね~。

<05/8/26>

『Rozen Maiden(ローゼンメイデン) 5』PEACH-PIT(幻冬舎)

2005-08-25 | 読了本(漫画)
真紅たちドールとの出会い、そして戦いの中で、前向きになりつつあったジュンの元に、担任教師がクラスメイトたちの寄せ書きを持って現われる。
そんな、悪意はないけれどあまりにも無神経な行動が、彼を再び殻に閉じこもらせることに……。
そしてドールたちは……。

今回は、雛苺と翠星石、そして新たなドール・金糸雀のドタバタの辺りだけ笑いを誘いますが、あとは概ねシリアスな内容……それぞれに内面を見つめる感じが多かったですね。
ジュンがひきこもりになった原因があきらかになったり……せっかく前向きになりはじめたところだったのに、また逆もどり;
<05/8/25>

『スノウ王女の秘密の鳥籠 ~よかったり悪かったりする魔女~』野梨原花南(集英社/コバルト文庫)

2005-08-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
マダーが自分の性質を生かして始めた商売『ときめき庭師』は、大評判を呼んでいた。
ところが、気に入ったものを蒐集したがる困った性癖を持つ、スノウ王女に目をつけられ、仕事で出向いた離宮にそのまま囚われてしまい……。
しかもそこには、アダーの義兄で、彼と因縁浅からぬアストレアもいて……。

 過去の出来事から、人を愛することを拒否するアダー。そんな彼にいったマダーの言葉が印象的。
「愛は人を傷つけるものだ。人は人を傷つけるものだ。それが生きていくということだ」
そして、「一人だけで自己完結して馬鹿みたい」といっちゃうマダーがかっこいいです(笑)。
「お前何様なんだ」
「あなたの妻だよ」
……というあたりもとても好きです。

<05/8/24>

『№6(ナンバーシックス) #4』あさのあつこ(講談社)

2005-08-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
聖都市『№6』の治安局員に拉致され、矯正施設に入れられたらしい沙布を救う為、紫苑とネズミはエリート高官・富良を罠に嵌め、内部事情を聞き出す。
彼の話から、施設には保険衛生局が関与しているらしいこと、そして近々『人狩り』が行われるらしいことを知る。
その機に乗じて、施設へ潜入することを提案するネズミ。
……そしてついに『人狩り』が決行され、囚われの身となった二人は矯正施設へ。

ようやく施設に潜入……って、入ったところで終わってますが;
二人は相変わらずらぶらぶな感じ(←変なフィルターかかってます/爆)ですが、いろいろ気になる事柄が出てきましたね~。
それにしても、イヌカシ……XXXだったんですね~(笑)。……思わず同人誌とかで、ごまかしようのない描き方をされている方がいたら、どうするのかしら、などと思ったり(笑)。

<05/8/23>

『ラインの虜囚』田中芳樹(講談社)

2005-08-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
フランス人の父とカナダの先住民の母との間に生まれた少女、コリンヌ。
両親と共にカナダで暮らしていたが、父が亡くなり、勘当されたその実家に住む祖父を訪ねて、フランスへ……。
しかし、面会した祖父は彼女を孫と認める条件として、ライン河ほとりに立つ塔に幽閉されている男が、すでに死んだはずのナポレオンであるという噂の真偽を確認するようにいう。
パリで知り合った3人……酔いどれ剣士モントラシェ、若き自称天才作家のアレク、海賊王ラフィットと共に一路ライン河を目指すコリンヌだったが、その行く手をさえぎる者達が現われ……。

田中さん的な毒は薄めなので、子供にも楽しく読めるかと(笑)。
何故、孫だと認めてもらうのに、そんな噂を確認しに行かなくっちゃいけないのか……というツッコミを入れたいなぁとちょっと思いながら読んでいたのですが、その理由は後半であきらかに(笑)。
どちらかというとミステリ色よりも、冒険小説の要素が強い感じです。

<05/8/22>

『ハチミツとクローバー 8』羽海野チカ(集英社)

2005-08-21 | 読了本(漫画)
原田デザインで理花の手伝いを始めた山田。事務所で真山の理花に対する想いをあらためて目の当たりにして…。

竹本くんの話がひと段落。
亡き原田を想う理花、その理花を想う真山、その真山を想う山田、その山田を想う野宮……の、ぐるぐるした(笑)関係に動きが…。
青春スーツを着込みつつある野宮さんが、結構好きです(笑)。
……小ネタの、神獣がローレライシステムを発動させてるあたりにちょっとウケていたり(笑)。  

<05/8/21>

『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』奥泉光(文藝春秋)

