黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

アップルパイ@ドルチェ小川

2011-11-11 | スイーツ
 サクサクパリパリなパイ生地の上に、りんごが載ったアップルパイ。
 りんごは、ちょっと食感の残る感じに火が通っていて、フレッシュ。
 間に、シロップを染み込ませたような甘い生地が。

 ドルチェ小川:新潟(見附)

『異国のおじさんを伴う』森絵都(文藝春秋)

2011-11-11 | 読了本(小説、エッセイ等)
ベルンハルトM・シュミッドという写真家の、道だけが載っている写真集「道のむこう」を、よく人にプレゼントする<僕>。
広告代理店につとめる僕の女性アシスタント・藤巻さんにもそれを見せたところ、選んだ道は、予想外に一番殺伐とした道だった。彼女の、予想外の陰の部分に惹かれた僕は、やがて付き合うようになったのだが……“藤巻さんの道”、
<私>の住むアパートメントでは、停電が頻発…しかも、何故か隣室のミセス・グハーと私のところだけ。
電力会社に再三抗議したところ、どうやら原因は、どこかで行なわれている水道工事にあるらしい。
その夜も停電し、怒りに燃えるふたりは、直接彼らに抗議すべく、問題の工事現場を探しに、町へと出て行くことに……“夜の空隙を埋める”、
クリスマスイヴを三日後に控えた日曜に、新宿伊勢丹に買物に出かけた<私>……イヴに、会社のなんとも思っていない同僚に食事に誘われ、その際に着る相応の、ほどほどの服を選ぶために。
しかしあまりの混雑ぶりに、この時期にデパートを訪れたことを後悔していると、あれこれブランド靴を試着している老婦人を目撃して……“クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の……”、
新婚旅行で沖縄にやってきた夫婦…<俺>と新妻の鈴。
ホエールウォッチングをしたいという鈴に対し、全く乗り気でない俺。気分が乗らないながらも付き合うことにしたのだが、船は揺れ、船酔いする乗客続出。その介抱に追われる羽目に……“クジラ見”、
月刊情報誌『満月』の<フレフレ・シニア!>というコーナーを受け持つ、ベテランフリーライターの中塚。
効率の悪さを指摘されつつも、未だにボイスレコーダーから原稿を起こしている。
それは、フリーになる遙か前、ライターになって三年くらいの、まだ新米だった頃の苦い経験があるからだった。
<近所のプチ事件>というコーナーに寄せられたハガキをきっかけに、取材し記事にした出来事…一人暮らしのおばあさん・長崎美代子さんと噛みつき亀、そして子供たちとのドタバタとした心温まるエピソードとしてまとめたものが、後に別の意味合いを含んでいることを知り……“竜宮”、
最後の一人旅に訪ねた修善寺にやってきた<私>がたたずんでいると、小池葬祭と名前の入ったマイクロバスを運転する、三十代後半の男性にドライブでもと、声をかけられた。そんな彼のセーターは、一部がぴろりと伸びていた。乗せてもらい、町を巡ることにした私だったが……“思い出ぴろり”、
飛行機で、40Aの太った中年女と、40Cの毛深い中年男に挟まれた、40Bの席に座っていた大学生の<僕>。
着陸態勢に入って間もない頃、見ていた映画の画面が終了を目前にして途切れたと騒ぎ出した40C。
彼が見ていたのは『検察側の証人』。ラストに向けてのどんでん返しを知っている、40Aをはじめとする他の乗客たちは、彼の為に抗議するが……“ラストシーン”、
腹膜炎で倒れた上司の代理で、シンポジウムに呼ぶ経済コメンテーターを紹介してもらう為に、桂川里香子先生とともに新幹線に乗っていた<私>。
青少年食欲増進委員会代表、地球に優しいエコライフ推進委員会理事、国際キックボクシング愛好会副会長…と、謎な肩書きを多く持つ彼女は、幅広い人脈を持っているという人物だが、新幹線だけは苦手だという。それは過去に味わった不快感や切迫感、危機一髪のぎりぎりセーフ感が蘇って、いたたまれない気持ちになるからだという。
名古屋白壁地区の旧家に生まれた彼女。家庭か仕事かと選択に迫られたが、趣味に生きる決意を固めた矢先、外資系企業につとめるエジプト人男性アリ・アブサーダと大恋愛に落ち、結婚を決める。
反対するであろう桂川家の人々に、奇襲のように挨拶しに行くことにした彼らは、名古屋に向かう新幹線に乗るべく、駅で待っていたのだが……“桂川里香子、危機一髪”、
二年前に父が亡くなってから、2LDKの実家で一人暮らしをしている母の居住スペースが、徐々に北上していることに気づいた、長男である<俺>。
とうとう北端である、物置だった狭い和室で生活を始めたことを注意するが、どこまでもかたくなな母。
彼女が北上している理由とは……“母の北上”、
某百貨店の世界民芸品展で出会った、オーストリアの森の妖精だという人形。
それをモデルに、<ビアード・マン>という話を書いた<私>は、海外エージェントを通じ、<ひげ人形愛好会>という団体から、地元リンツで開催されるという集いに招待され、出かけたのだが……“異国のおじさんを伴う”の10編収録の短編集。

大事件とか波乱万丈、という感じではなく、何気ない日常のひとコマの中に潜んだ、ちょっとおかしく、奇跡のような出来事を描いたものが多めかも。
どれも、話の落としどころがうまいですね♪
特に『桂川~』のラストが(爆笑)。

<11/11/11>