黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『桜の園 神代教授の日常と謎』篠田真由美(東京創元社)

2009-05-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
同僚である教育学部教授・大島庄司に伴われて、W大文学部教授・神代宗は、友人の小児科医・辰巳薫とともに、古めかしい洋館<桜館>へとやってきた。
そこに住んでいるのは、戦前、政財界に力を持っていた目黒高陽の最初の妻・貞子の娘・高子、後妻・つき子の娘・鏡子、高陽と愛人である神楽坂の芸者・初江に生まれた、元女優の久江。大島は、つき子の妹の娘・晴美の息子で、幼い日はたびたびこの館へと足を運んでいた。3人の老女たちは、老朽化したその家を処分することを決め、最後の“花見の宴”を催すのだという。
大島は、彼女たちを“魔女”と呼び恐れ嫌うが、彼自身どこからその想いが生まれたのか、説明できずにいた。
そして宴は、彼が最後に訪れた1952年4月6日をなぞるように進み、彼らがその場を辞そうとした矢先、メイドの道子が館の二階で人影を見たと告げ……『桜の園』、
1992年、盛夏。神代は、実姉であり戸籍上は養母である沙弥から、実母・藍川すずの墓を見張って欲しいと頼まれる。
まだ神代が幼い頃、亡くなった母。その墓に没後3年間、その祥月命日と誕生日に、花束と和歌が置かれていたという。一度とぎれていたそれが、先頃また復活したらしい。それを置いているのが何者であるかを探って欲しいのだという。
そんな中、先の件で知り合った道子から、彼女の姉・麻子が営む、阿佐ヶ谷の紅茶とサンドイッチの店に不審者が現れていると相談されて……『花の形見に』の中編2編収録。

神代教授の関わるお話2編。どちらもちょっと前(時間設定)のお話です。
副題の『と』に傍点がついているのは、何か意味が?(神代さんと謎は切り離して考える、ということかしら?)

<09/5/15>