黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『謎解きはディナーのあとで 2』東川篤哉(小学館)

2011-11-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
立川駅南口の権藤ビルの踊り場で、菅野由美という女性の刺殺体が発見された。
彼女の住む国分寺市にある古アパート・若葉コーポ周辺を調査した結果、同じアパートに住む中年女性・松原久子により、午後7時30分に由美がアパートにいたという証言があり、結果、7時45分から9時の間に犯行が行なわれたのではないかと推測された。
由美は、望月製菓に勤める江崎達夫と交際していたが、重役の娘との逆玉の輿を狙う彼から別れを切り出され、関係が泥沼化していたという。
彼が最も疑わしいと考える、国立署の風祭警部と宝生麗子だったが、彼は完璧なアリバイがあって……“第一話 アリバイをご所望でございますか”、
米山自動車旧工場2階に住む、カラオケボックスのバイト店員・神岡美紀が風呂場で死体となって発見された。事故による溺死とも思われたが、何故か彼女が収集していたという帽子が、棚から消えていた。
麗子行きつけの帽子店・クローシェの娘・藤崎美羽から、帽子の謎について何かヒントを得ようと、意見を聞くべく、執事の影山を伴い、店を訪れた麗子。
美紀の周辺には3人の男性の陰があるのだが、いずれも決め手に欠けていて……“第二話 殺しの際は帽子をお忘れなく”、
ホテル港区で催されている、桐生院家当主・桐生院吾郎の還暦祝いのパーティに出席した麗子と影山。
桐生院家は宝生家同様、さまざまな分野で事業を展開する財閥で、娘の綾華は、大学時代、同じサークル・シーズンスポーツ同好会(SSD)に所属するメンバーだったが、麗子とは犬猿の仲。
パーティ会場には、彼女の他に、同じくメンバーだった宮本夏希や森雛子も同席していた。
そんな中、麗子も旧知のホテル王の娘・手代木瑞穂は、屋上庭園で何者かに殴られるという事件が発生。犯人は、「赤いドレスを着た、どこかで見たことがあるような知らない女性」だという。だが、赤いドレスを着ていたのは、麗子も含め面識のある人間ばかりで……“第三話 殺意のパーティにようこそ”、
12月24日。予定があるという影山に対する怒りから、リムジンではなくバスで出勤した麗子。だが、バス通勤に慣れていない麗子は、本来の列から弾き出されて、別のバスに乗り西国分寺病院前に着いてしまう。が、そこで事件発生の知らせを聞き、折りよく駆けつけることに。
被害者は日吉茶房でバイトをする、松岡弓絵。ロフトから転落したことによる事故死と思われたが、隣家の老婆・佐々木時子による人影の目撃証言があったことから殺人事件の説が浮上する。
だが、昨夜降った雪に残されていたのは、弓絵の自転車のタイヤの痕と、第一発見者である友人・中沢里奈の足跡だけで……“第四話 聖なる夜に密室はいかが”、
日本有数の家電量販店・家電のハナヤギの経営者一族である、花柳家の邸宅で、親戚筋…亡き当主・賢治の子供、春菜と夏希の従姉妹にあたる…の女子大生・寺田優子が刺殺体となって発見された。
しかも美しいロングヘアが自慢だったという彼女の髪は、短く切られ、その髪は暖炉で燃やされていたという。
花柳家は、先頃賢治が亡くなり、遺産相続に絡み、妻・雪江と愛人・伊藤芙美子との間で問題が勃発していて……“第五話 髪は殺人犯の命でございます”、
高名な画家・松下慶山が、屋敷の別館にあるアトリエで刺殺された。
そこには、彼は製作中だった巨大な壁画「眠り姫と妖精」と、横たわる梯子が置かれていた。
彼は、いまわの際にその壁画を指差したというのだが、そのモデルは、妻の友江とも、フリーライターの中里真紀であるともいわれており……“第六話 完全な密室などございません”の6編収録の連作短編集。

シリーズ第二弾。例によって例の如く、な人々と展開です。
個人的に『夏希』という名前の登場回数の多さが、ちょっとどうかと…(6編中3編に使われてて、全部別人…/笑)。思わず何か意味があるのかと、勘繰ってしまいました(笑)。

<11/11/23>