CLASS3103 三十三組

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【読書】朝日新聞政治部

2022-08-06 21:28:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
朝日新聞政治部  著:鮫島浩

ドキュメンタリとか、ノンフィクションといったジャンルなんだろうと思うが、
ある意味私小説のような本だった
恥ずかしながら、年齢の割に新聞を大して読んだことがなかったので、
書かれているほどのインパクトというのを覚えられなかった上に、
メインである事件のこともよく知らない有様だったんだが、
読んでいて、ジャーナリズムというものと、どうしてもその枠を狭めてしまう会社という組織、
その悲喜こもごもはかなり面白いと思えた内容だった

今更ながら、新聞記者という職業人は、
基本的に高学歴で頭の良い人が多いんだなという印象を強めたわけだが、
それらが、ジャーナリズムというものをどうとらえているか、
このあたりが、反省もしていた、市井からの乖離という原点なんだろうかと
考えさせられるところもあった
やってることは、結局、そこらのサラリーマンが自分の会社でやっているとこと
なんら変わりないというか、極論すれば、自分の担当の実績を上げるという
それを目的に走っていく、それが仕事になるといったことなんだが、
こと、ジャーナリズムというものに、何かしらの感情というのか、
本当の職業人は、自分の仕事に矜持や信念があるから、
むしろ、こういう感じになるんだろうかと思うような
どうしても、理解できない偏屈さみたいなのを感じるところがあって
そういう言葉に、憧れという幻をあてこんで、そこに突き進む
それが夢を追うということでもあろうけど、なんか、正義という一人歩きしがちなそれに
偶像化を求めているような感じが、わからんとなってしまったのである

と、まぁ、そんなジャーナリストのありかたというのが
そもそもこの本で語られる一番ではなくて、
朝日新聞という組織の中で、どのように扱われ、どのように過ごしてきたか
その半生が面白くて、純粋に新聞記者として、政治部にて政治家付をやっていたり、
その取材体制というものを細かに説明していたりが面白くて
なるほどなぁと興味深く読むことができた
権力を監視するという大目的について、それも、いつかどこかのタイミングで
清算するように、大きなものを取り上げられていたりと
結局それって癒着と違うのかと思わなくもないようなところだと思ってしまうんだが
その時々に、その主流を批判するものというのが、新聞という組織には必要なんだろうと思わされた
著者がそうであった時期もあろうし、そうでなくなった時期もあっただろうことが
そのあとの転戦でわかっていくんだけども、実業家とは違うけど
行動をもって、あれこれ新しい企画を動かしていたというのは
素直にすごい社会人だなと思ったのであった

新聞社というのは長続きしない可能性はあるが、
報道と呼ばれるなにがしかの情報伝達、操作創作めいたものというのはなくなることはないだろうと
人間社会というものに組み込まれた、時事報道というものに思い至るのであった


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