CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】レッド・アロー

2024-05-20 21:05:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
レッド・アロー  作:ウィリアム・ブルワー

あかん、読んだのにまったくわからなかった
売れない画家志望だった青年が、たまたま書いた短編小説が大当たりして
というお話なんだけども、終始、この青年がうつ病および精神病に侵されていて、
その意識のはざまとのいったりきたりというか、
どれが本当で、どれが妄想で、かつ、どういうことか
まったく区別がつかないまま読んでしまって、
結局なんかわからんけど、最終的に緩解したなと
そんな感想しか抱けずに終わってしまった
もっと、色々と思うところのある話だったように感じるのだが
なんというか、自分の読解力が情けない

扱っているテーマは、物理学もあったりして
しかもとりわけ難しい時間概念の話で、
さらにそれを認識するということが、他者の記憶をたどることで混同することと
なんかある種の相似を見せるとかうんたらかんたら、
難しすぎてわけわからんと思って、巻末の解説に頼んだら
それがまた、大好きな円城塔だったので、いっそうわけわからんようになって
どうも、半分というか、結構な分量が著者の実体験でもあるそうで
そうならば、これは疑似私小説のようでもあったりして
なんというか、うつ病を乗り越えた人の話で、それを幻覚物質を使ってやったという
体験記でもあったりと、なかなか超神秘的というか、うさんくささもあいまって
面白いという印象になるのでありました

内容として印象的なのは、追い詰められていく様、
たまたま当たった小説の次を書こうとしてうまくいかない、
その部分と、それを先送りにしてしまうところなんかが
凄いリアルというか、あるあるといった感じなのと、
うつ病を患ってから治療にあたっている最中の不安との対峙なんかも
手ごたえというか、そういうものなんだなと思わされる内容になってるところ、
そして、物理学者との会話と、そこに出てくる
不思議と相手の記憶とまざってしまう話
このあたりが、ただ筋として面白いと思えて記憶に残ったのだが
小説として、このあたりがどう成立していたか、そこが思い出せないくらい
うまく読めなかったとメモっておくのである

断片的に理解できるけど、全体はわからないというのが
最近よくあるのは、記憶欠如の問題もありそうだけど
なんとも自分の能力不足を感じるものとなったのだった


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