黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『万両ノ雪 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2010-12-18 | 読了本(小説、エッセイ等)
笹塚孫一は浦賀奉行所から回ってきた手配書を見、六年前の夏を思い出した。
……六年前の明和八年。新宿の追分の子安稲荷近くの麹屋宣左衛門方に、おかげ参りの白装束の賊が入り、金蔵を破って千両箱を強奪。誰一人傷つけられることはなかったが、縛られていた手代の季助が倒した行灯で火事になり、それが原因となって宣左衛門とおなかの主人夫婦と、番頭が亡くなった。
当時当番方与力であった孫一は、その件の探索に当たっていた。事件から三日、土地の御用聞き駕籠屋の紋蔵が、仲町裏町の若い飯売・お香が身請けされたという話を持ってきた。切餅一つを即金で払ったという、金払いの良さに不審を持った孫一は、身請けしたという男・新助に目をつけるも、その矢先に殺されてしまう。
孫一は、お香にだんご屋を始めさせ、賊の一味が接触してくることに賭けた。
そんな中、店に万両の鉢を置いていった男が現れた。そこからの連想で、お香は、新助が以前寝言で言っていたという“万両の親方”という言葉を思い出す。万両の大次郎親方と呼ばれる、徳行篤志の人物がいることを知った孫一は、彼が賊の一味だと思い定め捕縛するも、とうとうその口を割ることができないまま、別件で三宅島への遠島になっていたのだった。そして安永六年。その大次郎が、今になって仲間を従えて、島抜けをしたのだという。
その後、孫一宛に何者かから文が届けられた。そこには、大次郎一味が数日中に江戸に入ると記されていて……

シリーズ第二十三弾。前半は、笹塚孫一がかつて関わった事件の下手人が島抜けして、それを捕まえようと躍起になる展開。その後、何だかんだで(笑)磐音たちが江戸に戻ってきて、佐々木家と養子縁組したり、道場破りが持ち込んだ茶碗を巡って一騒動あったり~なお話でした。
磐音たちがなかなか出てこないので、帰り道は?と思ったりしましたが、まさかそんな帰り方(笑)。
そして、珍しく長ーいあとがき付き(ほぼエッセイ?)な巻でした。

<10/12/18>