CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

背負い水

2006-04-20 08:45:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
背負い水  荻野アンナ

芥川賞受賞作品だそうであります
あまりというか、わたくし
文壇関係にまったく情報を持っておりませんので
どういうことなのかわかりゃしないのですが
ともかく、ありがたいことは確か
どんなものかも解らずに読んだ次第

で、内容はといいますと
背負い水、食えない話、四コマ笑劇「百五十円×2」、サブミッション
とまぁ、上記4つの短編小説が折り重なったものでありました
本の題名にもなっている「背負い水」がメインだったのですが
全体通して、なんだろうか
女性作家のあれこれというか、前に読んだ
ダメな男に恋をしてだったか、あんなようなお話で、
一人の女性のひきこもごもを、面白おかしくつづったような具合

背負い水につきましては
・女性が主人公
・同棲している
・同棲相手は謎の多い男
・女性が浮気ともいい難いが、なんともいえないおっさんと
どうにかなってみようかと踏み出してみたが失敗する
・背負い水という、人間は一生で呑めるだけの水を
生れたときから背負ってきてて、それがなくなると死ぬ話を聞く
・あらいやだ、同棲男とはまだ水が切れていないのかしらん
いや、切れたようだ
と、おまえちゃんと読んでないんじゃないか?というような
不安極まりないそんなところでありました
あらすじにすらなっていないのですが
ともかく、なんかうやむやして様々に誤魔化されているというか
同棲男が嘘をついていることをつつくことすらも疲れたというか
つついたら壊れるんだから、つつかないでおいたが
もうそれも御免こうむるぜ、みたいな具合だったように思います

実際は、本当の書評をされている方にお尋ね頂きたいのでありますが
まぁ、そんな具合、その他の短編もとりあえず
モテないとか、終わりつつあるとか、切ない女子の話で
30がらみで、一人身で、いわゆる負け組っぽいそれこれが
そうではなくなるか、あるいは、そのいかに負けているかみたいな
それをつづったのでありますところ
個人的に食えない話は、その描写だけステキでありました

こちらは
・作家の女子が主人公
・とりあえず男運とか勝ち組とかそういうのは見たことがない
・悔しいからダイエットする
・その興亡
と、まぁそんな具合で、これもまた
そんな話じゃねぇだろうと読んだ人に殴られそうですが
そうだと思ったんだから仕方ない
作中で、ダイエットに苦しむなかその苦しみを
創作意欲に転換して、小説を書くのでありますが
その描写が一部挿入されて、なんというか笑い話になってました
多分ダイエットをしている女性なら
すげぇ共感を得ることができるのであろう描写がそちこちに
ちりばめられていて、そこが面白かった気がします

あと二編はなんだかよくわからなかったのですが
最後のサブミッションだけは男臭いというか
男が主人公でありました
これも、個人的に読み所はオチになる前のところでして
とある女性と恋のようなものが始まる瞬間を描写してあるんだが
そこが秀逸であります
全編通して、意味がわからんなぁと
だらだら読んでいるんだが、その意味がわからんままに
不案内な説明文章によって、もやもやとした心が芽生え
ああ、これが恋に落ちる瞬間なのかもだなとか
勝手に合点がいっておったのですが
ここだけステキ、あとは特にべつにとかなんとか

おとしめるような内容になっている気がしますが
さくさくと読むにはよかったのでありました
しかし、女性作家はこういう文章を書く人が多いのだろうか
ちょっと思うところながら
共感を呼ぶ文章は、呼ばれない人からすると
何か反作用を及ぼされるのかもだなと
考えてしまいましたとか、本当、この本と関係ない感想でごめんなさい