数々の名曲を生み出し、天才作曲家フレデリック・ショパンの生誕200年
に合わせて製作・公開された伝記ドラマです。
39才の若さで亡くなったショパンは、ロシアの圧政を離れて祖国ポーラン
ドを脱出し、パリに移ってからはサロンの寵児となり、病に苦しみながら
美しい至高の音楽を生み出し続けます。
そして彼と恋多き女として名を馳せたジョルジュ・サンドとの運命的な愛
と悲劇を忠実に辿った内容になっています。
監督はイェジ・アントチャク。映画の中での演奏は、世界的なチェロリスト、
ヨーヨー・マ、「戦場のピアニスト」の演奏で著名なヤーヌシュ・オレイニ
チャクら、さらに日本からはショパン弾きとして名高い横山幸雄も演奏家
として名を連ねていますが、私は必ずしも映画と上手くマッチしていなか
ったと思っています。
映画の滑り出しはスムースで、時代色なども上手く表現されていて期待
したのですが、良かったのは最初だけで、後は構成も演出も乱れて不満
タラタラです。
私たちがいた大映で社是とも言われた、初代社長・菊地寛の言葉「面白
くない真実より、面白い嘘」が当てはまるなーと思いながら見た一篇で
した。
映画ですから、少しぐらいの虚構を交えてでも、もう少し面白く盛り上げ
ることは許されると思うのですよ・・・。
これでは音楽ファンだって満足しないと思いますよ。