CLASS3103 三十三組

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【読書】ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ケ谷京介

2022-12-26 21:05:52 | NHK大河ドラマ感想
ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ケ谷京介  作:川瀬七緒

読み終わって、タイトルが副題だったのか?とか思ったんだが、
ヴィンテージガールと、仕立屋探偵が出てくるお話でありました

変わった特技をもつ素人二人が、なんだかんだと、
捜査のプロである警察と異なる視点で事件を解決に導くという
まぁ、説明すると、ありていな感じなんだが
仕立屋と、骨董屋というあたりが面白くて、
あとは、個性強めの登場人物たちが、がちゃがちゃ物語を作っていく感じで
あれよあれよと読み終わってしまった
蘊蓄も豊富で、合ってるのかわからんけど、
なんか楽しく読めてよかったのであります

仕立屋の特殊能力が、
着るものについたクセで、その人の体格が見えるという
もはや超能力じゃないかという感じなんだけども、
そこを裏付けるような蘊蓄がなかなか面白くて、
素人が切った髪の毛で、着ているものの繊維が傷むとか、
そんなことあるんだろうかと衝撃的だったわけだが、
そのあってるかどうかわからんところが、怪しいが面白いなんて
騙されて読んでしまうのであった
この調子だと、この人はマッサージ師とかになったら
凄い腕前になるんじゃねぇかと、
まったく違うことを考えてしまったんだが、まぁ、よい主役でありました

そしてバディになるのが骨董屋で、
描写だとどうにも美人ぽいんだが、言動とやってることがまったくそうじゃないというのが
なんというか残念極まりないというわかりやすいキャラクタで
これはこれでいいかと思えば、このキャラが連れてくる助っ人が
だいたいろくなタイプじゃないというところが魅力的でよかった
特に、アルビノで苦労しているんだが、ものすごくコレクターとか
偏執なのに、さらっとしていたり、妙なところで理論的だったりと
破綻が融合して出来上がったみたいな人格像が素敵だと思ったのである
骨董屋もそういう感じで、まだかわいげがありそうなところが始末に負えない

刑事は、いかにも刑事という感じなので
比較的安心して見ていられたし、素人が推理を続けていくうえで、
それはそれとして、その素人当て推量を補完するための地道な捜査をするところは
ちゃんとしているというか、それがあってこそという見せ方になってるのがよくて
さして仲良くないけど、目的に向けて協同が発揮されていくというのが
なかなかよかったと思うのである

結構湿っぽい人情話というか、暗い話なんかもあるのがアクセントになってて
ただの超絶推理披露話ではないのがよかったと思うのであった