CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

白洲次郎~ラスプーチンの涙~

2009-09-24 22:11:55 | ドラマ映画テレビ感想
NHKスペシャルドラマ白洲次郎
ようやく最終回である第三話を見られました
もちろん、リアルタイムで視聴したあとに、
もう一度ビデヲで見ているといういつも通りのはまりっぷりでした

再放送とか、なんで平日に連夜でやるかなと
先月は憤りを隠せませんでしたが
まさか、この大型連休にぶつけているとはと
天晴れに思いつつ、固唾を呑んで見守ってしまいましたところ
やはり面白かった、色々思うところはあるけど
それを押し切られるくらい面白かったと思うのであります

今回の第三話において
白洲次郎の暗部と呼んだらいいのか
色々物議を醸した部分が描かれていて
これがまた凄くよかったと思うところ
なんか、いい人で凄かったんだよだけで終わらず
それのこういう部分もあったんだというのを
なるべくよいテンションで、若干贔屓目が働くのは仕方ないけども
ちゃんと描いていたように思えて
私としては大満足でありました
というか、実際、ここでやられた内容の
どこからがフィクションなのか、全然わかりませんが

見所いっぱいで楽しめたのでありますが
広畑製鉄所の話については、最近ステキすぎる
エンケンと殴り合いの喧嘩
このシーンが再現されるとは思わなかったと感激したのですけども
すげーやりとりでよかったです
別に殴ってなくても、殴ってるように見えるというか
そういうことじゃなくて、あれくらいのおっさんが
本気で怒って取っ組み合いするというのがステキなんだと
感動したのでありました
どっちも負けず嫌いというのではなく、
お互いの主張がいい塩梅でこなれてて、
しかも、見ている側としては、白洲の意見ではない未来に生きていて
それはそれで成功しているのを思うと
次郎の訴えたことに関して、様々に思うことが出来てステキでありました
あそこではした金を手に入れて、それによって
吉田茂が何をするつもりだったのか
その未来は永遠にやってこないからわからないのでありますね
某所によると、結局イギリスは貿易に頼って
今、あのざまなんだから、あの選択は間違ってなかったんじゃないかと
そういうお話でもあります
こういう議論の余地があるところがステキ

また、暗い部分というかこれに関わりつつ
下山事件やらなんやらについても
憶測でしかない話をわかりやすく、新聞記者に尋問させる
あれもよかった、かわし方がかっこよすぎるとは思うが
それにしたって、いい塩梅だったように思うのであります

珍しく、悪人とか善人とかで描くんでなくて
若干善人よりにしてあるとはいえ
興味深く描かれていたドラマだったので面白かったと思うところ
もそっと近代史の勉強をしていたら
もっと面白かったかもなぁと悔やんでしまいます

ただ、少しというか、結構残念だなと思ったのが
正子の扱いが思った以上に投げっぱなしだったところであります
青山二郎の出番はあれだけかよと
がっかりしてしまったのでありますけど
もう少し、数寄者としてあれこれしていく過程も欲しかった
というか、ほとんど描かれないならば
いっそのこと、次郎だけでよかったんじゃないか、
次郎の葬式の話とか、ゴルフ場の話とか
そんなのしたほうが面白かったんじゃないか
ちょっと考えてしまうところであります

このあたり、あまりにも幼稚な邪推をするならば
ゴルフ場エピソードについては
政権交代等の影響もあったんじゃないかしらと
ちょっとだけ思ってしまうのであります、惜しかった

とまれ、十分面白かったのでありまして
尻窄みだったのが悲しいのですが
これくらいのテンションで終わるからこそ、むしろいいのかもしれないと
万歳で持ち上げすぎるものよりよほどよかったかもと
納得してしまいながら、しみじみと感動を噛み締めるのでありました

しかし、白洲次郎ってのは凄い人だったんだな
改めて思うのでありました