2005-08-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
大阪のしがない女子短大で、日本近代文学を教える助教授・桑潟幸一(通称:桑幸)。
以前『近代日本文学者総覧』の項目執筆に携わった際、彼が望んだ太宰の代わりに、割り当てられた無名作家たちの一人だった童話作家・溝口俊平。
それ故に、はからずも日本唯一の溝口俊平研究者となってしまった彼の元に、出版社・研修館書房の編集者・猿渡だと名乗る男が現われた……『久貝集』と題された、溝口の遺稿が見つかったというのだ。
彼より依頼され、雑誌『言霊』にその紹介文を書いたところ、思わぬ反響を呼び、大手出版社より『明星のちかい』として発売。一躍ベストセラーになり、桑潟自身も脚光を浴びる。
そんな中、猿渡が首なし死体として発見され、彼に預けていた溝口の遺稿も何者かに盗まれてしまう。
一方、『明星のちかい』の序文を書いたフリーライター兼ジャズシンガーの北川アキ(北川亜貴江)は、猿渡殺害事件に興味をひかれ、元夫で編集者の諸橋倫敦と共に、独自に捜査を開始する。

厚さ(全p546)の割にはサクサクと読めました。
桑潟サイドの幻想&SF小説風と、アキたちサイドのミステリー(ちょっと2時間ドラマ風/笑)で、どちらも楽しめる感じ。
作中にやたらと登場する『猫介』(出てくるのはもっぱら駄洒落のほうですが)……何故かわたしの脳内では『猫ひろし』に変換されてます(笑)。

<05/8/20,21>

『おまけのこ』畠中恵(新潮社)

2005-08-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
菓子司三春屋の息子・栄吉とひょんなことから仲違いしてしまった、長崎屋の若だんな・一太郎。そこへ狐者異(こわい)が現れ、飲むと一流の職人になれる、という天狗の薬を持っているという。栄吉の為に、その薬を手に入れたいと願った若だんなだったが、他にもその薬が欲しいという者達が現れ、争奪戦に……『こわい』、紅白粉問屋、一色屋の孫娘・お雛は江戸に二人といない程、厚化粧な娘。ある日、長崎屋に遊びにいった折、うっかり印籠を持ち帰ってしまうが、それは屏風のぞきのもので、それを取り返しにきた彼に、ひとつの相談を持ち掛ける……『畳紙』、ある日、長崎屋の離れに現れた影女。一太郎が、それを見た幼い日の冒険譚を語る『動く影』、吉原の禿・かえでを足抜けさせて、一緒に逃げる、と宣言した若だんな。その裏に隠された計画とは……『ありんすこく』、娘の婚礼に持たせたいと、真珠を注文した天城屋。それを櫛に仕立てる職人の八介が何者かに殴られた。そして、その時彼が持っていた真珠と共に、鳴家の一匹が迷子に……『おまけのこ』の5編。

『おまけのこ』で、ちゃんと自分の家の鳴家の見分けてる若だんなが素敵です(笑)。
……素朴な疑問なんですが、鳴家の声って普通の人にも聞こえてるんでしょうか?(……いや、悲鳴は聞こえてるみたいなので/笑)

<05/8/20>

『偏愛文学館』倉橋由美子(講談社)

2005-08-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
夏目漱石の『夢十夜』、岡本綺堂『半七捕物帳』、宮部みゆき『火車』、ラウゼイ『偽のデュー警部』、ジェーン・オースティン『高慢と偏見』、吉田健一『怪奇な話』、イーヴリン・ウォー『ピンフォールドの試練』『ブライヅヘッドふたたび』……著者が偏愛する39冊の作品について取り上げた書評集。

倉橋さんが、世間での評価にとらわれず、自らが偏愛した小説ついて語っています。
まだ読んだことのない作品が大半だったのですが、吉田健一さんやイーヴリン・ウォーの作品に興味をひかれました(…でもAmazonでは受注不可だったり;)。

<05/8/19>

† 新刊情報(05/08後半) †

2005-08-19 | 新刊情報
8/22
あさのあつこ『№6 #4』講談社(YA!ENTERTAINMENT)

香月日輪『妖怪アパートの幽雅な日常 4』講談社(YA!ENTERTAINMENT)

8/25
初野晴『水の時計』角川書店(文庫)

8/29
菅浩江『鬼女の都』祥伝社(文庫)

小路幸也『HOME TOWN』幻冬舎

8/31
篠田真由美『紅薔薇伝綺 龍の黙示録』祥伝社(ノベルス)

篠田真由美『東日流妖異変 龍の黙示録』祥伝社(文庫)

長野まゆみ『箪笥のなか』講談社

歌野晶午『女王様と私』角川書店

梨木香歩『沼地のある森を抜けて』新潮社

畠中恵『おまけのこ』新潮社

8/下
日明恩『埋み火』講談社


日付不明
北森鴻『写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3』新潮社