この作品はカンヌ国際映画祭やサンダス映画祭など世界各国の映画祭
で注目され、しかもアカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞で
男優・女優賞にノミネートされるなど話題一杯の作品です。
私も公開初日に見ようと思いながら時間が取れず、やっとの思いで映
画館に駆けつけました。
朝からビール片手にペンキ塗りをして僅かな収入を得ているディーン
(ライアン・ゴズリング)と、努力の末に資格を取って病院で働くシンデ
ィ(ミシェル・ウィリアムズ)は結婚して7年を迎える夫婦で娘もいます。
ささやかな幸せの暮らしは、お互いの不満を口に出したら壊れてしま
うような危うさを含んでいます・・・。
出会って間もない頃の輝く二人と、会話もすれ違い喧嘩越しになり勝
ちの現在を、カットバックで行き来しながら、愛が育まれ、終焉してい
く姿を描いています。
冴えない夫婦生活をリアルに描いている本作は、異色ではありますが
物語としてはそれほど目新しいとは思えません。
それでも愛し合って夫婦になってもこうなってしまうのかと、考えさせ
られる本作の監督デレク・シアンフランスは、劇場用長編作品が2本
目だそうで、今後が楽しみな監督の一人です。
夫婦役の二人は製作にも参加するくらい力の入れようで、演技の方も
大熱演です。
こうした内容の演技はややもすると過大評価され勝ちになるのですが、
ゴズリングは違う年齢を表現するために髪の毛を抜いたりの工夫をし
たそうで、ウィリアムズも過激なセックス描写や体重増量を厭わずに
やり抜いた根性を、大いに買ってやりたいと思います。
この作品も評価は二分するでしょうが、映像も素敵だし私の好きな一
本です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます