最初の「ゴジラ」は1954年製作されていますが、今回は「ゴジラ FINAL WARS」(2004)
以来12年ぶりに製作された「ゴジラ」映画です。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀
明が総監督・脚本を務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣
が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎を准監督
に迎え、ハリウッド版に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴ
ジラをフルCGで描き出した作品です。
長谷川博己、竹野内豊、石原さとみをメインキャストに、総勢328人が出演。加えて、狂
言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加しています。
大宣伝もあり期待して見ました。間違いなくCG技術は進歩していてゴジラが暴れるシー
ンは過去の作品へのリスペクトもあり、中々の出来栄えです。でもいくらCG場面が良くて
も大事なことは物語で、それがっちり描かれてこそ生かされるものだと思います。
何処を向いても絶賛の嵐なので、こう書くと袋叩きに会うかも知れませんが、物語部分が
チャチだし、人物の描き方が薄っぺらで、特に石原さとみの扱いなどは噴飯ものです。
先に書いたゴジラも進化する前のモグラ状のゴジラは良くないし、成長してからも目が人形
みたいで凄みがありません。映画館は大入り満員のようですが、久しぶりに映画館へ来た
人も多いのですから、この時こそ上質な娯楽作品に仕上げて欲しかったとつくづく思います。