黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺3』田中啓文(集英社)

2008-07-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
笑酔亭梅駆こと星祭竜二は、師匠・笑寿の母校である小学校での芸術鑑賞会で落語をすることに。しかし子供たちは、まったく聞かず、騒いでばかり。そんな中、静かにするようにといってくれた生徒は、父子家庭だといじめられている少年・白鳥健太郎。その後、動物園に噺の勉強に行くように言われた竜二は、そこで健太郎を見かけるが……『動物園』、
仲が悪い噺家・桂かにざとやぎざ。かつては仲が良かったという2人が犬猿の仲になったのは、相手の悪口を言ったのが原因だというのだが……『日和ちがい』、
事務所の赤字を助ける為、時代劇に出演することになった竜二は、“世界にひとつだけの服”しか着ないという超大物女優・吉原あかりと共演することに。そんな彼女の亡父は、星の家柿鐘という噺家で、梅寿とも旧知の仲だという。そんな中、突然あかりが姿を消し……『あくびの稽古』、
俳優という仕事に興味を持ち始め、落語に実が入らない竜二は、怒られてばかり。そんな中、梅寿からもらったチケットで歌舞伎を観に行く途中、スカウトに会う。有名監督が撮るという新作映画の主役のイメージに竜二がぴったりなのだというが、出演するにはまったくの新人であることが条件だった。悩んだ竜二はあかりに相談に行くが……『蛸芝居』、
梅寿から、九州の古い演芸場・真津里座演芸場に行くようにいわれた竜二。場所も古いが、出ている出演者もやる気がなさそうな人たちばかり。そんな中、近くの博多文化大劇場で、舞台を上演中の、歌舞伎俳優・坂村鈍三郎の率いる『鈍三郎シアター』の面々と、ふとしたことから言い争いになった竜二たちは、彼らと舞台で勝負することになり……『浮かれの屑選り』、
最近、竜二のまわりで、わけのわからないことばかり立て続けに起こっていた。そんな中、梅寿が、突然“星の家柿鐘”を名乗れ、と言い出した。この名はあかりの父が亡くなってから継ぐものがない上方落語界の大名跡だったが、先頃、松茸芸能があかりの母を抱き込み、かつて門下にいたが後に破門され、東京の落語家・眼鏡屋乱視の弟子となった近視に継がせようとしているのだという。名を東京にもって行かれることに納得できない梅寿と、破門された人間には継がせたくないあかりは、竜二に襲名させようと目論むが、本人は乗り気ではなく、ましてや内弟子でしかない竜二が襲名することに、周囲は大反対の嵐で……『佐々木裁き』、
いよいよ近視と柿鐘の名を賭けた勝負をすることになった竜二。そんな中、最近竜二に近づいていた落語を学んでいる大学生だといっていたリリイが、近視の娘であることが判明。竜二に勝負を棄権して欲しいといってきて……『はてなの茶碗』、
梅寿が危篤との知らせを受けて、急遽東京から帰ってきた竜二。ところがそんな状況下で、兄弟子たちは梅寿を気遣わず、名前の襲名のことばかり気にして争っていた。やがて梅寿の意識が一時的に戻り、跡を継ぐのは誰かと尋ねると……『くやみ』の8編収録の連作短編集。

シリーズ第3弾。
だんだんミステリ的要素は減って、すっかり竜二の成長物語と化していますね(笑)。
今回から登場のあかりさんがとても良いです♪

<08/7/1>