CLASS3103 三十三組

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【読書】ふがいない僕は空を見た

2016-09-14 20:46:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
ふがいない僕は空を見た  作:窪 美澄

うつうつとした、青春小説といっていいのか、
すかっとしたような、しないような、
どうにも後ろ暗い印象のお話でありました

いわゆる底辺と呼ばれる層を描いたといっていいのか、
貧困とは違う、貧乏によってもたらされる底辺について
そこに生きる少年少女の悲喜こもごもが描かれていたんだが、
まぁ、なんだろうかな、
どうにも重いというか、やだなぁと思わされる内容でありました

先に余談を書いてしまうのですが、
舞台というか背景に団地というものがあり、
そこに住んでいるのが、やっぱりどうにも下層、下流であると
そういう前提なのでありまして、
そこからたちのぼるかのような貧しさと、いいようのない醜さというか
なんだろう、やるかたないものがあって、
そしてこの話が成り立つかのようで、
ろくでもない親と、そのせいか、自分のせいか
それも区別がつかない、底辺をたゆたう子供たちというのが
いや、居るのだろうか、違うんじゃないかと
思わなくもないようなと
本当に団地というところは、そんなところなんだろうか
よくわからんが、ともあれ、そういうことが
こんこんと描かれていたように思うのであります

と、それはそれとして
連作短編のようなつくりで、
読んでいると、どうも一話読みきりのつもりが
続いてしまったかのような、
初題と、描かれる内容が異なっているようにも読めてしまう
なんともいいようのない一冊でありました

一番最初は、そういう底辺ぽさとは関係がなく、
団地妻と不倫というか、春を買われる男子高校生という
なんともいえぬ話でありまして、
これはこれで、なんだろう、いいえぬものがあるなと
読んでいて思い知らされたのでありますが、
続く話で、この団地妻の話となって、
こっから話がどうも胡散臭いというか、なんとも
暗いそれこれになっていき
話が進むに従い、上述のようなところが出てきて
にんともかんともという具合でありました

ちょっと前に読んだ、赤と白もそうだけど、
最近の高校生の間ではこういうのが流行ってんだろうかと
首をかしげたくなるような内容だったのでありますが
わずかながらに、それでも生きていくという気持ちで
終わったような、そうでもないようなというのが
若干救われたようにも思えて
あっという間に読めたんだが、どうも
ふつふつ、よろしくない気がたまったような気分で
終わったのであります


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