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CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ブックセラーズ・ダイアリー2

2025-08-25 21:05:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブックセラーズ・ダイアリー2  著:ショーン・バイセル

スコットランドの古書店日記再び
前作というか、前の続きで古書店日記がただただ続くだけなのだが、
相変わらず面白いというか興味深い
古書店のありようと、そこにやってくる様々な人たちの姿が
スコットランドの風景として伝わってきて
凄くよいと思う本でありました

話しの筋もなにもあったものではないのだが、
いくつかの出会いと別れが描かれているのが印象的で、
なぜかイタリアから働きに来た新しいパートのグラニーとの
出会いと別れのあたり、またその途中経過がともかく秀逸で、
だんだんと、言葉を覚えてくる外人雇われ人というのは
おおよそこんな感じなんだろうなと思いつつ
しみじみ見ていたんだが、
どんどん悪い言葉ばかり覚えていくという話しが
なかなか興味深くも真理だと思えてよかった
くそったれと、翻訳されていたんだが、元はどんな語を使ってんだろう
気になるな

また、詳しくは語られないがパートナーとの別れ、
それを起因にしたのかもしれない、長くパートをしてくれたニッキーとの別れもあり、
この時代を黄金時代と読んで懐かしむというか、悲しむ著者の心境が
短い文章から強く伝わってきて、なんともしんみりしてしまった
この後もどうやらあるらしく、続いているようなので
黄金時代であったかはともかくとして、
この別れにより滅びとまでならないのはよいと思うのだが
はたしてどうなのか

しかし、アマゾンやキンドルの台頭による
とんでもない話しがいっぱいで、このあたりは我々も知っての通りのことだが、
本当、誰のために誰を見て経済をするかという話しのようでもあるし、
実際は、現状の既得権益をという話しに読めなくもないので
なんとも複雑だと改めて思い知るのであった

まぁ、そういう難しいことはさておいて、
古書、骨董という分野の面白さ魅力について
短くだけど語っている部分がとても楽しく
その素養はないけど、この本がいくらでという話しのついでに、
1700年代の本とか出てきたりするから、本というのは凄いなと
改めて思い知るのであった
また、本に自分のための貸出票みたいなのをつけるという文化は
初めて知ったけどいかにもアンティーク好みの習慣でよかった
日本のにそういうのはないと思うけど、
ヨーロッパの骨董では非常に重要なステータスというか
一種のアイコンなんだろうなと思うと
しみじみ面白い文化だと感じ入ったのである

終わりにむけて、別れが繋がったのが悲しいお話になっていたけど
全体は、すったもんだするスコットランドの日常を書いてるだけで
なんとも楽しく読んだのであった


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