CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

陶磁器を探す旅~岐阜県陶磁資料館~

2009-09-23 20:48:14 | 陶磁器を探す旅と名物
今回、近所なのになかなかいけない
正式には近所というには遠いけど、
旅行というほど遠くもないという
微妙な位置にあって、なかなか行く機会に恵まれなかった
岐阜県の南東方面へと出征して参りました
もちろん窯場めぐり
今回、初めての関ヶ原を抜ける中山道ルートで進出
米原を経由し、垂井で竹中半兵衛を思い
岐阜城を見過ごし、墨俣もやりすごしといった
なかなかステキな道中でありました

とりあえず、最初に到着した
岐阜県陶磁資料館のレビウであります

いわゆる美濃焼の聖地まわりという具合で
今後、ぼちぼち手を出していきたいと思っていた
とりあえずの斥候もかねての出陣でありました
手元にある焼き物の本によると
なかなか立派な陶器が見られるということで
楽しみにしていってきたのでありますが
いや、さすがに滋賀からいくと遠いな、でも
車って便利だな
同じ東進だというのに、下道で移動したら
さほどの時間を要さないものでありました

19号線という大きな通りから
少しだけ南にはいったところ
多治見と土岐の間くらいにありました
でっかい看板は出ているのですが
そんなに大きく宣伝しているわけもなく
ちょっと山に囲まれたようなところにあって驚き
山というか、なんだろう
横道に入って、山をのぼっていったら、資料館が出てきた
そういう具合でありました

失礼とは思いつつも正直な感想を書いておきますと
いつ潰れてもおかしくない貧相さだな
というものでありました
人がいないのは仕方ないのかとも思いましたが
正面玄関が封鎖されていて
その横の小さいところが入口、反対側が出口になっておりまして
これがうわさに聞くハコ物というものなんだろうかと
不安をいっぱいにかかえてしまったところ
しかし、中に入ってみると
なるほど、公民館のような様相であります
□の字が縦に伸びた形をしておるわけでして、
中央は中庭になっていて、その庭を囲むようにして廊下
ところどころに会議室のような部屋が設けられているという
なんのへんてつもない建物でありました
正直に言うと、やる気を感じられない
でも、これこそがと思ってしまうあたり
わたしも心が折れ曲がっております

で、見てきたわけでありますが
さすが資料館というだけあって、博物館の様相を呈しておりました
様々に出土した、美濃焼の破片などが多数展示されていて
そのほかも、ちょっと美術書というか
本で何度か見たこと在るぞというような
桃山年間、江戸年間の織部、志野の逸品が
ずらずらと並べられておりました

立て看板にてそれぞれの特色と説明が書いてありまして
今回、特別展だったらしいんだが、常設展と
何が違うのかよくわからなかった
美濃焼の歴史はなかなか分かり易くて、初期から後期にかけて
だんだんと釉薬の具合がかわっていく様子が
すごくわかりやすく陳列されておりました

名物というではないですが、多分
十分名物たる茶碗だろうと思われる
黒織部、織部黒の茶碗
志野の古い茶碗、特に、正面に渦巻きがあしらってある
これはへうげものに出てきた乳首茶碗の前のやつじゃないのか?
そんなことを思うようなステキな絵付けものが並んでおりました

さらに、地元岐阜の伝統工芸士、ならびに国宝や県指定無形文化財の
ステキな人々の茶碗、名を挙げれば
荒川豊蔵、鈴木蔵、加藤卓朗などなどのすげービッグネームの
見事な茶碗が展示されておったのが魅力
これで300円の拝観料は安いと感激してしまったのであります

特に荒川豊蔵の志野焼は絶品でありまして
本で見たそれこれとそっくりというか
まあ、それの本物なわけでして
それを目の当たりに出来たという喜びはハンパないところ
その他も優れた茶碗がたくさん展示されており
美濃焼を簡単に、それでいて、最高ランクで堪能できる
そんなところに思えたのでありました
ステキすぎて楽しかった

興奮のあまり、二週くらいしてしまったわけですが
また行きたいと思うのであります
そして、旅はまだまだ続く