映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (141) 追悼・八並映子さん

2017年01月23日 | 日記

   

   

           

        
    
    もと大映女優八並映子さん(本名・三浦由江)が、今月14日に亡くなられていたことを
    知り驚いています。大映後も仲良くしていた南美川洋子さんのコメントを加え、彼女を
    追悼したいと思います。

    1971年の大映の倒産後は各社の映画やテレビに出演していた彼女ですが、それも19
    83年ころまでで、それからの彼女は芸能界からプッツリ消息を絶っていて、2000年に行
    われたトークショー・プレイガール伝説に顔を出したことがあったくらいでした。
    大映はもともと文芸作品や時代劇がお家芸と言っても、60年代後半に至っては全く変
    貌して製作状況の悪化が急速に進み、70年・71年はセックス・妊娠・売春といった過激
    であり、奔放な性春群像を描いた、いわゆるハレンチ路線が主流になってしまいます。

    そんな流れの中で特に活躍した一人が八並映子さんです。
    彼女は静岡の出身で第20期のニューフェイスとして大映に入ってきた子で、私も撮影所
    で逢いましたが、中々芸熱心だしキュートだし、本格的に育てたら大成していたかもしれ
    ないと思います。
    在籍2年間でしたが「女賭博師壷くらべ」「高校生番長」「十代の妊娠」「高校生ブルース」
    「高校生番長 棒立てあそび」「高校生番長 深夜放送」「高校生番長 ズベ公正統派 」「可
    愛い悪魔 いいものあげる」「すっぽん女番長」「タリラリラン高校生」「十七才の成人式」
    「ガメラ対深海怪獣ジグラ」「成熟」「穴場あらし」「悪名尼」の15本に出演していて、彼女
    の主演した「悪名尼」は昭和46年(1971)11月20日公開でしたが、これが倒産した大映
    の最後作品となりました。
    大映後の彼女はフリーで東映や東宝・日活に出演、テレビでは「プレイガール」のおふじ
    役が有名です。芸能界を引退した彼女は、その後に素敵なパートナーと出会い、とても幸
    せな生活を送っていたことを知り、それがとても嬉しく感じるのですが、68歳での急逝は本
    当に驚かされました。どうか安らかにお眠りください。合掌

    【南美川洋子さんのコメント】
    本当に驚きで、本当にショックでした。
    大映にいる頃よりも、お互いに引退してからの方が密に会っていました。
    「映子ちゃん」「洋子ちゃん」と呼びあって楽しかった。電話が鳴って 私が出ると「洋子ちゃ
    ん?」って声が今でも鮮明に思い出されます。
    映子ちゃんが麻布十番、青山、代々木上原と居を変わる度にお邪魔して、又、私の広尾
    にも遊びに来てもらい、麻雀したり、ゴルフに行ったり、食べ歩いたり、ハワイで合流してく
    れたりと、いつも明るくて、ドーンと構えているような頼りになる大切な大切な人でした。
    バブルが弾けてから、私は一切誰とも連絡を絶ち、息を殺して毎日を過ごしていました。
    5回ほど引っ越しをして、そのまま連絡も取らずに現在に至ってしまいました。
    映子ちゃんと最後に会ったのは、新居を探されている時でしたので、新居の住所もわから
    ず連絡も取れなかったのが残念でなりません。
    疎遠だった時期には想像出来ませんが、知っている限り本当に大切にされ、とっても幸せ
    な毎日を過ごされていましたので、きっと最後まで幸せな人生だったのではないかと思いま
    す。どうかファンの皆様ご安心くださいね。
    写真からも滲み出ていると思います。(写真はハワイのオアフ島でのクリスマスと、マウイ
    島のホテルでのスナップです。(カメラの日付は、故障の為正確ではありません。)
    丁度この1週間位の間に、映子ちゃんの事を2~3回思っていたのが、もしかしたら「お別
    れのご挨拶」だったのかと 大変胸が痛みます。
    キラキラ輝く、姐御肌のカッコいい「八並映子」さんを、いつまでもいつまでも忘れないでい
    てくださいね。
    ご冥福をお祈りいたします。
     南美川 洋子
  

    
  




コメント (26)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  周辺雑記 | トップ | 映画 「本能寺ホテル」 »
最新の画像もっと見る

26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (marinne)
2017-01-23 13:43:06
八並映子さんの大映でのご活躍
よく存じ上げて居りませんでした。
申し訳ありません。
訃報を知ってから自分なりに
八並さんを考えていました。

南美川洋子さんのご紹介くださった
お写真には、八並さんの
魅力的なお人柄、溌剌さを感じます。
本当に素敵な方だったんだなぁ

お二人の変わることのない友情と
素顔の八並映子さんが伝わってきます。
謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
返信する
中島様、南美川様 (タム親父)
2017-01-23 14:09:46
こんにちは。

改めて、八並映子さんのご冥福をお祈りいたします。おそらく最後の登場であろう「プレイガール」のトークショウは、当時スカパーで放映されました。私も見た覚えがあります。その時は、「ああ、八並さんもまだ現役なんだ」と思ったものです。

