黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『終わりは始まり』中村航&フジモトマサル(集英社)

2008-07-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
被害者の貴金属商を営む男が住んでいた部屋の階下には、美人の耳鼻科医が。回文刑事が気づいたのは……『登場!回文刑事』、
ぐるぐると回る世界。何故か急に可笑しくなったりと、わからぬことだらけ。寝転がっていた僕が目を覚ますとそこには鍋が……『キノコの記憶』、
取調室の写真。右の人と左の人、悪い人はどっちでしょうか?……『真実の授業』、
満月の夜には、街を徘徊しよう。僕は君の枕元に立ち、一息でソレを吸い込むんだ……『夢喰い1』、
ご主人さまは、僕を置いて塔へと向かった。1時間経って、何の動きもなかったら、ここを離れるようにと言いおいて。白馬の白竜は……『さよなら僕のご主人さま』、
僕が食べた夢には、化け物みたいな大王イカが登場。彼は何かにいたくご立腹で……『夢喰い2』、
男は今晩こそと誓いつつ、毎晩バーへやってくる。娘にニャンコを申し込む為に……『ニャンコのデュエット』、
スーパーの鮮魚売場で、パックされたイカの刺身を見たとき、何故か涙が頬を伝った……『夢喰い3』、
望んで無人島に来たものの5日で飽きてしまった私。島は孤独で、なぜだか一匹だけいる子猫が私の救いだったが……『南国のデュエット』、
土管で生まれて3年と少し、殺伐とした半生を送ってきたネコ・ヤマザキは歌う……『登場!ネコ・ヤマザキ』、
夜勤生活を続けなければならない電気屋。しかしどうしても見たい深夜放送が。考えた末に、街一番の記憶力をもつ秀男さんに代わりにテレビをみてもらうことに……『秀男さんの代わり』、
卒業して3年。ずっとあこがれていた先生と2人だけの遠足にでかけた私は、思いの丈を語る……『私の先生』、
結構ヒマを持て余している神。脱輪している車の側に、石と棒を用意してやっているのに気づかぬ人間たちに憤り……『神の雷、世界が終わるその理由』、
月の表側から月の裏側に転校してきた僕は、彼らに馴染めなかったが……『転校生』、
さまざまな材料を“この機械”に投入し5分すると、その組み合わせによっていろんなものができあがる……『博士とその弟子』、
旅に出た僕が、嵐の中で見た光景。隻眼の巨大な白イタチと戦うネズミの姿……『冒険者』、
学校で嫌なことがあったとき、道行く人の不実を目にしたとき僕が言いたくなる言葉とは……『禁句その1』、
♪改札のバーを潜ったなら、暗い階段を下りよう。そっと下りよう……『ミッドナイト・トレイン』、
回転画廊のオーナー・みどりさんが、僕に勧める新進画家・サルマの絵。しかし僕が欲する作品には法則が……『回転画廊のみどりさん』、
ハグ4ライフの部屋を訪れたら、僕らを順番に抱かなければならない。ラマ、クマ、ウマ、クマ、ラクダ……『抱く順』、
この季節になると、いつも同じ夢を見る。“俺たち”の最後の出撃から、すでに20年前以上が過ぎ、私は今は亡き友たちの写真に語りかける……『友へ』、
目の前で、椿が咲いていた。その椿は、奇抜な草で寝たクマが植えたもの……『禁句その2』、
ただ女王のために働く生涯を送り、御殿を買う。そしてそれすらも女王に捧げる人生を早送りで見た神は、涙が止まらず……『地上の雨、世界が終わるその理由』、
♪二人で授業を抜け出して、港に走った……『生まれた土管を遠く離れて』、
焼け果てたタケヤブを前に、そろそろ旅を終えようと考えていた僕。ボートの前方には月。しかしいつまでもそこには辿りつけず……『冒険はもう終わりだ』、
無敵だった“親父たちのチーム”。賞金稼ぎだった彼らが愛した機体に乗り、俺は飛ぶ……『俺だけのバウンティ・ウルブス』、
ガイシャは机につっぷした姿のまま、発見された。ただ一つだけ奇妙なことに、部屋の天井は雨漏りしていて……『さよなら回文刑事』の27編収録。

一般読者から募集された回文を元に、フジモトさんがイラストを描き、それを元に中村さんが書かれたショートストーリー(オチがその回文)。
キュートで、シュールで、隅から隅まで楽しい1冊でした♪(何気に上下のイラストがパラパラ漫画になってたり…/笑)

<08/7/4>