黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『厭魅の如き忌むもの』三津田信三(原書房)

2007-12-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
カカシ様と呼ばれる山神が崇められ、古い因習が人々を支配する山間の村・神々櫛村。
そこでは、代々“さぎり”と名づけられる双子の女子が巫女を務める憑物筋の“黒の家”谺呀治家と、非憑物筋で“白の家”神櫛家の2つの対立する旧家が治めていた。
ある時、何かに憑かれたらしい神櫛家の娘・千代が、その母・千寿子に伴われ、谺呀治家当主である巫女・叉霧の元にやって来た。叉霧の孫娘でもうひとりの巫女・紗霧にカカシ様を降ろすと、その口から告げられたのは、彼女の憑物は“さぎり”の生霊だ、という言葉だった。
そんな中、怪異譚収集の為、村を訪れた作家・刀城言耶。やがてその地に逗留していた怪しげな山伏・小佐野膳徳が巫神堂でカカシ様の装束を身にまとい死んでいるところを発見されたのを皮切りに祟りのように次々と殺人が起きた事件に巻き込まれ……

民俗学とミステリが融合してて良い感じです。
刀城と紗霧と漣三郎(神櫛家の人間で紗霧や千代の幼なじみ)、そして神の視点ので展開する構成もなかなか効果的。
最後の方で、次々にいろんな推理を繰り出してくる刀城さんは読んでいて楽しいですが、実際問題、むやみやたらと疑われてる人たちはたまったものではないなぁ、と思ったり(笑)。

<07/12/1>