八並さんは主演も助演もされていますが、助演で光ったのが「成熟」だと思います。関根恵子さんのクラスメートの役でした。「成熟」には個人的な思い入れがあります。この作品で赤座美代子さんが山形県のあつみ温泉の芸者の役でしたが、ロケをやっていたであろうちょうどその時期に、同じあつみ温泉に滞在していました。小学生で何も知らない時期でしたが、もしかしたらロケ隊とニアミスしていたかもしれないと思うと、親近感があるのです。あつみ温泉から帰ってから父に連れて行ってもらったのが「ガメラ対ジグラ」でした。

早すぎる晩年でしたが、お幸せな晩年であったそうで、せめてもの救いです。


南美川様

貴重なスナップを公開していただき、ありがとうございます。お2人の仲の良さが伝わってくるような写真ですね。大事なお友達をなくされたこと、ご心痛をお察しします。我々読者と、このブログで交流していただくことが、少しでも癒しになると良いのですが。


返信する
Unknown (hayamin)
2017-01-23 14:25:07
八並さんは速水亮さん、そしてあまり知られていませんが中野良子さんとも同期でしたね。
速水さんのお話によると、中野さんは大映末期の路線を嫌っていて、研究所卒業公演の主役に抜擢されていたにもかかわらずさっさと辞めてしまい、その替りを演じたのが八並さんだったそうです。
機を見るに敏と言いますか、その後を思えば大映でデビューしなかった中野さんは賢明だったのでしょうけど、大映ファンとしては複雑な気持ちです。
数年前に「大映セクシー女優の世界」と言う本の著者が八並さんにインタビューを申し込んで断られた話を読み心配していましたが、引退後はお幸せだったと言うお話を伺って僅かに安堵致しました。改めて冥福をお祈り申し上げます。
返信する
松方さんも・・・ (タム親父)
2017-01-23 17:47:27
たった今、松方弘樹さんの訃報に接しました。雷蔵さんの没後、一時期大映に在籍されたことは周知の事実だと思います。神山さん、八並さんに続いて、立て続けに大映を支えた方が亡くなり、言葉もありません。

雷蔵さんと松方さんをつなぐのが、松方さんのお父様である近衛十四郎さんですね。雷蔵さんの遺作である「血祭り不動」で、最後に雷蔵さんと心ならずも対決せざるを得ない侠客の役でした。

ご冥福をお祈りします。
返信する
合掌 (総太郎)
2017-01-24 00:45:20
皆様方、こんばんは。

そして、南美川様、素敵なお写真ありがとうございますm(__)m

八並様、神山様ら皆様方が安らかにあられるようお祈り致します。

松方さんの訃報も本当に悲しいです・・。
タム親父様の御言葉に尽きますが、
大映時代の事について、松方さんからもっと沢山伺いたかったですね・・。

森一生監督「皆殺しのスキャット」が評価の高い作品でしょうが、
「眠狂四郎」シリーズ等、ソフト化、名画座での上映が少ないんですよね・・。
心より御冥福をお祈り致します。
返信する
Unknown (中島けん)
2017-01-24 21:46:18
marinneさん

八並さんが南美川さんとハワイで撮った写真はとても貴重だと思い、
アップさせていただきました。
大映時代の若い人たちが亡くなると、私は胸が痛み猛烈に寂しいです。

返信する
Unknown (中島けん)
2017-01-24 21:50:59
タム親父さん

八並映子さんは大映最後の作品の主演者ですから、私の想いも大きいものがあります。
早死にでとても気の毒です。
松方さんも時を同じくして亡くなり、大映で松方さんと何本が一緒に撮った作品がある
南美川さんも、きっと悲しい思いをしているでしょう。寂しいです。

返信する
Unknown (中島けん)
2017-01-24 21:57:22
hayaminさん

演技研究所のことをよくご存じですね。感心します。
そんな人の中には大映作品ではなく他所に出て、名を出した人が結構います。
八並さんについてはいろいろと想像されていますが、彼女は本当に幸せな
人生後半だったようです。
返信する
Unknown (中島けん)
2017-01-24 22:00:45
総太郎さん

寂しいことが相次ぎ呆然としています。
松方さんは大映に在籍した時期があり、このブログの2014年12月29日に
そのことをアップしていますので、良かったらご覧ください。

返信する
哀しいですね (南美川 洋子)
2017-01-25 07:59:48
八並映子さんの訃報を知って、すぐの松方弘樹さんの訃報。
直接存じ上げていたお二人の悲しい知らせはかなり堪えました。
松方さんとは「玄海遊侠伝」「眠狂四郎」「若親分」「忍びの衆」「皆殺しのスキャット」とテレビの「ホテル」でゲスト出演でご一緒させていただきました。
日刊ゲンダイ掲載時の「プレイボーイで有名なある俳優さん」とは松方弘樹さんの事だったのです。
撮影の合間に「おい洋子、国際ホテルに泊まってるんだね。今日行くからね」と言われた事を真に受け、部屋のソファセットをヨイショと積んでバリケードを作って寝た事が愉快で懐かしい思い出です。
改めて、DVDにした映画等を観賞しながら、ご冥福をお祈りする事にいたします。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事