CLASS3103 三十三組

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【読書】本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人

2014-11-21 21:44:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人  
著:大塚ひかり

題名とおりの内容でありました
古典から、昔の日本をのぞきみて
昨今歌われる残虐な事件等々が、
割と頻繁にあったんだぜという話を
つらつら書いたというそれであります

そういう内容のため、結構陰惨な描写というか、
酷い部分ばっかりなのがちょっと食傷気味でありますところ
ネグレクト、ストーカー、介護疲れ、子殺し親殺しと
まぁ、あれこれと出てくる出てくる、
残虐見本市みたいな内容を割りとあっさり紹介して
昔っからこんなもんだ
というか、いまどき思いつくようなことは
古典にだいたい見当たるという様相でありまして
まぁ、そういうもんだよなとも思うところ

この本の骨子というか、テーマとしては、
「昔はよかった」という世迷いごとから解き放たれようと
それなのでありますけども、
よく言われている「昔は」というのは、
ここに現れる昔ではなくて、
割と近代の昔なんじゃないかしらねと
思ったりしてしまうのであります
昔から、昔はよかったというというパラドクスもありますが、
それとて、原典は昔すぎた頃のようだったように思えばこそ、
なんだろうかな、このロジックはいかがかしらと
ちょっと考えてしまうのであります
まぁ、面白いからいいんだけどもね

と、そんなわけで、妊婦だとか老人子供といった
弱者に対して、非道の限りを尽くしていたかつて、
そして、イケメン無罪が許されていたかつて、
まぁ今と変わりませんなというところですが、
なんだろう、教えによってそうであったという事実と、
そういった教育による隔たりが
高貴という形で存在していたから、
いわゆる市井は、畜生と変わらない扱いというか
畜生だったという事実は、なかなか当たり前ながら
いざ、こう紹介されないとぴんとこないもので
楽しく読めたのであります

前々から思ってたんだが、そうなんだよな
古い話で残っているものは
みんな上流階級の話であって、下々のそれとは
どうにも違うというか、それは
江戸までこないとわからないんじゃないかなと
思ったりしてしまったり
楽しく読んだというメモ


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