黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ブエノスアイレス食堂』カルロス・バルマセーダ(白水社)

2011-11-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
イタリア移民の双子・カリオストロ兄弟…ルチアーノとルドビーコは、ホテル厨房で働くマッシモ・ロンブローソの薫陶を受け、『南海の料理指南書』を執筆し、1911年にアルゼンチンの保養地マル・デル・プラタに一軒の食堂『ブエノスアイレス食堂』を開店する。
しかし、まもなくルチアーノは疫病を患って亡くなり、ルドビーコはその後追い、自殺を遂げる。
双子亡き後、ただひとりの親戚筋のアレッサンドロ・シアンカリーニが店を引き継ぐが、第一次世界大戦が勃発。やがて軍事クーデタが起き、食堂は閉鎖される。その後、一家に受け継がれつつ、間もなく食堂は再開されるが、ペロン政権が軍事クーデタで倒れ、それに巻き込まれた食堂は暴徒に放火され、消失する。
そして1978年、アレッサンドロの末娘マリア・シアンカリーニの孫エドアルド・ロンブローソと結婚したウェイトレス、マリナ・フェリは、セサル・ロンブローソという名の赤ん坊を産むも、骨となって発見され、孤児となったセサルは、食堂を受け継ぐことにした、マリナの従姉妹ベッティーナとその夫ラファエル・ガロファロに引き取られる。ある時『南海の料理指南書』を見つけたセサルは、その魅力に取りつかれ、天才料理人となるが……

アルゼンチンの激動の歴史に翻弄されつつも、栄枯盛衰を繰り返す一軒の食堂『ブエノスアイレス食堂』の年代記…と思いきや、その末たる天才料理人セサルが、狂気の淵に沈んでいく、猟奇的な暗黒小説。
出てくる料理は美味しそうなんですけどね~;;

<11/11/7,9,10>