今回は、今までなぜ取り上げなかったのか不思議に思われる中田康子さんです。
後ほどいろいろ述べますが、中田康子さんは私の好きなタイプの女優さんの一人
です。
中田康子さんは昭和８年(1933)に長野県松本市で生れ、高校を卒業後昭和２５
年(1950)に宝塚音楽学校へ。翌年に宝塚歌劇団に入団、芸名は由狩(ゆかり)し
のぶで娘役として活躍しましたが、同期に長谷川季子さんが居ます。昭和２８年
(1953)に宝塚を退団、日劇ダンシングチームに入ったという変わり種でもあった
のです。
その日劇も昭３０年(1955)には辞めてしまいテレビに出るようになりますが、昭和
３１年(1956)に東宝入社約５０本の映画に出演、徐々に人気が出てきます。
それから先が問題で、昭和３３年(1958)に東南アジア映画祭に出席して永田社
長と運命的な出会いをするのですが、中田康子２５歳。どうも会った瞬間に永田
社長は彼女に一目ぼれだったようです。永田社長は東宝に無理を言って彼女の
大映移籍を画し、彼女もまんざらではなかったようで昭和３４年(1959)に大映に入
ってきたのです。
永田社長との仲は公然となりますが、彼女は顔色ひとつ変えず明るく振る舞い、
ミュージカル「アスファルト・ガール」を始め、現代劇・時代劇、果ては怪談物まで
約３０本の作品に出て大映に貢献します。
永田社長が福岡に出張でやって来たときにも彼女は同行していて、永田社長は
彼女を「ヤッコ、ヤッコ」と呼んでいたのを私は見聞しました。
当時の大映はまさに斜陽期に突入し始めていて、二人の関係はその後大きく変
化して行くのです・・・。(次回へ)
そういえば、今まで中田さんが取り上げられていなかったですね。特撮映画の好きな私にとっては、どちらかというと東宝の女優さんという印象でした。「空の大怪獣ラドン」の、ラドンに襲われるアベックとか、「孫悟空」の妖怪とか。ですが、大映でもいろいろな作品に出演されていますね。今年観た「新源氏物語」では六条御息所の役で、女性の嫉妬や情念をうまく演じられていたと思いました。それから私にとって印象深いのは「山田長政 王者の剣」のシャムの姫役です。ラストで、毒を飲まされてからの長谷川御大の「断末魔」（©北原義郎さん・バルゴン及びギャオス参照）の演技が長く、中田さんもテンションを保つのが大変だったと思います。前にも書きましたが、この作品は失礼ながら決して評価が高くはないようですが、私は好きな作品です。邦画で戦象のスペクタクルを見せてくれたのはこの作品だけですし、根上淳さんと田崎潤さんがよい味を出していたと思います。
彼女、グラマラスだけど演技もうまかったですよね。台詞回しも滑らかで、こういう仇っぽい姐さんを演じるとピッタリでした。
だいぶ前に熱海かどこかでダンス教室やっているという記事を夕刊紙で見た記憶があるのですが、まだお元気なのかな。
次回が楽しみです。
中田康子さんのことでは賛否両論がかなり激しくあります。私は彼女の擁護派ですが、
この欄での扱いは最後の方に書きたいと思っていた人でもあります。
「山田長政 王者の剣」は仰るようにどちらかというと低い評価ですが、私の師でもある
加戸監督作品なので、思い入れが深い作品です。
扱いが遅れた訳は ↑ 前の欄にも書いた通りです。私は彼女の存在をむしろ評価しています。
そんな彼女も今年で82歳、今もお元気で、熱海でジャズダンスを教えているそうです。
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折角のリクエストですが、残念ながら所有していません、ご免なさい。
wikipediaの情報では中田さんが昨年10月に亡くなったことになっていますが、中島さんのほうで情報をご存じでしょうか。
あと木村元さんも昨年亡くなられたようですが、ご存じでしたら教えてください。
ご連絡有難うございます。
この情報はうすうす私も聞いていましたが確認が取れないので私も気にしていました。
コロナ渦で大映会も約3年開催出来ず、私として一番の情報源が機能していないのです。
遅ればせでも、詳しい情報が入りましたらご報告させていただきます。