CLASS3103 三十三組

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【読書】官能と少女

2018-05-05 21:21:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
官能と少女 作:宮木 あや子

前半は耽美とすら感じられる内容でありましたが、
後半になるに従い、酷く重たい、精神的なグロテスクさみたいなのを感じる
なんとも後味の悪い小説でありました
タイトルの通り、官能に力が入っていて、
相応のそういうシーン描写もあるのだけども、
なんといえばいいか、アブノーマルな感じがして
他人に読んだと伝えにくい内容であったと思うのであります

小児性愛というには、やや少女が成長しているのかもしれないと
思ったりもするわけでありますが、
この少女たちが、性的なトラウマを植え付けられるに至った
酷い生活や、境遇なんかが、ちらちらと見え隠れするというのが
衝撃的なところでありまして、
実際、こうやって体を売っていく少女もいたりいなかったりするんだろうかしらと
なんとも、暗澹たる気分になったのでありますけども
それらを愛する男たちが、純粋であったならば、
あるいは、あってほしいといったような願いにも似た
これまた、願いだとすれば悲惨なことが描かれていて
酷く重たい気分にさせられるのでありました

序盤における、少女と大人の女という組み合わせの話が、
内面描写が秀逸なのと、男性的なそれがないということへの
安心といえばいいか、それもまたインモラルかつ、アブノーマルだと
思えたりもするのだけども
興味深い内容でありまして、この恋愛と情愛が
性欲からくるものか、何か別の衝動なのかというあたり
制御できていないようにも思えるところが
読みどころといえばいいか、ああ、文学というか文章だと
感嘆したのでありまして
小説を楽しめたのでありますところ

あとは、精神を病んでしまうような内容が多くて、
こういう困った精神の女の子というのは
確かに、思い返してみると一定数集団の中にいたような
いなかったようなと思われる節もあったりして、
これもまた、虚構と現実と
ないまぜに読まされるようで興味深かったのでありました

かなり面白かったとか、声を大にしていえるようなテーマでもないので
難しいところでありますけども、
読み終えて、うやむやしたものを抱えさせられるという点において
文章を、小説を読んだという楽しみを味わえたと思うのでありました


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