CLASS3103 三十三組

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【読書】空をゆく巨人

2019-03-21 22:44:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
空をゆく巨人  著:川内 有緒

芸術家と実業家のドキュメンタリ
そんな感じではないんだが、
実像はそういうところにあるのではと思うところ
奇縁から、福島いわきで出会った二人の男が、
生きているという姿、それそのものがある種芸術であり、
実業でありと、途方もない大きさがあると
気付かされたような一冊でありました

蔡国強という有名な現代芸術家が、日本にゆかりをもって
様々な活動をしていたというお話、
彼の作品と、そこに携わった志賀さんという男性のお話
二人のそれぞれの生き様を描いて、
ある点で、二人が繋がりをもって、今もなお
福島の地で生きているというお話であったように思います

もっとも、蔡さんはニューヨークを拠点としているようなので
実際に福島にいるわけではないんだが、
そこに魂があるといったらいいのか、
人とのつながりや、愛着といったものが存在する
そんな風に思える内容だったと思います

蔡さんは、北京オリンピックのときの花火の仕掛け人でもあったようで、
世界的なアーティストとして、現在も活躍されているとのこと、
その作品のひとつに朽ち果てた船を使うものがあって、
その船こそが、福島で志賀さんたちの支えがあって贈られたものだったと
まぁ、そういうあたりがつながりの部分なんだけども、
それぞれの生き様が、行き会う前も、あともドラマチックで
かなり読まされたのでありました

特に志賀さんという人の生き方、
おそらくは、とても頭のいい人なんだろうなと
実業で成功するが、そこに執着しないかのような生き方が
あまりにも見事でかっこよく、こういう人が
じっと、誰かのためでもあるが、自分も納得するそれであると
評価や、評判なんて気にしていないような
鎮魂を行っているというのがかっこよい
もう、何書いてるかわかりませんが、ともかく
今、250年かかるといわれている大きなプロジェクトを動かしているんだそうで
タイトルの巨人は、別のものを指しているのだけども
この人もまた、巨人ではないかと思わされたりしたのでした

しずしず、読み進めて終えた
そういう一冊であります


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