CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】マルガリータ

2016-12-02 17:47:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
マルガリータ  作:村木 嵐

千々石ミゲルを主人公にした、
いや、天正遣欧少年使節の四人の人生を描いた小説でした
この時代のことは、ドラマや本でも読んできたけど
まったくノーマークだったと、反省しきり
とても面白い読書となりました

そもそも、天正遣欧少年使節がどこから、
どんな思惑で遣わされたのか、まったく覚えていないというか
秀吉くらいの時分に、その後のことも考えると
伊達あたりが出したんだろうかなどと、
間違った知識しか持ち合わせていませんでしたので
なかなか、新鮮でありました
そうか、九州のバテレン大名から出てたのかと
感心しきりであります

内容は、彼らが華々しく訪欧したものの
帰ってきてからの、キリシタンへの弾圧様々という苦境、
そこで四人はどう生きていたか
特に、棄教したといわれる千々石ミゲルはどうしていたのかと
そこが主眼となって進むわけでありますが
いやはやこれが面白かったというか
なるほどなぁと思わされたのであります

どこまで史実なのか、本当はどうだったのか
そのあたりはまったくわかりませんが、
人間味と、本当にそうであったかもしれないという
キリシタンの矜持、生き様みたいなのも見られて
非常に読み応えがあった
自己犠牲というものが神化されているようでもあり
バテレンの教えは、あんまり好きではないけども
そこに殉じたというべきか、生きた人というのは
生半ではないなと感じたわけであります

そこに、なんら知恵も、信仰ももたない女が一人、
ミゲルを慕い、敬い、一生懸命に尽くすというのが
アクセントというか、これもまた
いい物語だなと読まされたわけでありまして
全体的に物悲しいテンションなんだけども
なかなかに面白い読書ができたのでありました

彼らがヨーロッパで実際どうだったのか
ちょっと興味がわいてしまったと
素直に訴えたくなるお話でありましたとさ
やっぱり、歴史小説は好きだなぁ


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