期待していた「ブラック・スワン」ですが、期待以上の出来ばえです。
ニューヨーク・シティ・バレエの新らしいシーズンの演目は「白鳥の湖」
に決まり、芸術監督のルロイ(ヴァンサン・カッセル)は新しいスターを
抜擢することを宣言します。
そして多くのライバルたちがしのぎを削る中から、ニナ(ナタリー・ポー
トマン)が主役の座を射止めます。
プリマは清純な白鳥と邪悪な黒鳥の二っの役を踊らなければならない
のです。
可憐で純真なニナは白鳥はピッタリですが、邪悪で奔放な黒鳥の激し
い表現に仮題を残し、そのプレッシャーはあたかも黒鳥の呪縛にあった
ようであり、その内面の葛藤から彼女は性的妄想の世界に踏み込んで
行くのです。
そんな折に妖艶な色香を備えたライバルのリリー(ミラ・クニス)が出現
します・・・。
全編を通してユーモアとか笑いを誘うような場面は無い上に、明るい話
ではないのですが、劇映画の面白さというか物語が良く出来ているので
見ていてぐいぐい引き込まれます。
監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキーで、その手法があざと
いという人もいますが、劇的効果を上げるために、このくらいのメリハリ
は必要だし、濃目の味付けは当然と私は考えます。
そして何よりも素晴らしいのはナタリー・ポートマンで、今年のアカデ
ミー賞主演女優賞は納得です。
幼少期にバレエを学んでいたという彼女は、劇中の主人公さながらに、
身を削るように過酷な役作りに挑んだそうで、撮影前の10ヵ月、毎日
5時間のトレーニングを行ない、舞踊のシーンの大半を吹き替え無しで
演じたとのこと。
それだけの効果は画面からにじみ出してくる大熱演です。
私的に好きで大いに買う作品ですから、逆にあまり難しく長々と書くつ
もりはありませんが、暗い内容であり心理スリラーを扱ったものだとい
うのに、こんなに面白く見れるのは珍しいです。
皆さんに絶対お薦めしたい一作です。
親友のお譲さんが、金森譲のところで踊っていたり、ロシアからバレー団が来ると上野に観にいったり、、
私も少しだけ子供頃に、、
この映画は見る人によって評価というか、好き嫌いが大きく分れます。
私は大好きで、どれだけ知人にPRをしたか・・・です。